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ここが知りたい REACH規則

コラム

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12.01.13

TSCAインベントリー更新ルール IURからCDRへ

2011年8月16日にEPAはTSCAのインベントリー更新規則〔Inventory Update Reporting Rule(IUR))をChemical Data Reporting (CDR) Rule〕として改定しました。
 この改正は2010年8月13日に提案され、2011年5月11日にIURの中断が告示されていました。

今回Final Ruleとして告示されたもので、改定主旨は次項に要約されます。

  1. EPAのよりよい全般的な情報ニーズを満たすために収集された情報の修整(tailor)
  2. 有効な情報をパブックアクセスで提供する能力を増加させる
  3. TSCAインベントリーに収載された化学物質のサブセットの潜在的曝露に関する新しく更新された情報を得る
  4. 報告された情報の有用性の改善

CDR改正内容とその背景は8月16日の改定案内にありますが、64ページにわたる長文ですので、その概要解説もあります。 TSCAは新規化学物質の届出義務を課し、届出された化学物質はTSCAインベントリーに収載されます。TSCAインベントリーには約83,000物質が登録されており、2010年に25,000ポンド(約11t)/年以上の製造、輸入者に対して、2011年6月1日-9月30日にTSCAインベントリー更新情報を報告する義務(IUR)を課していました。IURはTSCA 第8条a項(連邦法典§2607.情報の報告及び保存:化学物質の製造または輸入、加工、流通と廃棄によるリスクをEPAが評価できるように、化学物質の製造者、輸入者と加工者が記録を保持し、EPAへのデータの報告義務)により制定されたルールで40 CFR Part710に定められていました1)

詳細規定は従来のPart710のSubpart CがPart711に改定されています2)

Old CFR citation New CFR citation Section Contents
40 CFR 710.43 40 CFR 711.3 Definitions.
40 CFR 710.45 40 CFR 711.5 Chemical substances for which information must be reported.
40 CFR 710.46 40 CFR 711.6 Chemical substances for which information is not required.
40 CFR 710.48 40 CFR 711.8 Persons who must report.
40 CFR 710.49 40 CFR 711.9 Persons not subject to this part.
40 CFR 710.50 40 CFR 711.10 Activities for which reporting is not required.
40 CFR 710.52 40 CFR 711.15 Reporting information to EPA.
40 CFR 710.53 40 CFR 711.20 When to report.
40 CFR 710.55 40 CFR 711.22 Duplicative reporting.
40 CFR 710.57 40 CFR 711.25 Recordkeeping requirements.
40 CFR 710.58 40 CFR 711.30 Confidentiality claims.
40 CFR 710.59 40 CFR 711.35 Electronic filing.

CDRのポイントは次となります。

  1. 改定目的
    このプログラムの目的は、上質のスクリーニング水準、化学物質のばく露関連の情報を集めて、その情報をEPAによる使用と営業秘密による可能な範囲内でデータを公衆に利用可能にすることです。
  2. 報告時期(§711.20)
    2012年2月1日-6月30日
    以降は2016年6月1日-9月30日で以降は4年ごとの報告となります。
  3. 報告要件(§711.8)
    暦年で2011年中に25,000ポンド(約11t)以上の場合に報告義務があります。
    2016年の報告では、TSCA§2604(5)(a)のSNUR(重要新規利用)物質や§2605の有害化学物質などは2,500ポンド(約1.1t)以上で報告義務があります。
  4. 報告すべき事項(§711.15)
    EPAへの報告はCentral Data Exchange (CDX) と称されるWeb(e-CDR web reporting tool)で行うようになります。
    Web登録は初めての方法ですので、周知のために、CDXの講習会がWebinar(Webで行うセミナー)で実施し、関連資料も公開されています3)
    (1)25,000ポンド以上
     ・提出義務会社の権限を持った役員が署名した日付記載保証書
     ・企業名およびプラント情報
     ・化学物質の特有情報
    (2)100,000ポンド以上
     (1)に次が追加されます。
     ・処理と使用に関連する化学物質の特有情報
     従業員規模や濃度などはコード化されています。
  5. 免除 (§711.6)
    (1)全面免除
      ポリマー、微生物や天然産出化学物質など
    (2)部分的免除
      100,000ポンド以上の報告義務が免除されます。
      リストに収載された石油、パラフィンワックスや燃料ガスなど
  6. 除外 (§711.9)
    小規模企業はCDRの除外となります。除外となる小規模は、年間総売上高が400万ドル未満かつ製造/輸入量が100,000ポンド未満の場合です。
    ただし、TSCA §2604 (b)(4)や§2605などによる高リスク、有害物質は除外が認められません。
  7. CDR改定の潮流
    TSCAインベントーの更新(IUR)は25,000ポンド以下では義務がありません。TSCAインベントリー収載物質の83,000物質のなかで、25,000ポンド以上は7,500物質です。
    IUR対象は10%に満たないことが問題視されています。SNUR物質、有害物質は2,500ポンドに引き下げる動きになっています。
    また、25,000ポンド以上の7,500物質のうち、750物質が無機化合物です。IURは2006年に改定されて、従来報告義務のなかった無機化学物質にも2011年報告から追加されていました。CDRでもこれを受けて無機化学物質も報告対象となっています。TSCAの無機化学物質の定義はFAQに「炭素元素(C)がないもの及び[=CO3], [-CN], [-OCN]など」の化学形態の化合物としています4)
    TSCA改正も議会で審議しています5)。改正案の背景にはIURの適用範囲の狭さがあり、TSCAインベントリーのリセット(すべての登録データの洗い直し)も論議されていますので、CDRは今後さらに厳しくなると思います。
    CDRでは営業秘密(CBI)にも具体的な要件が示され、制限の方向が見えます。
    これらからは、CDRはTSCAの改正の1つの方向を示すものとして注目されます。

(松浦 徹也)

1)http://www.law.cornell.edu/uscode/15/usc_sup_01_15_10_53_20_I.html
2)http://ecfr.gpoaccess.gov/cgi/t/text/text-idx?c=ecfr&sid=c8afba2841f60991b4bda84d421899a6&rgn
=div5&view=text&node=40:31.0.1.1.6&idno=40#40:31.0.1.1.6.0.1.9

3)http://www.epa.gov/iur/pubs/guidance/2012CDRrule.mp3
http://www.epa.gov/oppt/newchems/epmn/cdx-registration-slides.pdf
http://www.epa.gov/iur/pubs/guidance/CDR_Webinar.1116_for_web.pdf
http://www.epa.gov/oppt/newchems/epmn/webinar-ques.pdf
4)http://www.epa.gov/iur/pubs/guidance_qanda_inorganics.pdf
5)http://www.opencongress.org/bill/112-s847/text

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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