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ここが知りたいREACH規則

化学物質情報管理の基礎知識 −ものづくり中小企業にも必須となった化学物質の把握と情報伝達− 本編

自律的マネジメントの推奨

世の中には産業用として10万とも言われる化学物質が存在し、化学物質なしでは企業活動は継続できません。多くの企業にとって情報が乏しい化学物質について、何をすべきかの情報が求められます。この情報が法規制情報で、化学物質は「使用廃止」ではなく「許容された使い方」で利用するものです。

化学物質に関する情報は川上が持っていますので、川下に情報を知らせることが求められています。この「知らせる義務=法規制の順守」ではなく、「当社の製品を購入して頂いたお客さまに製品に含有する化学物質で被害を与えてはならない」と考えるCSR(企業の社会的責任)的な「自律的マネジメント」へとその意識を高めると、法規制の変化に翻弄されなくなります。

一方、制約条件もあります。情報伝達では情報の信頼性が重要になります。従来は、特定化学物質の非含有・含有情報の確証データとして分析試験データが要求されていました。
リスクを評価することで、測定データだけでなく各種のサプライヤー提供情報に頼る考え方がEN50581に示されています。ただ、リスク評価や管理には何をすればよいかの基準値はありません。

日本の伝統的な製造力として「品質は工程で作り込む」いう考え方があり、製品仕様のすべてを出荷時に測定していません。現在では検査で品質を管理するから、品質は仕組みで保証する考え方が変わっています。
含有化学物質を製品仕様として捉え、リスク管理を品質保証と考えると自社に対応させるための知恵が出てきます。この考え方によるサプライヤーとの連携、自社品質システムの見直しのガイドが調査報告書とともに公開されています。

古い諺の「帯に短し、襷に長し」のように、情報伝達スキームも各社にとっては、自社方式に合わない部分が多々あると思います。安心・安全製品の提供の理念を理解して皆で知恵を出し合い、また新スキームを目的化するのではなく、経営力向上のためのツールとして捉えることが重要です。これはサプライチェーンの海外展開などを見すえるとき、日本製品の差別化力にもつながります

(松浦 徹也)

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