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ここが知りたい REACH規則

コラム

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11.12.22

REACHにまつわる最近のニュースから(19)

ECHAの最新発表

1. candidate listへの収載物質の決定
 2011年8月29日から意見募集が行われていましたSVHC・20物質(2011年9月9日付けコラム参照)について、2011年12月19日にcandidate listへの収載決定の発表がありました1,2)。この結果、candidate listに収載された物質は合計73物質になります。発表されましたcandidate listを表1に示します。成形品中に0.1%以上含有する場合の情報伝達義務は、12月19日から発生し、1t以上の届出期限は2012年6月19日になります。
 収載されました物質のうち8物質については意見の提出がなく、ECHA加盟国委員会の検討にかけられることなくcandidate listへ収載されています。その他の12物質のうち9物質については書類審議で、残り3物質については12月7日-9日に開催されたECHA加盟国委員会でcandidate listへ収載することが満場一致で合意されています。
 今回特に注意すべきことは、初めてREACH規則57条(f)項に該当する物質として、整理#13の4-tert-オクチルフェノールが収載されたことです。candidate listへの収載理由は、提案書では内分泌かく乱性物質とされていました。

*REACH規則57条(f)
内分泌かく乱性を有するか、又は難分解性、生体蓄積性及び毒性を有するか、又は極めて難分解性で高い生体蓄積性を有するような物質であって、(d)又は(e)の基準を満たさないが、(a)から(e)に列記した他の物質と同等レベルの懸念を生じさせるような、人又は環境に対する深刻な影響をもたらすおそれがあるとの科学的証拠があり、かつ第59条に定める手続きに従って個別に特定される物質(環境省仮訳)

また、整理#1と#4は、CAS番号、EC番号がない耐火セラミック繊維が収載されています。すでに2種類の耐火セラミック繊維がcandidate listに収載されています。今回収載された耐火セラミック繊維と同名ですが、化学組成が異なっています(表2)。2010年の登録情報から既収載の耐火セラミック繊維と組成が異なるものが市販されていることが判明したため、CLP規則附属書Vに収載されている耐火セラミック繊維組成を包含するように、candidate listに収載されたものです。

表1:2011年12月19日candidate list収載の20物質一覧
整理# 物質名 EC# CAS# 収載理由
1 ジルコニアアルミノセラミック繊維 - - 発がん性(57条a)
2 ヒ酸カルシュウム 231-904-5 7778-44-1 発がん性(57条a)
3 ビス(2-メトキシエチル)エーテル
(ジエチレングリコールジメチルエーテル)
203-924-4 111-96-6 生殖毒性(57条c)
4 アルミノセラミック繊維 - - 発がん性(57条a)
5 ヒドロキシオクタオキソ二亜鉛酸二クロム酸カリウム 234-329-8 11103-86-9 発がん性(57条a)
6 ビスピクリン酸鉛 229-335-2 6477-64-1 生殖毒性(57条c)
7 N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC) 204-826-4 127-19-5 生殖毒性(57条c)
8 ヒ酸 231-901-9 7778-39-4 発がん性(57条a)
9 2-メトキシアニリン;o-アニシジン 201-963-1 90-04-0 発がん性(57条a)
10 ヒ酸鉛 222-979-5 3687-31-8 発がん性(57条a)
生殖毒性(57条c)
11 1,2-ジクロロエタン 203-458-1 107-06-2 発がん性(57条a)
12 クロム酸八水酸化五亜鉛 256-418-0 49663-84-5 発がん性(57条a)
13 4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、(4-tert-オクチルフェノール) 205-426-2 140-66-9 環境に深刻な影響が可能性の懸念が同レベル(57条 f)
14 ホルムアルデヒド、アニリンとのオリゴマー反応生成物 500-036-1 25214-70-4 発がん性(57条a)
15 フタル酸 ビス(2-メトキシエチル) 204-212-6 117-82-8 生殖毒性(57条c)
16 アジ化鉛,ジアジド鉛(Ⅱ) 236-542-1 13424-46-9 生殖毒性(57条c)
17 スチフェニン酸鉛 239-290-0 15245-44-0 生殖毒性(57条c)
18 2,2'-ジクロロ-4,4'-メチレンビスアニリン 202-918-9 101-14-4 発がん性(57条a)
19 フェノールフタレイン 201-004-7 77-09-8 発がん性(57条a)
20 トリス(クロメート)ニクロム 246-356-2 24613-89-6 発がん性(57条a)
表2:candidate listに収載された耐火セラミック繊維に比較
アルミノシリケート耐火セラミック繊維 ジルコニアアルミノシリケート繊維
既収載の組成範囲 ・Al2O3: 43.5-47%w/w,
 SiO2: 49.5-53.5%w/w,
あるいは
・Al2O3: 45.5-50.5%w/w
 SiO2: 48.5-54%w/w,
Al2O3 35-36%w/w
SiO2 47.5-50%w/w
ZrO2 15-17%w/w
今回収載の組成範囲 主成分がAl2O3、SiO2、
添加物(Na2O+K2O+CaO+MgO+BaO)が18wt%と等しいかそれ以下
主成分がAl2O3、SiO2、ZrO2
添加物(Na2O+K2O+CaO+MgO+BaO)が18wt%と等しいかそれ以下
形状 繊維の長さ加重幾何平均直径から幾何学的標準誤差の2倍を差し引いた値が6μm以下

