EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2007.06.29
REACH規則が2007年6月1日に発効し、フィンランドのヘルシンキに設立された欧州化学品庁(European Chemicals Agency:ECHA)が活動をスタートしました。これに伴い、ECHAのホームページも開設されています。
ECHAは、予備登録や登録業務を行う機関ですが、あわせて、そのウエブサイトで種々の情報を提供することになっています。特に実務上重要なRIP関連の情報のうち、確定したガイダンスを、欧州化学品局(European Chemicals Agency:ECB)のREACH実施プロジェクト(REACH Implementation Project:RIP)のページとリンクさせて、アクセスしやすくしています。
6月18日現在、RIP3.1、RIP3.10、およびRIP2に関連する下記の確定ガイダンスが公開されています。
RIP3.1 登録技術文書の作成関連
RIP3.10 物質の特定と命名についての技術文書関連
REACH-IT関連
特にRIP3.1に関連する登録に関するガイダンスは、取り扱う物質の登録の要否、誰が登録すべきか、登録に必要な情報などを確認するうえで、たいへん有用なガイダンスです。
また、登録はIUCLD5により行われますが、「IUCLIDに関するガイダンス」は2,000ページを超えるマニュアルです。現地で直接登録に携われる方々にとっては、これを使いこなすために、かなりの労力が必要と思われます。
そのほかのガイダンスは今後順次公開されることになっています。ECHAから発表されているスケジュールを次表にまとめてみました。主要なものは今年中に公開される予定になっていますが、すべてが出揃うのは来年2008年になる見込みです。
RIP の分類 | 内容 | 公開予定時期 | |
---|---|---|---|
産業界用 | RIP3.2 | 化学物質安全報告書 (CSR) の作成に関するガイダンス | 2008年初旬 |
RIP3.3 | 物質固有成城の情報要求事項に関するガイダンス | 2007年秋 | |
RIP3.4 | 予備登録手続きに関するガイダンス | 2007年秋 | |
登録時のデータ共有に関するガイダンス | 2007年秋 | ||
RIP3.5 | 川下ユーザーのためのガイダンス | 2007年秋 | |
RIP3.6 | 分類・包装・表示( GHS )に関するガイダンス | 2008年中に 最終ドラフト |
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RIP3.7 | 認可申請書の作成に関するガイダンス | 2007年末 | |
RIP3.8 | 成形品中の物質の要求事項に関するガイダンス | 2007年秋 | |
RIP3.9 | 社会経済分析の実施に関するガイダンス | 2008年中に 最終ドラフト |
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行政用 | RIP4.1/4.2 | 登録文書と物質の評価 に関するガイダンス | 2007年夏 |
RIP4.3/4.5 | 附属書 XIV( 高懸念物質 ) の収載に関するガイダンス | 2007年6月 | |
RIP4.4 | 制限に関する附属書 XV 文書の作成に関するガイダンス | 2007年6月 | |
分類と表示に関する附属書 XV 文書の作成に関するガイダンス | 2007年6月 | ||
高懸念物質( SVHC )に関する附属書 XV 文書の作成に関するガイダンス | 2007年6月 | ||
RIP4.5 | 評価の優先順序付けに関するガイダンス | 2007年秋 最終ドラフト |
(担当:林 譲)
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