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HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

コラム

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11.03.11

REACHにまつわる最近のニュースから(5)

2010年11月30日に第一段の登録が締め切られ、登録文書の評価が進められています。「Evaluation under REACH Progress Report 2010」として、この初期評価から得られた結果から、今後の登録に注意すべきことが書かれています1)。 今回のコラムでは、この内容から、これから登録文書を作成する方に参考になると考えられる事柄を紹介します。

1.REACH規則の評価

REACHにおける評価は以下の3種で行われます。

  • A) 登録文書(Registration Dossier)がREACH規則を順守しているかのチェック
    REACH規則では、トン数帯ごとに少なくとも5%の登録文書について順守のチェックをすることになっています。
  • B) 試験提案の審査
    附属書X、XIで要求される情報について動物試験が必要な場合、登録に当たっては、試験を実施する前にまず試験計画を提出ことになっています。この動物実験が必要かどうかの審査が行われます。
  • C) 物質の評価
    物質の使用・用途を考えた場合、人の健康や環境へ重大なリスクを生じさせないかを確認されます。リスクが考えられる場合には、共同体のローリング行動計画(the Community Rolling Action Plan :CoRAP)の対象とされます。

上述の評価は以下の図のような分担で実施されます。

REACHにおける評価の分担
2.2010年末の登録完了数と登録文書の評価

2010年12月31日までに登録完了したトン数別、段階的導入物質、非段階的導入物質および中間体のそれぞれの登録数を表1に示します。

表1:2010年末の登録完了数
トン数帯 登録
(中間体以外)
輸送中間体 合計
段階的導入物質 非段階的導入物質 段階的導入物質 非段階的導入物質
1~10 765 528 775 460 4,844
10~100 761 137
100~1,000 1,351 77
>1,000 14,592 55 2,158 13 16,818
合計 17,459 797 2,933 473 21,662
3.順法チェックの結果

順法チェックが済みますと、以下の3種類の措置が取られます。

  • A) 何のアクションもない
    REACH規則の要求情報を十分満足している。
  • B) 品質所見書(quality observation letter :QOBL)を登録者に送付
    情報不足とまではならないが、ECHAが欠陥であると考えられる場合:例えば、提案された分類とラベルが試験報告の結果を反映していなく、提案されているリスク管理措置が不適切と考えられるようなケース。このような場合は、ECHAは登録者にQOBLを送付し、登録文書を修正し、更新された登録文書の提出を要求する。
  • C) 決定書を送付
    REACH規則で要求されている情報に不足がある場合は、決められた期限までに不足する情報を作成し提出することが要求される。REACH規則で定められている意思決定プロセスは、法的拘束力がある(注:REACH規則20条2項では、期限までに登録が完了しない場合は、登録は拒絶され、登録料は返戻されないことが規定されています)。

2010年末までに70件の登録文書の順法チェックが完了し、表2の結果となっています。12件の追加情報要求の決定のうち、8件はECHAが提出した追加情報の要求の決定草案に対して加盟国監督機関からの修正提案はなく、4件については、少なくとも1カ国の加盟国監督機関から修正提案が出され、加盟国委員会で満場一致で同意し、追加情報の要求の決定がされています。また、この決定に対して異議は出ていないとのことです。

表2:2010年順法チェック完了結果
2010年順法チェック完了結果
アクションなし 25
QOBLの送付 33
追加情報の要求の決定 12
合計 70
4.追加情報要求の内容

追加情報の要求の決定では、表3に示す情報を提出することが要求されています。

表3:追加要求情報の内容
追加要求情報の内容 決定数
物質の組成の同一性及びその検証に関する情報(REACH附属書VI-2) 5
引火性(REACH附属書VII-7.10) 1
自己発火温度(REACH附属書VII-7.12) 1
粒度分布 (REACH附属書VII- 7.14.) 1
解離定数 (REACH附属書IX- 7.1.6) 1
吸着/脱着についてのスクリーニング (REACH附属書VIII- 9.3.1) 1
水生生物の成長阻害研究 (REACH附属書VII- 9.1.2) 1
哺乳類細胞におけるIn vitro の遺伝子突然変異研究 (REACH附属書VIII- 8.4.3) 1
生殖/発育毒性についてのスクリーニング (REACH附属書VIII- 8.7.1) 3
ヒト健康有害性評価におけるDNEL (REACH附属書I-1.4.1) 1
環境ハザード評価におけるPNEC (REACH附属書I-3.3.1) 1
混合物への物質の使用における暴露評価とリスク特性化 (REACH附属書 I) 1
附属書XI,1.5(リードアクロス)に応じて二世代間生殖毒性試験(REACH附属書X-8.7.3)の標準的なテスト体制に適応させるための完全な正当性 1
ロバスト調査要約書 の改善 (REACH附属書I- 1.1.4 および 3.1.5) 4
5.QOBLが出された内容

他方、追加情報の要求の決定には至らなかった情報の修正についてのQOBLが出された内容には表4の項目があります。

表4:QOBLが出された内容項目
QOBLで出された情報の欠点/矛盾 QOBLの件数
物質の同一性 6
例えばPNECや DNEL導出、暴露評価、廃棄段階の記述に関するCSR 8
分類とラベル 18
安全な使用、例えば暴露防止のための十分なアドバイスに関する指針 6
試験サンプルの純度 1
ロバスト調査要約書における内容不足/矛盾 5
特定された用途、完全な管理された条件、中間体としての状態 11
データ共有 3
トン数帯に関する矛盾した情報 2
6.今後の登録における注意事項

以上の評価結果は、報告書では一部の登録文書の初期段階の評価結果ですが,これからの登録者には、登録文書の作成に当たっては以下の点に注意してほしいとしています。

  • 登録物質の同一性の明確な説明が必要である。
  • 標準試験体制の適応は附属書XI、または、附属書VII~Xの第2欄の条件に合致していることが必要。いかなる適応も明確な正当化を提出しなければならない。
  • ロバスト調査要約書には、提供される情報で評価ができるように十分詳細は内容が含まれていなければならない。
  • 分類とラベルは特定されたハザード、または調和された分類とラベルと一致していなければならない。
  • 附属書IXおよびXの試験についは、試験を実施する前に試験計画を提出しなければならない。ECHAが決定する前に試験を実施すれば法的措置が取られることがある。
  • 登録者は、登録文書を提出する前に動物試験データを共有し、試験費用の分担をする義務がある。

1) http://echa.europa.eu/news/pr/201102/pr_11_05_evaluation_report_20110228_en.asp

(林 譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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