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ここが知りたい REACH規則

コラム

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09.05.08

ナノ物質に関する情報整理 (その2)

前回に続いて、ナノ物質に関する情報整理について紹介します。

2.用語の定義

nanomaterialsの"nano"の定義は統一しきれていないようです。第6回CA会議のフォローアップ文書では、Nanoscaleを100nm以下として、Nanostructure(ナノ構造)は、1次元(長さ方向)、2次元(面)から3次元(粒子)まであり、それぞれでNanoscaleであるものとしています。Nanomaterial(ナノ材料)は1次元でもNanoscaleであるものです。

Nanoscaleを100nm以下はおおむね共通概念ですが、さまざまな用語があります。ISO/TS 27687では次のように定義しています(「工業用ナノ材料に関する環境影響防止ガイドライン」より)

ナノスケール(nanoscale) :およそ1nm から100nm までの大きさの範囲
  ナノ物質(nano-object) :1、2元あるいは3次元のサイズがナノスケールである物質
  ナノ粒子(nanoparticle) :3つの次元のサイズがナノスケールであるナノ物質
  ナノファイバー(nanofibre) :2つの次元のサイズがあまり違わず、かつナノスケール
  であり、残る1つの次元のサイズがそれらより著しく大きいナノ物質
  ナノプレート(nanoplate) :1つの次元のサイズがナノスケールであり、他の2つの次
  元のサイズがそれより著しく大きいナノ物質
  ナノロッド(nanorod) :中空でないナノファイバー
  ナノチューブ(nanotube) :中空のナノファイバー
  ナノワイヤー(nanowire) :導電性又は半導電性のナノファイバー

これらにより、有害性の分類や規制などがさまざまに出てくると思われます。
日本の環境省でもナノ材料の定義情報を示しています。
 一方、Nanotubeは長さ方向がμmあること、フラーレンは有機分子であることなどから、nanomaterialsではないとする異論もあります。

3.安全性について

nanomaterialの安全対策に関する検討会の報告書によりますと、nanomaterialが一般消費者向けの製品へと利用が拡大しており、今後もさまざまな用途に用いられることが予想されています。粒子(分子)のサイズが小さくなること等により、nanomaterialが一般の化学物質とは異なる有害性を有することがわかってきています。前述の「工業用ナノ材料に関する環境影響防止ガイドライン」には、フラーレン、カーボンナノチューブや各種ナノ粒子の生物影響に関する試験結果が要約されています。

カーボンナノチューブは、動物実験で多発性肉芽腫が見られたとするデータやアスベストと類似するとの意見もあります(出典:「ナノテクノロジーの社会受容-ナノ炭素材料を題材に-」、産業技術研究所、阿多誠文 他、エヌ・ティー・エス)
 このような状況を踏まえて、作業者保護の観点でOECDがLIST OF MANUFACTURED NANOMATERIALS AND LIST OF ENDPOINTS FOR PHASE ONE OF THE OECD TESTING PROGRAMMEで、優先的評価物質としてフラーレン(C60)やカーボンナノチューブなど14物質を指定しています。
 また、ISO/TS 27687では、顧客への安全取扱情報を提供するためにMSDSの標準化を検討しています。

4.法規制動向

REACH規則では、nanomaterialは他の物質と同じように規制する方向ですが、英国のThe Royal Society and Royal Academy of Engineeringが勧告を出しています。この中で、nanoparticleやnanotubeなどは新規物質としてとり扱うことを勧告していますが、現実には粒径が10nmと20nmのnanomaterialは同じなのか違う物質なのか、あるいは形状の違いもどこまで同じとするかなど、明確化し難い部分が多くあります。

nanomaterial応用製品のためにEUの立法上の枠組みの妥当性を評価するレビューをしています。基本は消費者製品安全で、食物連鎖、 食品 、新しい食品、 食品添加物 、 食品接触材料、配送、殺虫剤や動物の健康を含めています。
 アメリカのTSCAでは重要新規利用規則(SNUR Significant New Use Rule)により、既存物質(TSCAインベントリ登録物質)であっても、新たに審査を要求できます。この仕組みは、既存化学物質の特定用途について、製造前届出(PMN Pre-manufacture notice)による審査の想定外の曝露を大幅に増加させるような場合にPMNと同様に個別審査をするものです。

5.まとめ

nanomaterialは用途が広く、市場規模も大きく伸びています。一方で、用途の広がりの中で、ハザード情報の収集、リスク評価手法の確立などが課題となっています。
 現在は各国ともに影響調査中で、具体的な法規制による義務は今後になると思われます。
 nanomaterialは、原材料が同じでも形状、大きさで他の物質と大きく変わるので、将来に備えて今から情報収集、対応の検討を行うことが望ましいと思います。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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