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ここが知りたい REACH規則

コラム

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09.03.19

化審法改正案が閣議決定

2月24日に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案」が第171回通常国会に提出すると経済産業省、厚生労働省および環境省から同時に発表されました(注1)。基本的には昨年12月22日の審議会の答申内容ですが、一歩踏み込んだ内容もあります。改正の背景として、WSSD目標の2020年(平成32年)までにすべての化学物質による人の健康や環境への影響を最小化することやEUで施行されたREACH規則やPOPS条約の動向があります。

発表資料から法律案の改正ポイントは次になります。
 (1)既存化学物質を含むすべての化学物質について、一定数量以上の製造・輸入を行った事業者に対して、毎年度その数量等を届け出る義務を課す。
 (2)上記届出の内容や有害性に係る既知見等を踏まえ、優先的に安全性評価を行う必要がある化学物質を「優先評価化学物質」に指定する。
 (3)必要に応じて、優先評価化学物質の製造・輸入事業者に有害性情報の提出を求めるとともに、取扱事業者にも使用用途の報告を求める。
 (4)優先評価化学物質に係る情報収集及び安全性評価を段階的に進めた結果、人又は動植物への悪影響が懸念される物質については、現行法と同様に「特定化学物質」として製造・使用規制等の対象とする。
 (5)これまで規制の対象としていた「環境中で分解しにくい化学物質」に加え、「環境中で分解しやすい化学物質」についても対象とする。
 (6)国際条約で新たに規制対象となる物質について、規制の見直しを行う等、規制の国際整合化を行う。
 (7)流通過程における適切な化学物質管理の実施
 特定化学物質及び当該物質が使用された製品による環境汚染を防止するため、取扱事業者に対して、一定の取扱基準の遵守を求めるとともに、取引に際して必要な表示を行う義務を課す。

答申書との大きな違いが(5)で、第1条の目的が変更されました。
第一条  この法律は、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染を防止するため、新規の化学物質の製造又は輸入に際し事前にその化学物質の性状に関して審査する制度を設けるとともに、その有する性状等に応じ、化学物質の製造、輸入、使用等について必要な規制を行うことを目的とする。

現行化審法の目的は「事前にその化学物質が難分解性等の性状を有するかどうかを審査する制度を設ける」でした。今回の化審法改正案では、「事前にその化学物質の性状に関して審査する制度を設ける」としていて、「難分解性の性状」という文言が削除されており、良分解性物質も枠組の中に入ります。

REACH規則では第14条(CSR作成)や第57条(SVHCの分類)でもPBT(Persistent, Bio-accumulative and Toxic:難分解性、かつ蓄積性、かつ有害性)が基準になっていますので、化審法は厳しい基準とも言えます。

(6)はPOPs条約(POPs:Persistent Organic Pollutants:残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)との関連が注目されます。POPs条約は、環境中での残留性、生物蓄積性、人や生物への毒性が高く、長距離移動性が懸念されるPCB、DDTなどの残留性有機汚染物質の、製造および使用の廃絶、排出の削減、これらの物質を含む廃棄物などの適正処理などを規定している条約で、各国がそれぞれ条約を担保できるように国内の所法令で規制することになっています。

POPs条約では、次のように分類されます。 付属書A記載物質:廃絶(製造、使用、輸出入の原則禁止) 付属書B記載物質:制限(原則使用制限、適用除外品のみの限定使用) 付属書C記載物質:意図しない生成(非意図的生成物質の排出の削減)

POPs条約付属書記載物質は化審法で規制されます。  例えば、PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸塩)などは現法では第2種監視化学物質ですが、原則として製造、輸入、使用が禁止製造または輸入の許可、使用の制限などの措置が規定される第1種特定化学物質に指定されるとの情報もあります。  PFOSなどはエッセンシャルユース(ほかの物質による代替が困難である用途)として、半導体製造工程であるフォトリソグラフィ・プロセスにおけるフォトレジストまたは反射防止膜の塗布など10項目について提案しており、5月のCOP(締約国会議)で審議されます。

付属書B記載物質になれば、化審法は使用禁止、POPs条約ではエッセンシャルユースは除外となり矛盾が生じます。(6)はこの整合と思われます。  このように、化審法はハザードベースからリスクベースに、既存化学物質を含む全化学物質を対象とするなど、国際的な潮流に整合されています。

注1:http://www.meti.go.jp/press/20090224001/20090224001.html

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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