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ここが知りたい REACH規則

コラム

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08.07.11

REACH規則で参考になるTSCAの解釈(その1)

REACH規則の対比でアメリカのTSCA(Toxic Substances Control Act:化学物質規制法)が引き合いに出されます。ポリマーの扱い、成形品の解釈などのFAQもあり、REACH規則の各種ガイダンスやFAQと一緒に読むと理解を深めることができます。TSCAの解釈を2回にわたり紹介します。

事例
 ポリマーを構成している2種類のモノマーの比率(75%:25%)が変化した場合の措置

この事例では、製造前登録(PMN)の有無で多少異なってきます。TSCAの基本事項を整理してみます。

1.TSCAのPMN義務と免除要件

TSCA第5条(製造、輸入および加工前の届出)に、TSCAインベントリ(Toxic Substances Control Act Chemical Substances Inventory)に収載されていない化学物質(新規化学物質)を商業目的で製造または輸入する者は、少なくとも90日前までにPMNの提出義務があります。

また、環境保護庁(EPA)長官が重要新規利用であると決定した利用方法を目的とした化学物質の製造、輸入または加工する場合は、少なくとも90日前までに重要新規利用届出(SNUN)の提出義務があります。

EU REACH規則ではポリマーの登録義務がありませんが、TSCAも同様に特別措置が取られています。

TSCAのポリマーに関するPMNは1995年に修正が行われました。ポリマーの定義も、OECDと同じでREACH規則の定義とも一致しています。1995年の修正では、TSCAインベントリに収載されていない物質から製造したポリマーについて、PMNの免除要件が設けられました。

ポリマーに関する要求はCFR 40 Part723.250にあります。

また、新規化学物質がポリマー免除の対象となるかの判断のためのマニュアル(Polymer Exemption Guidance Manual)が公開されました。

Part723.250、マニュアルから関連する留意点をまとめてみます。

Case1:そのポリマーがTSCAインベントリに収録されていればPMNは不要です。また、そのポリマーがTSCAインベントリに収録されているが、そのポリマーの構成モノマーA、Bが未収録である場合は、アメリカ国内では製造できませんが、輸入品についてはPMNは不要です。

Case2:そのポリマーがTSCAインベントリに収録されていないが、そのポリマーの構成モノマーA、Bが収録されている場合です。この場合は、「PMNの免除要件」が適用されます。

詳細はマニュアルを確認していただきたいのですが、ポイントは4つです。
 (1)その物質がポリマーの定義に適合すること
 物質の50%以上が少なくとも3つのモノマーユニットのシーケンスおよび追加的なモノマーユニット、またはほかの反応成分で構成されていなくてはならない。
 ただし、同一分子量のポリマー分子量が50%以上あってはならない。

(2)免除対象から除外される物質
 CFR 40 Part723.250(d)4)に示される一部カチオンポリマーや吸水性ポリマーなどは免除対象要件から除外される(PMNが必要)。

(3)免除対象とならない物質
 炭素が32%未満のポリマー、一定の要件のハロゲンまたはシアノ基を含有する反応成分から製造されるポリマー、生体ポリマーも自動的に免除対象とはならない。

(4)免除クライテリア
 CFR 40 Part723.250(e)1)に示される数平均分子量とオリゴマー含有率基準を満たす。

Case3:そのポリマーがTSCAインベントリに収録されてなく、そのポリマーの構成モノマーA、Bの両方または一つが未収録の場合です。
 CFR 40 Part723.250(d)4)の2%ルール「TSCAインベントリに収録されていないモノマーを2%以上含有する場合は、免除されない。」が適用されます。モノマーA、Bは25%または75%ですから、PMNが要求されます。

2.モノマー比率の変化した場合

ポリマーの定義である50%ルール(モノマーユニットのシーケンス数ごとと3以上の合計)を満たしているかが、モノマーAとBの比率以前に重視されます。50%基準を満たさなくなればポリマーでなくなります。
 モノマー基準は、2%ルールです。AとBは25%、75%ですから2%ルールは事実上関係がありませんが、反応開始剤などが2%を超えると対象になります。主成分以外の濃度の変化に注意する必要があります。
 AとBの比率変化ですが、明確な基準が確認できていません。PMNには次の試験データを添付します。

  1. 物理的化学的性質および環境運命データ
    水溶解度、密度、比重、生物分解や残留性または毒性物質への転換など
  2. 健康影響データ
    変異原生、発がん性、感作性やアレルギーなど
  3. 環境影響データ
    微生物生物検定、魚類急性毒性、生体内蓄積など

これらPMNに記載した事項で、有意な変化が生じる場合は届出が必要と思います。

なお、 その他免除要件などは、種々条件もありますので、CFR 40 Part723.250やマニュアルで確認して判断する必要があります。

このように、REACH規則に少ないポリマーに関する要求があり参考になります。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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