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ここが知りたい REACH規則

コラム

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08.08.15

シリカゲル含有塩化コバルト調査の背景

「シリカゲル含有塩化コバルト(CoCl2)調査が急増している。法的根拠を問い合わせても曖昧な回答しかえられない」とのメール相談が今年の7月になって目立ち始めました。一部の企業のグリーン調達基準では、1、2年前からシリカゲル中の塩化コバルトの調査をしていますが、根拠は「コバルト化合物がPRTR対象物質」である、「EU指令76/769/EEC(危険な物質および調剤の上市と使用の制限に関する指令)の販売制限物質」であるとしていました。

塩化コバルト(II)(CAS No.7646-79-9)は67/548/EEC(危険な物質の分類、包装、表示に関する指令)では、危険物質リスト(附属書I)に含まれています。
 分類は発がん性物質カテゴリー2です。シリカゲルにはメーカーにより異なりますが、PRTR法の関係(1%以上が該当)と思いますが、塩化コバルトの含有量は1wt%以下になっています。
 一方、EUの67/548/EECでは、1%以下でも濃度(C)により表示義務などが決められています。

0.25 % ≤ C < 1 %   :T;R49-52/53
0.01 % ≤ C < 0.25 % :T;R49
 つまり、0.01%(100ppm)以上で規制があることになります。
 Tは毒性を表す「どくろマーク」を要求しています。
 Rはリスク警句で、R49(吸入するとがんを引き起こす恐れがある)、R52は「水生生物に有害性」、R53は「水生環境中で長期の悪影響を及ぼす恐れがある」です。この指定されたリスク警句を表示する義務があります。

76/769/EECでは、67/548/EECの分類基準により、「一般大衆への販売のために上市される物質、調剤において、67/548/EECの危険物質リストで濃度が指定されている場合の規定濃度以上で使用されてはならない」とされています。
 6月30日にREACH規則の認可候補物質リスト(附属書XIV候補物質:candidate list)の検討物質として16物質のインターネットコンサルテーションが開始されました。この16物質に「Cobalt dichloride」が含まれていました。このこともあり、塩化コバルト調査が急増したものと思います。

塩化コバルトの用途は、示温顔料、ガラス、陶器の着色、ビールの泡の安定剤、ビタミンB12の原料などに利用されていますが、身近な例ではシリカゲルなどの吸収水分のインジケーターとして利用されています。乾燥時が青、吸湿するとピンクに変化することで、吸湿効果を管理していますが、塩化コバルトがそのインジケーターになっています。
 多くの企業はRoHS指令対応として、特定6物質群を含めて日用品規則の特定アミンなどの製品含有調査を幅広く行い、管理を進めていました。今回のシリカゲルは、セットメーカーにとっては、製品や付属品ではなく、ダンボールなどの包装資材でもなく、昔から多用されて安心し、見過ごしていたものです。
 なお、吸湿インジケーターとして塩化コバルトを使わない有機系インジケーターが開発されて販売もされています。多くのセットメーカーでは代替を完了しています。

このように、企業の化学物質管理は、特定の法律をターゲットに対策をしていると、情報収集が遅れ、対応が後手になることもあり、幅広に対応することが肝要です。
 対応の一助として、次回コラムで、複数の法律が規制する共通化学物質の動向をまとめてみます。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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