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ここが知りたい REACH規則

コラム

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10.09.03

TSCA改定の動きと改定案の概要(2)

前回は、米国の有害化学物質規正法(TSCA:Toxic Substances Control Act)の改正の動きについてご紹介しましたが、今回と次回は、主に企業の方に関係する改正内容について紹介します。

1. TSCA3条の定義の変更・追加について

今回の改正で定義の変更や、新たな定義が追加されています。特に気になるのは「化学物質」と「新規化学物質」の定義の変更です。

(1)「化学物質」について
 現行の定義では、
「(i)全体的に、または部分的に1つの化学反応の結果生じる、あるいは天然に産出するこのような物質の任意の組み合わせ、および、(ii)何らかの元素または未結合のラジカルを含む、特別な分子の正体の何らかの有機あるいは無機物質を意味する」
となっています。

下院の修正案(HR5820)では、上述に以下の項目が追加されています。
「(iii)EPA(環境保護庁)長官が、(b)(1)のもとで、化学物質であると決定する物質の何らかの形態」
 (b)(1)では、例えば、物質が異なる形状を持てば異なる物質と決定されます。既存物質であっても、粒径や粒径分布が異なれば新規物質となることになります。

他方、上院の改正案(S3209)では、以下の(iii)が追加されています。
「(iii)成形品中、あるいは成形品に組み込まれた何らかの化学物質」
 4月に公表された下院の草案にもこの条項がありましたが、7月に提案されたHR5820でこの条が削除され、前述の修正案になっています。今後、下院、上院のどちらの改正案に調整されるのか気になります。

(2)「新規化学物質」
現行のTSCAインベントリーに未収載の物質から、8条規定の「declaration(宣言書)」が提出されていない物質と修正されています(「宣言書」については次回に説明します)。

(3)「混合物」 「'混合物'とは、その組成物が自然には生成せず、全体的にも部分的にも化学反応の結果でない場合の2つ、またはそれ以上の化学物質からなる組成物」

「製造と加工の届出」の義務では、新規化学物質と新混合物および新用途も適用範囲とする修正になっています。なお、混合物の物質特性が同一であれば、EPA長官により、同じ化学物質からなる異なる混合物は同じ混合物と決定されます。新混合物であっても、混合物をグループ化することにより、「新しい混合物」と見なされないことになっています。

(4)「輸入者」の定義の追加  現行の定義では、「製造(manufacture)とは、輸入(import)、生産(produce)、製造(manufacture)を意味する」とされていますが、下院のHR5820では、以下の「輸入者(importer)」の定義が追加されています。
「輸入者とは商業流通のために、化学物質、混合物、化学物質あるいは混合物を含有する成形品を輸入する者を意味する」
輸出される成形品には、新たな規制をかけられることを意味すると考えます。

(5)2種類の「暴露」の定義の追加 「aggregate exposure」と「cumulative exposure」の2種類の「暴露」が定義されています。
「aggregate exposure」は、製造、加工、使用、廃棄等からの暴露、また、他の製品への混入やその他の汚染源から、もしくはあらゆる汚染源からの暴露と定義されています。
「cumulative exposure」は「aggregate exposure」の総和と定義されています。これらの暴露は、次回に説明する「安全標準」の決定や、より安全な代替標準の決定などに考慮されるものです。

2. TSCA4条を「最小データセットと化学物質と混合物の試験」へ変更

現行TSCA4条「化学物質と混合物の試験」は「最小データセットと化学物質と混合物の試験」へと変更され、(a)「試験要求」の項が、「最小データセット(Minimum Data Set : MDS)」へと修正されています。

下院、上院のMDSの提案内容をまとめると以下のようになります。
 化学物質と混合物について、TSCA改正施行1年以内に、規則で決定されるMDSを提出することが要求されています。MDSには、化学物質の特性に関する情報や、安全基準の決定に必要な化学物質や混合物の危険有害性、暴露や使用に関する情報等が含まれます。

新規化学物質については、届出時に提出が要求されています。既存の化学物質や混合物については、EPA長官が優先リストに指定してから18カ月以内、あるいは生産されている化学物質の場合は、TSCA改正施行後、高生産物は3年以内、中生産物は4年以内、低生産物は5年以内の早いほうまでに提出が要求されています。

(林  譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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