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ここが知りたい REACH規則

コラム

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09.08.28

ポリマー中のモノマーの登録に関する提訴から思うこと-REACH規則の理解の難しさ(その2)

7月17日付けの本コラムに対して、次のようなコメントを頂きました。

「REACH規則に関する7月17日のコラムに関して疑問があります。ポリブタジエンラテックスを中間体登録できるような記載になっていますが、ポリブタジエンはポリマーです。ポリマーはそれ自身を登録することはできませんので、中間体登録はできません。したがって、輸入の際はモノマーを登録しなくてはいけないと思います。いかがでしょうか」

ポリマーの義務に関してはまだ多く議論が残されているように思います。これまで議論になりました、「予備登録は登録でない」や「ポリマー中のモノマー」の提訴での結論からすると、「条文」通りの解釈でREACH規則は運用されるとものと理解しています。ご質問の解釈も可能かと思いますが、筆者の考えとして、改めて、中間体、ポリマー中のモノマーの登録義務について整理しました。

第2条で規定されているREACHの適用の条文を記載順序に沿って、中間体、ポリマー中のモノマーの登録義務の判断フローを示しますと、図のように表すことができます。

先ず、第1ステップでは中間体であるか否かを判断します。中間体でなければ、次のポリマーであるか否かの判断となります。ポリマーの場合は、TITLE IIの「物質の登録」およびTITLE VIの「評価」の規定は適用されませんが、ポリマー中のモノマーの義務があります(6条3項)。ポリマーでなければ、一般登録義務が課せられます。
 他方、中間体である場合は、モノマーであれば一般登録義務があります。モノマーでなければ、中間体の登録義務が課せられることになります。

ここで、頂きましたコメントは、中間体がポリマーである場合、モノマーの登録義務があるではないかとのご指摘です。
 図に示しますルートに沿って判断すると、中間体はモノマーであるかどうかの判断だけです。中間体は、TITLE II 第1章は免除されていますので、中間体がポリマーである場合のモノマーの登録義務はないと考えることができます。しかし、REACH規則の目的からすると、ポリブタジエンラテックスのブタジエンモノマーが未登録の場合は、中間体であるラテックスにも何らかの登録義務があるとするのが妥当と考えます。また、物質がポリマー定義に該当するかを科学的に明確にできない場合は、UVCBとみなすことができるとされています(「モノマーとポリマーのガイダンス」p9)。

議論はあるとは思いますが、今回取り上げたポリブタジエンのラテックスにつては、一部架橋しているものがあり、架橋している場合、ポリマー定義の分子量分布の測定は大変と理解しています。したがって、UVCBとすることも可能ではないかと考えることもできます。このように考えますと、ポリブタジエンのラテックスは中間体として登録が可能ではないかと考えた次第です。

他方、図において、中間体であるかの判断とポリマーであるかの判断の順序を逆にして、ポリマーであるかの判断を先にするのが、ご質問者のご指摘のケースに該当します。 また、モノマーが登録されていた場合、中間体であるポリブタジエンラテックスは、ポリマーであるから、中間体の登録は適用されないと考えるか判断に迷うところです。

以上、考え過ぎとは思いますが、判断のフローによりREACH規則は色々な解釈ができます。どのように運用されるかは大変気になるところがあります。今後もこれから出される情報に注意を怠れないと思っています。

なお、7月17日付けのコラムで、「EU域外で、原料であるブタジエンラテックスを製造して、EU域内でアクリロニにトリルとスチレンを添加して重合する場合は、ブタジエンラテックスは中間体の簡単な登録ですむので、ブタジエンについては、登録義務がなくなり、EU域内外のメーカで『不平等』が起こるのではないか」との内容のコメントを書きましたが、「不平等」の記述は撤回させていただきます。理由は、図の右端のルートの通り、もし、ブタジエンラテックスのモノマー成分ブタジエンが未登録であれば、最終生成物のポリマーが製造・上市される時に登録をする必要があることになるからです。

(林  譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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