本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

コラム

REACH検索

11.06.03

韓国版REACH法の概説

韓国版REACH法とも言われる「化学物質登録及び評価に関する法律(Low concerning Registration and Evaluation of Chemical substances)案」〔環境部公告第2011-74号(立法予告)〕が2011年2月に公開され、4月までパブリックコメントが受け付けられました1)

立法予告文書では、「化学物質は人体にばく露する場合は、アレルギーやアトピー皮膚炎などの各種環境性疾患はもちろんのこと、生殖能力異常、突然変異誘発など人体健康に致命的な影響を与え、環境中に露出する場合は、長期間残留して持続的な環境汚染を誘発するなど国家の徹底した管理を要求する対象にもかかわらず、現行化学物質関連法律には流通中である化学物質の安全性情報を把握できる手段がなくて、事前予防的な化学物質管理が十分ではない」と制定の背景が示されています。これを受けて、「化学物質安全性情報の登録・評価によった全過程管理体系を構築して国民の健康と生態系に対する化学物質の危害を事前予防する」を制定目的としています。

これらの背景から、法案の目的(第1条)では、「本法は化学物質の特性および危害性などと関連した情報を評価し、その結果により化学物質の危害管理のための事項を決めることによって化学物質による国民の健康および環境上の危害を事前予防することを目的とする」としています。

新規化学物質だけでなく、既存物質も含めて対象として登録、評価を行い、評価対象物質注1)(化審法の優先評価物質の概念)、許可対象物質注2)(REACH規則の認可物質)や制限・禁止物質注3)(REACH規則の制限物質)が特定されます。このように、EU REACH規則に類似した部分と日本の化審法に類似した部分があります。

注1)評価対象物質:環境部長官が既存化学物質中で、該当化学物質による人の健康または、環境への危害が憂慮されて、その危害程度を評価する必要があると認めて告示した物質をいう。
注2)許可対象物質:化学物質の使用によって及ぼされる人の健康または、環境への危害が高いと憂慮されて、製造、輸入、使用前に環境部長官の承認を受けなければならない物質として第31条許可対象物質の指定)により化学物質評価委員会の審議を受けて環境部長官が告示したものをいう。
注3)制限・禁止物質:危害性が大きいと認められて一部または、すべての用途での製造、輸入、使用または、販売を制限したり禁止するために第35条(制限・禁止物質の指定等)により化学物質評価委員会の審議を受けて環境部長官が指定および告示した化学物質をいう。

登録は韓国の国内企業になりますが、国外企業はREACH規則の唯一の代理人に類似した「全権代理人」制度を利用できます。全権代理人は第6条で以下のように定められています。

  • 国外のわが国に化学物質を輸出しようとする者は、本法で化学物質を輸入しようとする者に付与した義務を履行するために、個人または国内登録法人を全権代理人で選任することができる。
  • 全権代理人は国外輸出者から化学物質の情報の提供を得て、化学物質を輸入しようとする者に付与した義務を遂行することができる。この場合、全権代理人は化学物質を輸入しようとする者と見なす。
  • 全権代理人は選任または解任された時は、環境部令に定めるところにより、その事実を環境部長官に申告しなければならない。

日本から韓国に輸出する場合の義務を整理してみます。

(1)化学物質製造などの報告(第9条)
 化学物質を製造または輸入する者は、大統領令に定める化学物質を除き、前年度の製造または輸入量などを環境部長官に提出しなければなりません。解説では、2012年1月1日~12月31日の製造・輸入量を2013年に報告するとあります。データ収集、保管などの手順を急ぐ必要があります。

(2)化学物質確認(第11条)
 化学物質を製造または輸入しようとする者は、化学物質やその成分が次のどれに該当するかを確認し、環境部長官に提出しなければなりません。

  • 新規化学物質
  • 既存化学物質
  • 評価対象物質
  • 許可対象物質
  • 制限・禁止物質
  • 有毒物
  • 「有害化学物質管理法」第38条による事故対応物質

(3)登録可否の事前確認(第14条)
 化学物質を製造または輸入しようとする者は、製造または輸入しようとする化学物質が「1.新規化学物質、2.既存化学物質中総称名で告示された化学物質、3.予備登録申請がされない評価対象物質」のどれかに該当する場合には、該当物質が登録されているのかを確認申請しなければなりません。

(4)化学物質の登録申請(第15条)
 新規化学物質または評価対象物質を製造、輸入しようとする者は、該当化学物質に対して製造または輸入前にあらかじめ登録申請しなければなりません。
 ただし、次に該当する場合にはその限りではありません。

  • 機械に内蔵されて輸入される化学物質
  • 試運転用で機械または装置類とともに輸入される化学物質
  • 特定の固体形態で一定の機能を発揮する製品(固形完成品)に含有され、その使用過程で流出しない化学物質
  • 大統領令に定める登録免除の確認を受けた化学物質

化学物質の登録申請時提出資料は、年間製造または輸入量などにより次の資料を提出しなければなりません。

  • 化学物質の用途
  • 化学物質の物理化学的特性に関する資料
  • 化学物質の有害性に関する資料
  • 化学物質の分類および表示に関する資料
  • 化学物質の危害性に関する資料(化学物質の年間製造または輸入量が100t 以上の場合に限る)
  • その他環境部令で定める資料

ただし、高分子化合物など大統領令に定める化学物質の場合には関連資料の一部を提出しなくてもよいとされています。
 また、登録申請資料中の一部を試験の内容および日程などを含んだ計画書に代えて提出することができます。
 化学物質の有害性に関する資料などは、OECDのGLP試験場規範の基準を遵守する試験機関で実施した試験結果を記録した書類で提出しなければなりません。

その他、認可(第31条)、制限(第35条)、情報提供(第38条)などREACH規則の要求事項があります。しかし、韓国版REACH法といっても全57条で構成された短い法律で、EU REACH規則に比較すれば限定された要求事項です。

アジェンダ21の第19章で有害化学物質に関する政策目標が決まっています。EU REACH規則、化審法、TSCAなど、2020年のゴールに向けて徐々に整合を取りながら規制の方向性が一致してきています。
 韓国版REACH法も化学物質規制法の流れの中で制定されようとしています。企業としてはEU REACH規則に対応しておけば、他の規制法へ対応できると思われます。
 違いを探すのではなく、整合部分を見出すことで効率的管理ができます。

1)http://members.wto.org/crnattachments/2011/tbt/KOR/11_0725_00_x.pdf

(松浦 徹也)

中小企業の方を対象として、海外ビジネスに関する質問を無料で受け付けています。
中小機構「中小企業国際化支援アドバイス

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


このページの先頭へ