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ここが知りたい REACH規則

コラム

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12.04.13

優先評価化学物質の追加と削除

平成24年2月17日の3省(厚生労働省、環境省、経済産業省) 審議会において、優先評価化学物質相当と判定された物質として一般化学物質の中から8物質が選定されたことを、同年3月16日のコラムでご紹介しました。

上記審議会の結果を踏まえて出された、平成24年3月22日および3月23日の3省告示において、優先評価化学物質の追加と削除が行われました。3月22日の3省告示第2号では、上述の3省審議会で選定されていた8物質が優先評価化学物質として追加されました(表1)。さらに平成24年3月23日の3省告示第4号において、1物質が優先評価化学物質の指定が取り消されました(表2)。

表1
No 官報公示番号 官報公示名称 指定年月日
89 1-419 過酸化水素 2012/03/22
90 2-201 メタノール 2012/03/22
91 2-302/2-354 ジエタノールアミン 2012/03/22
92 2-689 過酢酸 2012/03/22
93 2-690 無水酢酸 2012/03/22
94 2-984 アクリル酸 2012/03/22
95 2-1146 クロロ酢酸ナトリウム 2012/03/22
96 3-2233 シクロヘキサン 2012/03/22
表2
通し番号 化審法第2条第5項の規定に基づき優先評価化学物質として指定した物質の名称 官報整理番号
44 2-メチルプロパン-2-オール(別名:tert-ブチルアルコール) (2)-3049

その結果、平成24年3月時点における優先評価化学物質は、昨年度末に指定されていた88物質と上記の今年度の追加8物質と取消1物質により95物質となりました。

現行化審法(平成21年5月20日公布)においては、既存化学物質を含むすべての化学物質について年間1トン以上の製造、輸入を行った事業者に対して毎年度数量等の届出義務が課されます(一般化学物質の製造量、輸入量の届出)。

上記の届出の内容や有害性に係る既知見等を踏まえ、優先的に安全性評価を行う必要がある化学物質を「優先評価化学物質」に指定します。

以下に一般化学物質および優先評価物質の届出等に関する規定を記載します。

1.既存化学物質、新規化学物質および一般化学物質について

最初の化審法が公布された昭和48年10月16日時点で、我が国において業として製造、輸入されていた化学物質が「既存化学物質」と定義され、国によってその名簿が作成されています。この名簿は「既存化学物質名簿」といわれ約2万種の化学物質が掲載されています。
 この名簿に掲載されていない化学物質は、「新規化学物質」と定義されています。新規化学物質を新たに業として製造、輸入しようとする事業者は事前にその新規化学物質の製造、輸入の許可を国から取得する必要があります。既存化学物質を製造、輸入しようとする事業者に対しては、このような事前申出、届出の法的な要求はありません。
 事前届出が受理された新規化学物質は、官報に公示された後、既存化学物質に準ずるものとして取り扱われます。これは「新規公示化学物質」と呼ばれています。既存化学物質と新規公示化学物質を合わせたものが「一般化学物質」に相当します。

2.一般化学物質の届出

一般化学物質を製造もしくは輸入している事業者は、取り扱っている一般化学物質の製造量、輸入量及び用途別の出荷量を毎年度、経済産業大臣に届出しなければなりません。これによって国は、日本全体の一般化学物質の総流通量を把握することができます。
 一般化学物質の製造量及び輸入量の届出は法人単位で行うこととされていますので、複数部門、事業所を持っている法人はそれらのすべての部門、事業所での取扱量を合算した量が1トン/年以上であるかどうかを判断し、1トン/年以上であれば届出が必要となります。
 届出数量は、製造量及び輸入量の合計量を四捨五入して有効数字を1桁として届出を行います(例:製造量及び輸入量の合計が「17.26トン」の場合は「20トン」として届出)。

ただし、以下の場合は、届出対象から外されます。

  • 試験研究のために製造・輸入した場合
  • 一事業者あたりの一年間の製造・輸入数量が1トン未満の場合
  • 当該化学物質がリスク評価を行う必要を認められないとして、厚生労働大臣、経済産業大臣、環境大臣が指定する化学物質(届出不要物質)である場合

(1)不純物等の扱い
 混合物中に含有される重量比10%未満の一般化学物質および他の化学物質に不純物として含まれる重量比10%未満の一般化学物質は1.0トン/年超であってもいずれの場合も届出の必要はありません。

3.スクリーニング評価

国は用途ごとに「排出係数」を定めています。排出係数とは、環境へ化学物質が放出される割合を示すものです。たとえば、金属洗浄用溶剤の用途分類の場合、大気への排出係数は0.2、水域への排出係数は0.00008が割り当てられています。
 国は各用途における製造量、輸入量と排出係数を掛け合わせることによって、その用途による環境への放出量を推計します。そしてすべての用途における環境放出量を足し合わせることによって、個々の化学物質の日本全体における総環境排出量を推計します。
 こうして得られた個々の化学物質の環境放出量と別途、国が推定する個々の物質の有害性からその物質のリスクを評価します。その結果に基づいて「優先評価化学物質」を選定します(リスク=環境への放出量×有害性)。

以上のような手法で国が行う評価が「スクリーニング評価」といわれるものです。優先評価化学物質に選定された化学物質は、国によってより詳細な評価が行われることになります。
 冒頭に照会しました新規に優先評価化学物質として追加された8物質は、上記のプロセスを経て3省審議会において「優先評価化学物質相当と判定された」ものです。

4.優先評価化学物質の届出

従来、一般化学物質であったものが優先評価化学物質に指定されたことにより、当該化学物質の製造量、輸入量が1トン/年以上の場合、製造者、輸入者は優先評価化学物質としての届出が必要となります。一般化学物質と優先評価化学物質はいずれもの場合も前年度の製造量、輸入量が1トン/年以上の場合、4月1日-6月30日の期間に届出の必要があることは既報のとおりです。
 優先評価化学物質は、今次の化審法改正において第2条5項で新しく定義されたものです。
 その定義によりますと、「その知見及びその製造量、輸入量の状況からみて、環境において相当程度残留しているか、その状況に至る見込みがあると認められる化学物質であり、当該化学物質による環境汚染により、人の健康被害及び動植物への被害が生ずるおそれがないとは認められないもので、その性状に関する情報を収集し、及びその使用等の状況を把握することにより、そのおそれがあるかどうかについて評価を優先的に行う必要があると認められる化学物質」とされています。

優先評価化学物質の届出は、1物質当たりの製造量、輸入量の合計が1トン/年以上の場合で、一般化学物質の場合と異なり、少数第1位を四捨五入して実数で届出を行います。,br>  例:優先評価化学物質の製造量、輸入量の合計が「17.26トン」の場合、届出る年度合計は「17トン」となります。

不純物、意図的添加物の場合の届出は以下のようです。
(1)他の化学物質に不純物として含まれる優先評価化学物質は、その含有量が重量比1% 未満の場合の届出は不要です。
(2)混合物中に意図的に添加された優先評価化学物質の場合は、たとえその含有率が重量比1%未満であっても届出の対象となります。

上述のように、一般化学物質と優先評価化学物質では届出内容が違っています。その違いは表3のようになります。

表3
  一般化学物質の届出内容 標準化学物質の届出内容
製造量 日本全国での製造総量を報告 都道府県別に報告
輸入量 日本全国での輸入総量を報告 国、地域別に報告
出荷量 用途別に報告、用途分類は49の第分類 用途別に報告、用途分類は一般化学物質よりも詳細になる
日本全国での総出荷量を報告 都道府県別、国、地域別に報告

(瀧山 森雄)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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