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ここが知りたい REACH規則

コラム

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07.11.02

REACH規則の疑問点「ノーロンガーポリマー」と「ポリマー」

1.「ノーロンガーポリマー」はどこまで?

指令92/32/EEC(指令67/548/EECの第7次修正)で「ポリマー」が定義されました。そのため、新規化学物質の届出制度で届出が不要とされた「ポリマー」の中の、この修正指令でポリマーと見做されないものが出てまいりました。これらは、論理的には届けが必要になりましたが、欧州理事会によりこれらの物質は遡及して届出は不要とされ、これらのが「ノーロンガーポリマー(NLP)」としてリストアップされました。リストアップされたものは、1981年9月18日から1993年10月31日の間に、企業が上市していたとして申請のものを、加盟国の監督機関で審査して決定しています。2007年2月時点のリストが、下記のURLから入手できます。

http://ecb.jrc.it/new-chemicals/no-longer-polymers/

このNLPリストは確定したものではなく、これからも追加される可能性があります。すなわち、REACH規則では、下記に定義されるNLPは段階的導入物質の一つとして、予備登録すれば、登録期限に猶予が与えられることになっています。

REACH規則 第3条 20) 段階的導入物質
「(c)欧州共同体又は1995年1月1日、2004年5月1日に若しくは2007年1月1日に欧州連合に加盟した国において、本規則発効前に製造者又は輸入者により上市された物質で、指令67/548/EECの第8条(1)の第1インデントに従って届出がなされているとみなされるが、本規則に定められたポリマーの定義を満たさないもの(製造者又は輸入者が文書による証拠を持っている場合に限る。)」(環境省仮訳に、2007年1月1日に新加盟国のためのREACH規則の修正提案(7月26日)を追記)。

このREACH規則の定義からすると、奇妙なことに、1981年9月18日から1993年10月31日の間に上市されていたものに加え、REACH発効前(2007年6月1日)に上市したものまで(証拠は必要)、NLPに追加できることになります(ただし、指令67/548/EECでは、EINECSにリストされていないモノマーを2%以上含有するポリマーの届出は必要です)。

他方、登録のガイダンス文書(Guidance on Registration)では、「製造者または輸入者が文書による証拠」としては、「1981年9月18日から1993年10月31日の間に上市されていたことを疑いもなく示せるもの」としています。

段階的導入物質とできるNLPが、REACH発効(2007年6月1日)前に上市していた物質まで含むのか、期間が決められていた1981年9月18日から1993年10月31日の間に上市されていたものだけなのか、判断に迷うところです。

2.「ポリマー」の定義は?

ポリマーは、REACH規則では、指令67/548/EECと同じく、下記のように定義されています。

REACH規則 第3条 5)ポリマー

ポリマーとは、1種類又はそれ以上のモノマー単位の連続により特徴付けられる分子により構成される物質をいう。これらの分子は、その分子量の差が主にモノマー単位の数の差に帰せられる分子量分布を有していなければならない。ポリマーは以下のものからなる。

  • 少なくとも一つの他のモノマー単位又は他の反応物と共有結合している少なくとも三つのモノマー単位を含む分子による単純重量過半数の部分
  • 同一の分子量の分子による単純重量過半数より少ない部分

この定義のbの条件が疑問です。
ガイダンス文書(Guidance for monomers and polymers)の例を下記に示します。

A-(B)n
例1
例2
例3
n=1
0%
40%
5%
n=2
10%
20%
10%
n=3
85%
15%
20%
n=4
5%
12%
30%
n=5
0%
8%
20%
n=6
0%
5%
10%
n=7
0%
0%
5%
合計
100%
100%
100%
A;末端基、B;モノマー、n;繰り返し単位数(重合度)(n≧3;ポリマー成分)

説明によると、例2は、n=1,2の成分が、60%で、定義のaに適合しない、例1は、n=3の成分が85%あるので、定義のbに適合しない、として、ポリマーではないとされています。例3だけが、定義通りなので、ポリマーであると説明されています。

この説明からしますと、例1のようなケースで、nが十分大きい、例えばn=3ではなく、n=100のような場合(例4)でも、ポリマーと定義できません。通常、ポリマーの毒性的な性質があるとすれば、低分子量の含率の高い物の方が大きいと考えらますので、例3よりも例4の方がより安全であると考えられます。

実際的な法規制の中では、これまでの定義で不都合はなかったのかもしれませんが、将来、今の定義のままでは不都合が起こるのではと懸念します。

(担当:林 譲)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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