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ここが知りたい REACH規則

コラム

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10.08.27

TSCA改定の動きと改定案の概要(1)

米国の有害化学物質規正法(TSCA:Toxic Substances Control Act)の修正が検討されていましたが、米国議会の上院、下院の双方から、それぞれ改定案が提出されました。本コラムでは、これまでのTSCA改定に関する動きを整理し、TSCAの修正案の内容を今回と次回の2回に分けて紹介します。

米国では、REACH規則が発効して直ちに議会の要請で、GAO(Government Accountability Office)がTSCAとREACHの比較を行い、TSCAの問題点を指摘した報告書(PDFファイル)を公表していました。その報告書では以下の問題点が挙げられていました。

  • 1)REACHでは、企業に対して化学物質の人の健康と環境への影響に関する情報を明らかにすることをTSCAからより多く要求している。
  • 2)TSCAは、EPA(Environmental Protection Agency:環境保護庁)に対して、化学物質の不当なリスクを証明することを要求しているが、REACHでは化学メーカーに対し、化学物質により悪影響を生じさせないことを確実にすることを要求している。
  • 3)TSCAもREACHもある種の情報を一般の人々に入手できるようにする規定はあるが、REACHでは、より多くの情報を公開することを要求している。

この後、オバマ政権が発足してから議会でのTSCAの改定の検討が進められ、上院では2010年4月15日に「S.3209 'Safe Chemicals Act of 2010'」が提出されました。また、下院では4月15日に公表された草案を修正して、7月22日に「H.R.5820 'The Toxic Chemicals Safety Act of 2010'(PDFファイル)」が提出されました。

両院から出された改定案の条文の細かいところでは異なるところがありますが、改定の方向性は同じです。下院の改定案H.R.5820による修正点としては、つぎのような事項が挙げられています。

  • 1)米国民が暴露されるすべての化学物質は安全性についてレビューされ、国民の健康と環境を保護するために必要があれば制限されることを確実にする体制を構築する。
  • 2)化学産業には、必要不可欠なデータを作成し、環境保護庁(EPA)に提出することを要求し、EPAの権限について必要があればテストを強制できるように改善する。
  • 3)EPAに提出された非秘密情報は一般市民と共有し、重要な秘密情報は、規制当局の中で、州および化学産業の労働者と共有することを確実にする。
  • 4)難分解性、生物蓄積性、毒性が明らかな化学物質への暴露をEPAが素早く抑制できるプロセスを構築する。
  • 5)グリーン・ケミストリへの革新と投資を促進するために、既存化学物質をより安全な代替物質にするインセンティブと見直しプロセスを創設する。
  • 6)長期的に米国の労働力を向上させるために、グリーン・ケミストリでの従業員の教育と訓練プログラムを創設する。
  • 7)化学物質の試験における動物の使用を削減させる。
  • 8)安全であることが既に知られている化学物質は本法令から除外する。
  • 9)化学物質の有害性に対する子供の脆弱性への理解を深めるための研究を促進する。
  • 10)EPAは、有毒化学物質に暴露されている地域「ホットスポット」を特定し、州政府等の関連機関とその対策計画を立案し報告する
  • 11)EPAは危険化学物質を管理する国際的な取組みに参加する。
  • 12)EPAの活動は、不合理な手続き上の負担をかけずに、透明で、パブリックコメントに対してオープンで、司法審査にかけられることを確実にする。
  • 13)EPAには、修正TSCAを施行するために十分な予算が与えられるものとする。

下院の改正案が提出された1週間後の7月29日には、下院の「エネルギーおよび商業の委員会」の中の「商業、貿易および消費者保護の小委員会(Subcommittee on Commerce, Trade, and Consumer Protection)」で公聴会が行われています。

公聴会では、業界の代表者からは、改定案は4月の草案からは改善されてはいるが、まだ規制の方法が厳しすぎ、実行不可能なものであり、米国の化学工業会にはマイナスの影響があるなど深刻な懸念が表明されています。
 他方、環境保護団体からは、改定案はこれまでの問題点を解決するものであり、議会での審議が進められることを強く主張しています。

次回は、企業に課せられる義務に関連する条文の改正の概要を紹介します。

(林  譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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