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ここが知りたい REACH規則

コラム

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08.12.26

川中企業への「SVHC」の情報提供要求について

SVHC(高懸念物質)のcandidate listsが発表されてから、川中の部品(成形品)メーカーの方より、川下のセットメーカーさんから、「SVHC」の含有情報の提出を求められるが、どのようにしたらよいかとのご相談をよく受けます。特に多いのが、今回は15種類の物質の分析データの要求があり、約1,500種類もあると言われる認可対象物質がリストに掲載されると、中小企業にとっては対応できなくなり、対応をどのようにすればよいかというご相談です。

「SVHC」については、2008年9月26日付けのコラムに解説がありますが、今回特定された15物質のSVHCを、物質の種類と主な用途で整理しますと、表1の通りです。

#Aから#Eまでは、プラスチックの可塑剤や難燃剤などで、主にはプラスチック企業の方には注意しないといけませんが、例えば金属を鋳造される業界の方にはほとんど関係がないと言えます。また,#Jから#Oについては、プラスチックの成形業の方にとってはまったく使用されることはないと考えます。このように、物質によっては、使用あるいは混入することがない部品メーカへの、分析データの要求は意味のないことになります。

そこで、プラスチック部品の成形を例にして、SVHCの含有情報の要求への対応を考えて見ます。
 プラスチックの成形部品については、今回の15種類のSVHCでは、上記に説明しましたように#Aから#Eの物質についてのみ考慮すればよいことになります。
 これらの物質が含有については、下記のケースが考えられます。

  1. 成形原料(購入プラスチックペレット)への添加、または混入
  2. 成形工程での添加、または混入

原料のペレットの含有については、原料の購入スペックがあれば、MSDSや品質検査書から情報を確認します(企業秘密などの理由で含有率の開示がなければ、自社での分析が必要ではありますが、分析法などについては稿を改めて紹介したいと思っています)。社内で新たに添加するのであれば、作業指示や仕様などで管理されているわけですから、その情報を提供すればよいと考えます。

供給元での原料ペレット中への異物の混入が懸念されますが、供給元の工程管理、作業管理が適切に行われていれば、起こり得ないことですから、購入契約で原料ペレットの品質スペックを明確すればよいことになります。したがって、購入の都度、そのロットの品質検査書を入手すればよいと考えます。供給元から情報を入手できない場合だけ、自社でSVHCの分析を行えばよいことになります。

他方、社内での混入については、適確な工程管理、作業管理を実施していれば起こりませんので、新たに分析をする必要はないことになります。
 情報提供の要求や分析を行う場合に、今回特定されている15種類すべてのSVHCの分析を行う必要はありません。ポリマーの製造工程で添加、または混入する可能性がある物質についてのみ分析すればよいと考えます。

以上から、顧客からのSVHCの含有の分析要求に対しては、

  1. プラスチックで使用される可能性のあるSVHCについては、購入スペック、および工程管理、品質管理の状況から、含有している場合は、その物質名と含有率、およびその物質の有害情報などを提供
  2. プラスチックに使用されることがない物質については、その物質名と、工程管理・品質管理から、異物として混入することがないことの説明をすればよいと考えます。

REACH規則の対応において、サプライチェーン内での情報伝達が適切に行われることが重要になったわけですが、時には過重な要請が出されているようです。購入担当者の方には、購入する製品の内容をよく理解し、提供を依頼する情報項目については適確にしていただき、他方、供給元からは供給先に自社の管理体制や使用しない物質などを十分説明して、理解をしていただくことが必要と考えます。REACH規則への対応は、サプライチェーン、引いては業界上げて適確に対応することが重要です。そのためには、例えば、JAMPなどで進められている原料メーカからの MSDSplusによる情報提供、川中の成形品メーカからのAISで情報提供システムが普及・定着し、できるだけ早く、円滑な情報伝達が行なわれる体制ができ上がることを期待したいものです。

(林 譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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