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ここが知りたい REACH規則

コラム

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07.07.13

REACH規則の認可物質の情報伝達

REACH規則では、きわめて懸念の高い物質(高懸念物質)は認可を受けなければ使用できません。認可の目的は高懸念物質のリスクを適切に管理し、適切な代替物質、代替技術により、経済的かつ技術的に実用な場合に、順次置き換えられるようにすることにあります。

高懸念物質は原則使用禁止ですが、特定の要件を充たす場合に限定して使用が認められるものです。認可を申請する製造業者、輸入業者および川下ユーザーは、代替物質の利用可能性の分析、リスク、経済的や技術的実現性を考慮することが求められます。

認可候補物質リストはANNEX XIVに示されますが、指令67/548/EEC(危険な物質の分類・包装・表示に関する理事会指令)のクライテリアによるCMRs(発がん性、変異原性、生殖毒性)物質、難分解性、生物蓄積性、毒性物質などが特定されます。2006年12月に公布された時点では、ANNEX XIVは空白であり、化学品庁は2009年6月までに最初に勧告し(現時点での見込みでは2008年秋)、以降2年ごと(最初の見直しは2011年6月)に物質追加を勧告する義務があります。

同じクライテリアで特定された物質リストは、指令67/548/EECのANNEX ?に約1,500物質あり、ほぼ同じと見込まれています。

ANNEX ??に特定される認可候補物質は、申請者が次を示さなければ使用できません。

  1. 使用による社会経済的便益が、その物質の使用による人の健康または環境へのリスクより多い。
  2. 適切な代替物質や代替技術がない
  3. そのほか、申請者の名称や詳細な連絡先や使用による人の健康および/または環境に対するリスクを含めたCSR(化学品安全性報告書)など

申請対象物質がほかの申請者により認可されている場合は、CSRや代替物質の経済的、技術的実現性などの情報を先の申請者の許可により引用してもよいとされています。

REACH規則では、高懸念物質、高懸念物質を含有する調剤は、SDS(安全性データシート)により川下ユーザーに伝達する必要があります。SDSは指令67/548/EECや指令1999/45/EC(危険な調剤の分類・包装・表示に関する理事会指令)により伝達されてきましたが、今後も基本は同じであり、表示に関しても指令67/548/EECや指令1999/45/ECによる警句が要求されます。

危険な物質および調剤に起因する固有のリスクの性質を表わすR警句は、R1〜R68および結合警句があります。例えば、次のように表示します(表示は公用語)。

  • R1:乾燥による爆発性のリスク
  • R2:衝撃、摩擦、火気またはそのほかの着火源による爆発のリスク
  • R25:飲み込みによる毒性リスク
  • R45:がんを引き起こすリスク
  • R14/15:水と激しく反応しきわめて燃性の高いガスを放出するリスク
  • R36/37:眼および呼吸器系を刺激するリスク

危険な物質および調剤に関する安全勧告のS警句はS1〜S64および結合警句があり、次のような表示になります(表示は公用語)。

  • S1:施錠して保管すること
  • S2:子供の手の届かないように保管すること
  • S24:皮膚との接触を避けること
  • S30:水を加えてはならない
  • S1/S2:施錠して子供の手の届かないように保管すること
  • S29/35:排水溝に入れないこと、この材料および容器は安全な方法で廃棄すること

そのほか、包装、容器や留め具の要求もあります。

一方、成形品は、指令67/548/EECや指令1999/45/EECによるSDS提供は直接的に要求されません。REACH規則では、成形品は高懸念物質を0.1wt%以上含有する場合は、成形品の受領者に成形品の安全な使用ができるように物質の名称を含む情報を提供しなくてはなりません。

さらに、成形品の場合は、物質や調剤と異なり、高懸念物質を0.1wt%以上含有する場合は、消費者の求めに応じて安全使用情報を提供する義務があります。

成形品の濃度計算は、RoHS指令のように機械的分解した均質物質単位ではなく、成形品全体を分母とします。成形品(製品)は多くの調達した成形品(部品)から構成されています。物質、調剤から成形品を生産した生産者は明確ですが、成形品を組み合わせる成形品生産者の義務はグレーな部分があります。一般的に組み合わせ後の成形品(製品)の濃度は薄まり、消費者に出す情報は途切れる可能性があります。従来の慣習では、セットメーカーは構成部材のどこに何を含有しているかを開示します。川下企業からは高懸念物質を含有している成形品が構成されていないかが問われると思われます。

成形品中の高懸念物質の含有量分析は理論的にはできますが、経済的時間的からは現実的ではありません。川上企業から伝達されるSDS情報を活用することが必要となります。

今後、川上企業からの情報を川下企業に流す必要があり、その情報伝達の信頼性が問われることになります。従来と同様に、川下企業が川上企業に、含有情報を問い合わせることも増えてくると想像されます。サプライチェーンの各企業は、調達する部材と自社工程の化学物質に関する情報を把握し管理する必要があります。

(担当:松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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