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ここが知りたい REACH規則

コラム

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10.07.23

第1回附属書XIV修正物質の「認可申請を除外用途」提案の説明から

第1回の附属書XIVに収載する7物質を認可対象物質とする勧告が提出されてから、欧州委員会の収載決定がずいぶん遅れているのではないかと思います。この原因については、詳細な理由は分かりませんが、CLP規則の発効に伴い、"制限条件の不整合"や"認可要求の除外用途"の説明理由に矛盾があるために、紛糾しているではないかと想像しているではないかと、前回のコラムに書きました。
 本コラムでは、この"除外の理由"の説明から、気になりましたことを話のタネとして紹介します。

ECHAから欧州委員会に提出された第1回目の附属書XIVに収載する7物質を認可対象物質と勧告する資料には、MDA、SCCP、DEHP、BBPおよびDBPの5物質については、認可申請を必要としない用途(用途カテゴリー)が提案されています。
 これらの物質は、すでにREACH規則の附属書XVIIに制限物質として収載されています。その"制限"には、"適用除外用途"の規定があります。この"制限"の"適用除外用途"が、"認可要求の除外用途"として提案されています。

上述の3種のフタル酸エステル(DEHP、BBP、DBP)については、指令67/548/EECでは生殖毒性のカテゴリ2に分類されています。REACH規則附属書XVIIの30番では生殖毒性カテゴリ1、2に対しては、"一般消費者に販売する物質や混合物には、指令1999/45/ECで規定される濃度限界値以上含むことが制限"されています。指令1999/45/ECで規定される濃度限界値は0.5%です。ただ、この"制限"に対して、"指令1999/45/ECで対象とされる画家用絵具"が制限の除外になっています。すなわち、フタル酸エステルが0.5%以上含まれていても、制限されません。ただ、制限と認可は別ですから、これらのフタル酸エステルが認可対象になりますと、フタル酸エステルを0.5%以上含有する画家用絵具は、認可を取得しなければ"Sunset date"以降は製造・販売できなくなります。そのため、今回の勧告提案では"フタル酸エステルを0.5%以上含有する画家用絵具"を認可が必要な用途から除外する内容になっています。
 なお、REACH規則56条には、混合物については以下の場合、認可は不要となっています。

「(a)0.1%以下の濃度以下のPBT、vPvB等の混合物中の物質
(b)指令1999/45/EC、あるいは指令67/548/EECの附属書Iで規定される濃度限界値以下の混合物中のその他の物質」

ところが、CLP規則では、REACH規則附属書XVIIの30番の制限物質がつぎのように修正されています。

「カテゴリ1Aもしくは1Bの生殖毒性(表3.1)またはカテゴリ1もしくはカテゴリ2の生殖毒性として分類されて、CLP規則の附属書VIのパート3に収載されている物質」

しかし、制限条件については、つぎのCLP規則発効と指令1999/45/ECが廃止される2015年6月1日で、以下のように修正されることになっています。

2009年1月20日修正:1項第一インデントの修正
「"制限条件"については、28番*で、1項の第一インデントは下記に置き換える。 -CLP規則の附属書VIパート3に規定される関連する特定の濃度限界値」
 (*筆者注:修正条文では「28番」の文言だけですが、REACH規則附属書XVIIの修正ですので、「29番、30番」が抜けているものと考えます)
2015年6月1日修正:1項第二インデントの修正
「-一般消費者に販売する物質や混合物には、指令1999/45/ECで規定される濃度限界値以上使用されてはならない」から
 「-CLP規則の附属書Iパート3に規定された関連する一般的濃度限界値」

指令1999/45/ECで規定される濃度限界値は前述したように0.5%ですが、CLP規則では生殖毒性のカテゴリ1A、1Bの一般的濃度限界値は0.3%と規定されています。
 上述の認可の除外用途が決まりましても、この濃度限界値が異なっていても、実質的には影響ありません。しかし、一般的な制限については、"限界濃度"が2015年6月1日で低くなることは、少なからず企業に影響があるのではないかと考えます。

また、MDAは発がん性物質カテゴリ2であるとして、認可対象物質として附属書XIVに収載する勧告がされています。しかし、認可要求の除外用途の提案説明では、フタル酸エステルと同じ"生殖毒性"として、"MDAを0.5%以下含有する画家用絵具"は制限されないと説明されています。また、指令1999/45/ECで規定されている発がん性物質の濃度限界値は0.1%です。これらの説明は、恐らく起案者の勘違いではないかと思います。MDAについては、フタル酸エステルの場合と同じく、REACH規則附属書XVIIの28番目で、一般消費者に販売する物質や混合物に0.1%以上含有する場合が制限されていますが、"指令1999/45/ECで対象とされる画家用絵具"が制限の除外になっています。この制限の除外を「認可要求の除外用途」としていますが、提案には濃度限界値の記述はありません。
 なお、発がん性物質の濃度限界値は、指令1999/45/ECカテゴリ2、あるいは、CLP規則カテゴリ1Bに対しては、いずれにおいても0.1%ですので、フタル酸エステルの場合と違い、指令1999/45/EC廃止に伴う問題は生じません。

なお、SCCPについては、PBTおよびvPvBであるとして勧告がされています。REACH規則附属書XVIIの42番目に収載され、以下の制限がされています。

「物質、あるいは、混合物中の1%以上の濃度での、下記の使用、または、上市してはならない。
 -金属作業
 -皮革の油脂浸漬」

これに対して、「混合物中の1%以下での使用」を「認可要求の除外用途」としています。すなわち、0.1%から1%のSCCPを含有する混合物については認可申請を不要にする提案となっています。

(林  譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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