2. 認可対象となる附属書XIV収載物質の審議状況1)
 2011年6月15日~9月14日まで意見募集が行われていた、第3回目の附属書XIVへ、7種のクロム化合物、5種のコバルト化合物およびトリクロロエチレンを収載すべきものとする勧告案の審議では、大多数の加盟国は、ECHA加盟国委員会は原則的には同意しているとのことですが、公式に書面審議が行われる予定です。ただし、数カ国が、酢酸コバルトを優先して附属書XIVに収載すべきではない、また、何れのコバルト化合物は附属書XIVに現時点では収載すべきではないとしているとのことです。これらの意見を勘案して、ECHAは欧州委員会に送付する最終勧告案を作成するとしています。

3. 分類・表示インベントリーの公開の遅延3)
 2011年12月16日にECHAは、CLP規則の分類・表示インベントリーの公開を延期する決定をしたとの発表をしました。公開日は2012年1月中旬に発表するとしています。
 このインベントリーの公開は、以下のREACH規則の前文117項で謳われている、一般市民が化学物質の情報へアクセスできるようにする情報公開の一環で行われるもので、CLP規則第42条で、分類・表示インベントリーの公開の規定が設けられています。

【REACH規則前文117項】(環境省仮訳4)

EU市民が化学物質の用途を知り得た上で決定をすることができるよう、EU市民がばく露されるかもしれない化学物質についての情報のアクセスが確保されるべきである。これを達成する透明性のある方法は、有害な特性の簡単な紹介、認可された用途やリスク管理措置を含む表示要件や関連する欧州共同体法規を包含する化学物質庁のデータベースに保管された基礎データへの自由で簡単なアクセス権を市民に与えることである。
 化学物質庁及び加盟国は、環境情報への公衆のアクセスに係る2003年1月28日付け欧州議会・理事会指令2003/4/EC16、欧州議会、理事会及び欧州委員会の文書への公衆のアクセスに係る2001年5月30日付け欧州議会及び理事会規則(EC)No 1049/200117及び欧州共同体が当事者である、情報ヘのアクセスと決定における公衆の参加と環境問題における司法へのアクセスに係るUNECE協定に従って、情報ヘのアクセスを認めるべきである。

1)http://echa.europa.eu/web/guest/view-article/-/journal_content/e62ab2f9-090b-4677-817b-a16bc7094fb9
2)http://echa.europa.eu/web/guest/view-article/-/journal_content/a5533137-4976-4054-b8e8-da4a5b3dd623
  http://echa.europa.eu/web/guest/candidate-list-table
3)http://echa.europa.eu/web/guest/346
4)http://www.env.go.jp/chemi/reach/reach.html

(林 譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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