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ここが知りたい REACH規則

コラム

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09.06.19

化審法の一部を改正する法律の公布と国 (衆参両議院) の附帯決議

審議中であった「改正化審法」が5月20日に公布されました。その概要と衆参両議院の附帯決議概要を以下に記します。

1. 改正趣旨

(1)化学物質による人及び環境への影響を最小化することは環境サミットで合意されており、EUでは既にREACH規則が平成19年に施行される等など、化学物質を巡る状況が変化しつつある。

(2)化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律では、昭和48年の制定以降、新規化学物質の事前審査を実施してきた。一方、法律制定以前から市場にある既存物質は、国自ら安全性評価を行ない、必要に応じて法律による規制措置を講じてきたが、すべての物質の評価はできていない。

(3)既存化学物質の製造・輸入事業者に年間の製造、輸入数量の届出を義務づけたり、有害性情報の提供を求めることなどにより、厳格な化学物質管理を一層推進する必要がある。また、今回の改正で集積される情報を省庁間で共有し、化学物質管理を効果的なものにする。

(4)「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」の規制対象に追加される物質について、従来法では、条約で許容される例外的使用に対応した規定がなかった。このような国際的な不整合を解消し、合理的な審査、規制体系を構築する。

2. 改正概要

(1)既存化学物質も含めた包括的管理制度の導入

  • 既存・新規を問わず一定数量(1tを予定)以上の化学物質の製造・輸入事業者に対し、毎年度その数量等の届出の義務を課す。
  • 上記の届出内容や有害性に関する既知見等を踏まえ、優先的に安全性評価を行なう必要がある化学物質を「優先評価化学物質」に指定する(これに伴い「第二種監視化学物質」、「第三種監視化学物質」は廃止する)。
  • 必要により、優先評価化学物質の製造者・輸入事業者に有害性情報の提出を求め、取扱事業者にも使用用途の報告を求める。
  • 優先評価化学物質に関する情報収集および安全性評価を段階的に進めた結果、人または動植物への悪影響が懸念される物質については「特定化学物質」として製造・使用規制等の対象とする(現行法と同じ)。
  • 従来、規制対象としてきた「環境中で分解し難い化学物質」に加え、「環境中で分解しやすい化学物質」についても対象とする。

(2)流通過程における適切な化学物質管理の実施
 特定化学物質および当該物質が使用された製品による環境汚染を防止するため、取扱事業者に対して一定の取扱基準の遵守を求め、取引に際し必要な表示義務を課す。

(3)国際的動向を踏まえた審査・規制体系の合理化
 ストックホルム条約の規制対象物質について、条約で許容される例外的使用を厳格な管理下で認めるため、第一種特定化学物質に係る規制の見直しを行なうなど、規制の国際整合化を行なう。

3. 施行期日

次の2段階で施行されます。
 [第1段階]
 公布の日から1年を超えない範囲において政令で定める日(平成22年4月1日を予定)
 [第2段階]
 公布の日から2年を超えない範囲において政令で定める日(平成23年4月1日を予定)
 施行対象は、上記2(1)のiからiv(すべての化学物質に係る製造・輸入数量等の届出、優先評価化学物質の指定、第二種・第三種監視化学物質の廃止等)

4. 衆参両議院での附帯決議の概要

附帯決議においては、「化学物質管理規制の国際動向への対応」、「スクリーニング評価、リスク評価等における事業者の協力、国のリーダーシップ的役割」、「化学物質管理における事業者の自主的な取組」、「予防的視点に立った長期的、総合的な施策展開への取組等」、「代替試験開発等による動物試験の軽減」などEU他諸外国の化学物質規制管理の動きに近似する対応をとることが決議されています。
 以下に衆参両議院における附帯決議の筆者の要約を記します。

(1)2020年までに化学物質の影響最小化達成の国際合意の遵守
 「化学物質が人の健康と環境にもたらす悪影響を最小化する方法で生産・使用されることを2020年までに達成する」という国際合意の遵守のため、国の責任と今後のスケジュールの明確化、調査研究や検査・監査体制の整備と予算の確保。

(2)化学物質のスクリーニング評価
 胎児、乳幼児、高齢者への直接暴露を考慮した事業者からの暴露情報の提供、評価手法の確立および効率的なデータ収集技術開発など、的確な有害性調査の実施、国による着実なリスク評価の推進など。

(3)化学物質のリスク評価
 透明性と客観性の確保のため評価計画、評価結果の公表。評価の審査等へ多様な主体が参加できる体制の整備。政府が行なったリスク評価の審査に外部委員会を採用。

(4)事業者による化学物質リスク評価および管理の推進
 低コストでできるリスク評価手法の開発・普及。データ収集作業の定型化など事業者の負担軽減と中小企業者をはじめとする事業者への効果的な支援策実施の推進。

(5)化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)による情報伝達
 化学品の適切な管理促進のため、化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)に基づく表示、化学物質の安全性情報、リスク評価結果および管理手法などを川上事業者から川下事業者まで情報伝達と共有を可能とする。

(6)「エッセンシャルユース」認定化学物質の取扱い
 必要最小限利用と定期的な評価と公表。事業者に対し、代替化と低減化への取組の促進。

(7)事業者による自主的な化学物質管理の促進
 化学物質管理を担える人材育成と研究機関の充実。学校教育での化学物質に関する教育内容の見直しの検討。

(8)予防的視点に基づく、化学物質による人の健康や生態系への悪影響の未然防止
 懸念物質に関する科学的知見が集積されるまで、厳格な暴露管理および代替品検討を事業者に要請。

(9)化学物質の適正利用、化学物質リスク低減に関する計画的、長期的な施策推進
 省庁間の連携、事業者負担の軽減、消費者の化学物質への理解促進のために化学物質に関する総合的、統一的法制度および行政組織のあり方の検討。
 化学物質に限らず、政府の施策全体に予防的取組方法の採用のため、統一的ガイドラインを策定。

(10)試験に要する費用・期間の効率化や動物試験削減要請への対応
 定量的構造活性相関(QSAR)の活用などを含む動物試験代替法の開発・活用の促進。不合理な動物試験の重複の回避など有効な3R(代替活用、使用数削減、苦痛軽減)の促進。

(11)暴露実態の的確な把握のためのモニタリング
 製造・使用の現場、環境中、人体・動植物の体内の科学物質残留量等の測定等の実施とモニタリング実施により着実な施策への反映。モニタリング対象外の化学物質はPRTRデータなどの活用による適切な評価手法の確立等万全な対策の促進。

(瀧山 森雄)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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