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ここが知りたい REACH規則

コラム

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10.04.30

TSCAの概要と改正に向けての動向(3)

TSCAはChAMPから一歩踏み出した対応を開始しました。EU REACH規則との共通点と差異を理解していただくために動向を整理します。

(1)ChAMPの枠組み変更

2009年9月29日にEPA長官(Administrator Lisa Jackson)により、ChAMPは強化された既存化学物質管理プログラムに移行することが発表されました*1

既存化学物質管理プログラムでは、「公衆関心を引き起こす化学物質の特定」「迅速な評価、危険有害性の決定」「適切な行動の開始」が基本となっています。

行動計画(Action Plans)が策定された物質は「フタレート」「PFCs」「製品中のPenta、OctaおよびDeca Bromodiphenylエーテル(PBDE)」「短連鎖塩素化パラフィン」で、「ベンジジン」「ビスフェノールA」は策定中です。
 フタレートの行動計画の対象物質は、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジイソブチル(DIBP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、フタル酸ジノルマルプロピル(DnPP)、フタル酸ビス2-エチルヘキシル(DEHP)、フタル酸ノルマルジオクチル(DnOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、およびフタル酸ジイソデシル(DIDP)です。フタル酸エステルは、主としてポリ塩化ビニル(PVC)製品の中の可塑剤として使用されるHPVCです。
 8つのフタル酸エステルは試験データによりTSCA第5条によるインベントリの修正し、第6条による規制が2010年後半に予定されています。フタル酸エステル規制は、消費製品安全委員会(CPSC) によって2008年に開発されたCPSIA (Consumer Product Safety Improvement Act)に2012年に整合させ、またフタル酸エステルは、食物の中に検出され、人間で測定されていますので食品医薬品局(FDA)とも整合されます*2

このように、ChAMPは基本的な方向は同じながら大きな変更がされています。

(2)化学物質管理法改革の基本原理

アメリカ経済に重要な市販されている化学物質が安全であり、市民および消費者や労働者、また特に敏感な小児などの集団や公衆衛生と福祉や環境が危険に曝されないという信頼性確保のため、TSCAで利用できる手段を速やかに強化し協力することが重要であるとしています。
 化学物質管理法改革の基本原則が、現在進行中であるTSCAの再認可と有効性を強化するために提出されました。この原則は対象とされる化学物質に対し、新規および既存の化学物質を迅速に評価、規制する手段や権限をEPAに与えることを目標としています。

原則1:化学物質は健全な化学に基づく安全基準を考慮して見直されるべきであり、リスクに基づいた人の健康と環境に保護的な基準も反映すべきである。

原則2:製造業者は新規および既存化学物質が安全であり、公衆衛生や環境を曝さないという決論を下すために必要な情報をEPAに提出すべきである。

原則3:リスク管理決定は敏感なサブ集団(Subpopulations)、コスト、代用品の効用、その他関連事項を考慮し決定すべきである。

原則4:製造業者とEPAは新規および既存の優先化学物質においてタイムリーに評価および行動をすべきである。

原則5:グリーン化学を奨励し、明確な情報提供および情報の一般アクセス向上の対策を強化するべきである。

原則6:EPAは実行の持続的財源を与えられるべきである。

(3)化学物質管理強化プログラム(Enhancing EPA's Chemical Management Program)

EPAのLisa P. Jackson長官の指示により、化学物質管理法(TSCA)案強化の原則を発表し、かつ、EPAの既存権限の範囲内で現行の化学物質マネジメントプログラムが強化されています。
 化学物質管理強化プログラムの新リスク管理アクションとして以下が示されています。

(i)鉛
2008年に発行された改築・改修回収のための鉛ペンキ作業実施基準を強化する。
範囲を広げ、「オプトアウト(脱退)」条項をなくす。
改築後に浄化検査を要求する。
一般用と商業用建築物のための鉛使用作業の安全性への検討をする。
タイヤの鉛の重り使用禁止に向けたTSCA第6条の下で規則を作成する。

(ii)水銀
一連のスイッチ、リレー、測定装置やその他の製品において水銀使用を段階的になくす。あるいは禁止するためにTSCA第6条の下で規則を作成する。

(iii)ホルムアルデヒド
圧縮木製品から発生するホルムアルデヒドを管理する規制を作成する。

(iv)PCBs
商用規則でTSCAのPCB使用と流通を再評価するため、TSCA第6条の下で規則を作成する

(v)グリム類
モノグリム/エチレングリコールジメチルエーテル(CAS 110-71-4)、ジグリム(CAS 111-96-6)、エチルグリム(CAS 629-14-1)のあらゆる新規利用時にEPAが事前通知を必要とする規則をTSCA第5(a)(2)により作成する。

(vi)ナノ物質-炭素ナノチューブ類
2種のナノチューブ化学構造による潜在的かつ不合理なリスクを制限または軽減するための防衛対策を求める規則をTSCA第5(a)(2)条のもとで作成する。

このように、TSCAはChAMPを基礎として新たな具体的な取組みをベースとして、改正作業が進められています。TSCAはEU REACH規則と異なると見るか、アジェンダ21第19章に示された基本理念による展開とみるか、意見の分かれるところです。
 企業対応は単純な一本化が望ましいことであり、違いを探すより類似点を探して、対応の標準化を行い、つぎにREAC規則とTSCAなどの相違点とその対応策を検討することが肝要に思えます。

*1http://www.epa.gov/ChAMP/index.html

*2http://www.epa.gov/oppt/existingchemicals/pubs/ecactionpln.html

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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