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HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

コラム

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11.07.22

REACHにまつわる最近のニュースから(12)

「成形品中のSVHCの義務」の「適用日」について

「成形品中のSVHCの義務」の適用日についてはREACH規則に明確化されてないため、ガイダンスやECHAのホームページの情報に頼らなければならないことがあります。しかし、これらの情報が一致していないことや明確でないことがまだ残されています。
 今回のコラムではこれらについてご紹介します。

1.SVHCの届出期限について

SVHCの届出(7条2項)の適用(7条7項)は以下の通りです。

From 1 June 2011 paragraphs 2, 3 and 4 of this Article shall apply six months after a substance is identified in accordance with Article 59(1).

〔2011 年6 月1 日からは、第59 条(1)項に従って物質が特定されてから6 カ月後に、第2 項、第3 項及び第4 項を適用する。(環境省仮訳) 〕

この6カ月後については以下のような説明がされています。

まず、最も頼りにする「成形品中の物質に関する要求のガイダンス」では、この条項について次のように説明されています。

A notification of substances in articles shall be made at the latest 6 months after it has been included on the Candidate List of Substances of Very High Concern for authorisation, but only starting from 1 June 2011. This means that for substances included in the Candidate List before 1 December 2010, the notifications have to be submitted not later than 1 June 2011. For substances included in the Candidate List on or after 1 December 2010, the notifications have to be submitted no later than 6 months after the inclusion.

〔成形品の中の物質の届出は、認可のための高懸念物質の候補リストに収載されてから遅くとも6カ月以内に行われなければならないが、2011年6月1日から始まる。このことは、2010年12月1日より前に候補リストに収載された物質は、遅くとも2011年6月1日には届出は提出されなければならないということを意味する。2010年12月1日およびそれ以降に候補リストに収載された物質については、収載後6カ月までに届出は提出されなければならない。(筆者訳) 〕

2010年12月1日以前にリストに収載されたSVHCは、届出義務の効力が発生する2011年6月1日になっています。筆者の英語力の不足から誤訳があるかもしれませんが、太字の最終文節部分からすると、仮に2010年12月1日に収載された物質(SVHC)は、2010年5月31日が期限になります(実際はありませんでしたが)。しかし、届出規定の開始は2011年6月1日からですから、ここの「no later than 6 months after the inclusion」の記述の仕方が正しくないように思います。

一方、2011年5月4日付けのECHAの「News Alert」では以下の説明になっています。<

Companies shall submit their notification within six months after the inclusion of the substance on the Candidate List. This means that notifications of substances that were on the Candidate List 1 December 2010 have to be submitted by 1 June 2011 at the latest.

〔企業は候補リストに物質が収載されてから6カ月以内に届出を提出しなければならない。これは、2010年12月1日候補リストに収載されている物質の届出は、遅くとも2011年6月1日までに提出されなければならないことを意味する。(筆者訳)〕

ここでは、REACH規則7条7項の「six months」にはない「within」を補っています。また、2010年12月1日より前に収載された物質については、ガイダンスの説明と少し相違し、「2010年12月1日に収載されていた物質」に変更されています。

起算日は2010年12月1日として、その6カ月後の2011年6月1日とされています。「収載されてから6カ月以内」は通常はその日も含めて、すなわち2010年12月1日の6カ月以内、すなわち5月31日が期限となると考えるのですが、説明では1日違いの6月1日としています。

これは、上述しましたように、届出の義務の適用が2011年6月1日から開始されることによるものと理解できます。

しかし、「収載後6カ月以内」については、ECHAの届出に関するWebinarの資料によりますと、2010年12月15日に収載された物質の届出期限は2011年6月15日としています。すなわち、ECHAの「6カ月以内」は「6カ月後の同日」と理解するのがよいようです。

2.SVHCのトン数算出の起算日

「成形品中の物質に関する要求のガイダンス」は、届出の対象となる成形品中の物質のついては以下のように説明されています。

A notification is not required for a substance in articles which have been produced or imported before the substance has been included on the Candidate List for authorisation.

〔物質が認可のための候補リストに収載される以前に製造または輸入された成形品に含まれる物質については、届出の必要はない。(筆者訳)〕

SVHCはリストに追加されて行くことを考えますと、常識的に考えられる「適用」の説明ですので、何の疑問も抱きませんでした。しかし、2011年6月23日付けの「REACH規則の良くある質問:4版」では、REACH規則3条の定義の「per year:年間当たり」を引用して算出するとしています。すなわち、リストに収載する前の量も算出に考慮するとしています。ECHAの中でも考えが相違しています(詳細はQ&A294を参照下さい)。

3.REACH規則33条の情報提供の義務について

0.1%以上のSVHCを含有する成形品の情報伝達義務は、リストに収載された日から発生します。他方、RoHS指令では、施行日以前に上市されていた製品には適用されないと明確に記載されていますが、REACH規則には収載日以前に上市済みの成形品に対してどのような扱いになるかは明確になっていません。

33条の義務の遂行のためには、遅くてもリスト収載のための意見募集の公表時点から成形品中のSVHCの情報の収集を始められることは必要と考えますが、製造に時間がかかる成形品について、今後新たに追加されるSVHCの情報管理をどのように考慮しなければならいないか、苦慮されるのではないかと想像します。

このような状況に対して、欧州、日本、韓国等の自動車工業会が連名で、流通在庫や使用済部品を利用して製造された分品等には33条の情報伝達義務は適用されるべきではないとの意見書を発表しています1)

このように、成形品に対する要求事項の適用条件等はREACH規則では明確に規定されていないところが多く残されており、今後もガイダンス等ECHAからの情報に頼らざるを得ない状況と言えます。

実態は、REACH規則を策定し、詳細な施行の細則は、運用経験から明確しているように感じます。これからもこのようなことがありそうです。

1) http://www.acea.be/images/uploads/files/Annex_L7_-_Positionpaper_REACH_Art33_and_Spare_Parts.pdf

(林  譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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