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ここが知りたい REACH規則

コラム

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12.03.02

REACHにまつわる最近のニュースから(22)

第1回目のCLPインベントリー公開

2012年2月13日、ECHAのホームページに第1回のCLPインベントリーが公開されました。ECHAから発表された資料では、届出件数は約300万件で、物質数としては、9万以上、10万以上、あるいは11万5000以上とまちまちな数字が出ており、物質数を正確に把握していないようです。そのような状態での最初のインベントリーの公開ですので、漏れ等があり、今後順次更新して行くとしています。

CLPインベントリーは、CLP規則第42条で下記の様に規定されています。

CLP規則42条 第1項(要点)
ECHAは、分類・表示インベントリーをデータベースの形式で確立し、維持しなければならない。
CLP規則40条で届出された情報、REACH規則で登録の一部として提出された情報は、インベントリーに含まなければならない。
インベントリー中の情報は、REACH規則第119条(1)に対応する内容を、公表しなければならない。

公開する物質については、REACH規則第119条(1)(a)で、当初の指令67/548/EECを引用して危険有害性ある物質とされていましたが、CLP規則の分類基準に変更し、以下のように規定されています。

:「分類・表示」の届出内容を公開する物質名
REACH規則第119条(1)(a)(CLP規則による修正内容)
CLP規則で規定される以下のハザードクラスまたはカテゴリーのいずれかに分類される物質についてのIUPAC名

-物理化学的危険有害性:2.1-2.4、2.6,2.7,2.8タイプAおよびB、2.9,2.10、2.12、2.13カテゴリー1および2、2.14カテゴリー1および2、2.15タイプA-F

-健康に対する危険有害性:3.1-3.6、3.7性的機能および受胎能力、または、発生への悪影響、3.8 麻酔影響以外の影響、3.9、3.10

-環境への危険有害性:4.1

-オゾン層への危険有害性:5.1

すなわち、2.5の高圧ガス、2.16の金属腐食性だけの危険有害性に分類される物質や、危険有害性に分類されない物質は、その物質が登録済みであっても、今回公表のインベントリーでは公開されないことになります。同時に公表されました、「公開インベントリーに関するQ&A」にはこのことが説明されています。
 また、今回、CMRとSTOT(特定標的臓器毒性)だけに分類されている物質が、技術的な理由から公開されていないとのことです。インベントリーの更新時にこれらの物質も公開されるとのことです。また、EINECSに収載されている物質の届出情報は、その分類に関わらず(危険有害性でなくても)公開するとしています。

インベントリーには、その物質がCLP規則附属書VI表3に収載されている場合は調和された分類・表示のデータ(今回公開のインベントリーには表3.1のデータのみ、表3.2のデータは次回以降)と共に、届出された以下の項目内容が公開されています。

  1. 物質の特定情報:EC番号、CAS番号、物質名
  2. 危険有害性の分類、ハザードステートメント
  3. ラベルのハザードステートメントコード、補助ハザードステートメントコード、ピクトグラム、警句、特定濃度限界値、共同届出かどうか、一つの届出情報の集約数
  4. 物質の状態/形態、分類の根拠情報等(この情報は、1番目の表示画面のところで「view」をクリックすると表示される)

メタノールでインベントリーデータを見ますと、届出数は正確に勘定していませんが、2,000件をはるかに超えています。ECHAでは、機械的に同じ分類・表示データをまとめて、例えば登録時に共同提出されたデータは当然同じ分類として、公開しています。
 吃驚することに、メタノールはすでに「調和された分類・表示」の表3に収載されていますが、届出情報は99種類に分けて、すなわち、何らかのところで分類データが異なるものとして、公開されています。さらに、「調和された分類データ」と同じでありながら、38種類に集約されています。これらの根拠データを詳細に見ますと、STOTの試験で標的臓器が異なっている場合に、分類データが同じでも、異なる届出情報とされています。
 「調和された分類・表示」の危険有害性の項目より多い危険有害性の分類をしている届出については理解できますが、「調和された分類・表示」の危険有害性の項目より少ない届出があることは理解できません。

【参考】
CLP規則第4条
(3)物質が附属書VIパート3の表に記載することによって、調和された分類・表示がある場合は、当該物質は、この記載項目に従わなければならず、この記載項目についてはCLP規則のタイトルIIに従う分類は実施してはならない。
CLP規則第16条
(1)分類・表示の届出者は、その分類に対する根拠を提出することを条件に、分類・表示のインベントリーに既に含まれている分類と異なる物質の分類を届け出てもよい。
(2)1項は、分類・表示のインベントリーに含まれた分類が附属書VIパート3の調和された分類には適用されない。

また、インベントリーは物質について作成されるものと理解していすが、メタノールで届出者が一番多い(2012年2月27日時点で届出者が1,501)届出情報の物質の「状態/形態」のデータを見ますと、大変奇妙なものがあります。「状態/形態」のヘルプ情報として、「物質が異なる形態に対して、同じ分類が届けられた場合は、すべての形態をここに表示する」と記載されています。
 メタノールについては、単体では液体ですので、ひょっとして届出者が上市している製品/商品の状態を記載しているのかもしれませんが、「liquid、other:Gel、other:mixture、powder、solid」の項目が記載されています。液体以外の、固体、粉体は単体ではあり得ませんし、ゲルや混合物は明らかにメタノール単体ではないはずです。

このデータを見ますと、CLP規則の要求内容が十分に理解されていないのではないかと思います。逆に言いますと、REACH規則も含めて要求されていることが複雑すぎて、まだ正しく対応をすることが出来ない企業が多い状態ではないかと推測します。

読者には、過剰な負荷がかからないように、とは言っても、要求されている事項は正しく遵守して頂くように、情報を提供していきたいと思っています。

(林 譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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