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HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

コラム

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10.02.05

営業秘密とは(2)

2008年12月22日に公表された「化審法見直し合同委員会報告書」では、海外の状況についてつぎのように記述しています。
「各国とも行政に提出された化学物質に関する情報のうち、構造が特定できる名称、混合物の場合の組成内容及び組成比、厳密な用途、正確な製造・輸入量等は企業秘密に該当する場合があるとして、その取扱いについて配慮する規定が盛り込まれている。」

アメリカのTRI制度(日本の化管法に相当)では、化学物質の特定(chemical identity)に関する情報については、企業秘密(trade secret)を理由として公開を拒むことを主張できますが、企業秘密の立証は以下としています。
 (1)化学物質名の機密性の保護するための特別の対策の記述
 (2) 企業秘密とされる情報を機密保持契約により企業秘密情報を他に開示しない者に対する開示の有無
 (3) 地方、州、連邦政府機関に対し、化学物質名についての機密性の主張の有無
 (4) 企業秘密とされる化学物質の用途、製品又は工程の特定など
 (5) 特定の化学物質名を公開することによって生ずると思われる競争上の損害の性質など
http://ecfr.gpoaccess.gov/cgi/t/text/text-idx?c=ecfr&sid=bd0d6c55532267369312811cd59b9851&rgn=div5&view=text&node=40:27.0.1.1.10&idno=40#40:27.0.1.1.10.1.9.4

営業秘密は「秘密として管理されている」ことが基本で、上述のような立証も要求されます。安易な考えでの「営業秘密」の主張は通らないようです。
 化学物質では、「構造が特定できる名称」の開示が問題となっています。一般的に新規化学物質の場合は、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry:国際純正応用化学連合)名称を基本として公示されます。IUPACは、構造が特定されるため容易に他者により構造が特定され、届出事業者にとって競争上の地位を損なう可能性があり、構造の一部をマスクした総称名での公示が認めています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/IUPAC%E5%91%BD%E5%90%8D%E6%B3%95

EUでは1999/45/ECの附属書に物質の化学的アイデンティティに関する秘密保持が規定されています。Part Bでは、物質名を「総称名(generic name)」で表示することを認め、総称名を定める手順が示されています。
 例1:「クロロベンゼン」の総称名は「ハロゲン化芳香族炭化水素」
 例2:「塩化水銀」の総称名は「無機水銀化合物類」
総称名(一般名)では、物質のアイデンティティがマスクされます。
 REACH規則附属書II(SDSの編纂の手引き)でも「総称名(generic name)」の使用を認めています。
 REACH規則の「営業秘密」と「開示情報」の区分けが第118条、第119条に示されています。営業秘密とされるのは、第118条で次項とされています(環境省訳)。
 (a)調剤の全組成の詳細
 (b)中間体としての正確な用途についての情報を含め、物質又は調剤の正確な用途、機能又は適用
 (c)製造若しくは上市した物質又は調剤の正確なトン数
 (d)製造者、輸入者、その流通業者又は川下使用者との間の関係
 登録申請時に営業秘密の扱いを要求しECHAが容認した場合は「商品名」「IUPAC名称」などが第119条により公開されません。

「競争力と革新の強化を確保することを目的とする」。REACH規則の第1条の目的で「人の健康及び環境の高レベルの保護並びに域内市場における物質の自由な流通」とともに記述されています。
 化学物質管理は「人と環境」保護だけでなく、規制対応で産業競争力を弱めることを意図していないことを示しています。「営業秘密」は法的な要件が明確にされています。妙案はありませんが、国内外の法規制内容などの本質を理解し、「産業界と消費者の全体最適を目指すために、営業秘密」を双方で認めることが第一歩に思えます。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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