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ここが知りたいREACH規則

化学物質情報管理の基礎知識 −ものづくり中小企業にも必須となった化学物質の把握と情報伝達− 本編

EU RoHS指令の要求の基本

EU RoHS指令は「RoHS(Ⅱ)指令」「RoHS2指令」などと記述されますが、2011年に大改正されましたので「(Ⅱ)」や「2」とマークしています。RoHS指令は「直流1,500V以下、交流1,000V以下で稼働するすべての電気電子機器」に対して「特定有害物質を非含有」にすることを求め、確認のために「CEマーキング」を要求しています。
すべての電気電子機器が対象ですが、11のカテゴリに分けられ、カテゴリにより段階的に適用時期が決められています。過半のカテゴリは適用されていますが、以下は未適用です。

体外診断機器(指令98/79/EC) 2016年7月22日 施行
産業用監視制御機器 2017年7月22日 施行
その他の機器 2019年7月22日 施行

特定有害物質は、2006年以来以下の6物質です。

物質 最大許容濃度
1 0.1%  1,000ppm
2 水銀 0.1%  1,000ppm
3 カドミウム 0.01%  100ppm
4 六価クロム 0.1%  1,000ppm
5 PBB 0.1%  1,000ppm
6 PBDE 0.1%  1,000ppm

その6物質に加えて以下の4物質が追加予定になっています。

HBCDD ヘキサブロモシクロドデカン類
DEHP フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) CAS 117-81-7
DBP フタル酸ジブチル CAS 84-74-2
BBP フタル酸ブチルベンジル CAS 85-68-7

特定有害物質の追加は2014年7月22日を最初とし、以降は定期的にREACH規則の動向などを踏まえながら見直すとされています。特定有害物質の追加はさまざまな影響がありますので、調査研究が事前に行われインターネットコンサルテーションも実施されます。
2014年8月6日にOeko-Institut(ドイツの調査・研究所)から制限物(特定有害物質)に関する調査報告書が公開されました。

この中で優先的に特定有害物質として取り組むべき物質を6段階に分けて20物質を報告しています。
第1優先物質(Highest priority)のなかでは化学物質のフタル酸ジイソブチル(DIBP)がすでに追加のための手続きが始まったようです。
今後は追加が次々と実施される可能性があります。

なお、化学物質のヘキサブロモシクロドデカン〔HBCD(D)〕は2013年にPoPs条約(難分解性、高蓄積性、長距離移動性、有害性のある化学物質のPoPsを規制した条約)を持つ物質の付属書A(製造・使用、輸出入の原則禁止)に収載されたことでEU PoPs規則に収載されますので、RoHS指令で規制する必然性がないといわれています。

調達した部品や材料に特定化学物質が含有していないことの確認は、RoHS指令では「EU官報にて通達された整合規格(EN50581)により、第4条規定の順守(非含有)を確認するための試験もしくは対応がされた、もしくは評価がされた原料」としています。即ち、非含有確認はサプライヤーの順法情報(法律に順じた情報)によるとしています。
EN50581(特定有害物質の含有制限に適合していることをCEマーキングで実施するための規格)は、サプライヤーの信頼性と調達する部品や材料に特定化学物質が含有する可能性からリスクを考慮して、「サプライヤー宣言書」「契約上の合意」「材料宣言書」「分析試験結果」などの文書を選択して確証データ(エビデンス)とすることを要求しています。これらの判断は、情報伝達を要求する文書の選択を日本企業にとっては新たな考え方のリスク評価に依ることになります。

REACH規則の要求である高懸念物質として特定されたSVHC(高懸念物質=人の健康および環境に対して非常に高い懸念のある物質)の製品への含有確認も、対象物質が2014年8月時点で155物質と多く、さらに半年ごとに追加されますのでRoHS指令と同様にこの対応も苦慮します。
また、EU以外でも韓国、ベトナム、タイ、インドなどでも同様の規制をしており、中国RoHS管理規則ではCEマーキングに類似した「企業の適合性声明規範」も新たに導入されるなどの変化があります。

(松浦 徹也)

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