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HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

コラム

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10.09.10

TSCA改定の動きと改定案の概要(3)

前回に続き、TSCA改正案の内容を紹介します。

3. TSCA5条「製造と加工の届出」の修正

「製造と加工の届出」の下院の改正案の内容は以下の通りです。
現行と同じく製造・加工の90日前までですが、対象が新規化学物質に加えて、新混合物や新用途についての届出が必要となります。

新用途については以下のように規定されています。

  1. (i)化学物質・混合物の決定されている安全基準に、その用途が含まれていない場合
  2. (ii)提案された化学物質・混合物の用途での、製造や加工の量が、安全基準の決定で想定された量より著しく増加する場合

なお、用途がつぎに該当する場合以外は届出が必要です。

  1. (i)"a critical use"と決定されている("a critical use"については「6条」の項に記載。使用に当たっては申請が必要)。
  2. (ii)化学物質や混合物は安全基準に適合していると未だ決定されていないが、条件の有無にかかわらず安全基準に適合している。
  3. (iii)化学物質や混合物が、提案された新用途を含まずに安全基準に適合していると決定されている場合は、条件の有無にかかわらず新用途を含むすべての意図する用途に対する安全基準に適合することが継続する。

また、新規でない化学物質・混合物の安全基準が決定されていない場合は、製造・加工後6カ月以内に、その用途の"宣言書"の提出が必要です("宣言書"については「8条」の項に記載)。なお、他の事業者がその用途の"宣言書"を提出していても提出が必要です。
 届出の内容には、(i)宣言書、(ii)最小データセット(MDS:前回のコラムを参照)、(iii)化学物質・混合物は、安全基準で適合あるいは適合し続けることが、合理的に予測できることの声明とその根拠が要求されています。
 製造・加工の事業開始後30日以内の届出の要求は、現行と同じです。

4. TSCA6条「危険有害性物質と混合物の規制」の修正

「危険有害性物質と混合物の規制」は「優先、安全基準決定、および、リスク管理」と修正されています。
 下院の提案では、現行の(a)項以降を(c)と項番をずらし、新たに「(a)安全基準決定の優先リスト」、(b)安全基準安全標準を決定」の二項が挿入されています。

優先リストとしては、改正TSCA施行時点で、ビスフェノールA、フォルムアルデヒド、n-ヘキサンやフタル酸エステル等の13種19物質とするとし、12カ月以内に少なくとも300物質がリストされます。安全基準が決定された物質は、リストから削除され、新たに物質が追加されます。除外物質を除いてすべての物質が対象となるように、リスト物質数は少なくとも300物質が保たれます。また、混合物についても優先物質にリストされます。(なお、上院の提案では具体的な物質はリストされておらず、施行18カ月以内に少なくとも300物質をリストすることになっています)。

安全基準は、化学物質・混合物への"aggregate exposure"を考慮に入れ、すべての用途に対して公衆の健康に危害を発生させないことが合理的に確実であること、および公衆の福祉を保護することを確保する基準として適用されるものです。
 決定では、化学物質・混合物のすべてのライフサイクルの要因や蓄積の影響に関する情報が検討されます。製造者・加工者は安全基準を順守していることを証明する義務があります。

個々の物質や混合物の意図される用途が、既存の条件や管理を考慮した安全基準に適合しないと場合は、"a critical use"とされます。"a critical use"とされた場合、国の安全にかかわる、経済を崩壊する、代替物質がない、その便益が大きい等の理由で申請すれば、5年間ごとの更新申請が必要ですが、認められれば製造、加工、使用することができます。REACHの"認可"に類似した規制です。

5. TSCA8条「情報の報告と保持」への「宣言書」義務の追加

現行の条項に、現在の製造・加工の「宣言書」の提出義務が追加されています。内容は、REACHの登録に要求されている情報の内容に類似しています。下院の改正案では、以下の内容の宣言書を施行1年、または事業開始後1年の早い時期に提出することが要求されています。

  1. (A)化学物質・混合物の化学的なアイデンティティ
  2. (B)製造・加工の事業所名と住所
  3. (C)化学物質・混合物に暴露される人数と時間
  4. (D)実施、または開始あるいは確認している健康と安全性に関する研究のリスト
  5. (E)その他の保有する以下の情報
    1. (i)化学物質・混合物の物理化学的特性、毒性とGHSに基づく分類
    2. (ii)化学物質・混合物の意図する用途のカテゴリまたは提案カテゴリ
    3. (iii)化学物質・混合物の製造・加工の総量と、用途ごとの量
    4. (iv)製造・加工・使用・廃棄での副生成物の説明
    5. (v)化学物質・混合物の暴露情報
    6. (vi)他の法規制や自主規制の条件

この宣言書は少なくとも3年に1回、または新しい情報が出れば直ちに更新することが必要です。

6. 結び

改正案の内容の一部だけ紹介しました。今後、上院、下院で修正内容の調整が行われ合意されることになります。最終的な修正内容がどのように落ち着くかわかりませんが、REACHの規制に近づくのではないかと考えます。今後の動きには注意する必要があります。

(林  譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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