ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

日本 労働安全衛生法

労働安全衛生法は、「労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成と促進」を目的とする法律です。
 このうち、化学物質管理に関しては、職場で使用される化学物質に起因する労働災害を防止するため、化学物質をいくつかに区分し、区分に応じて各種の化学物質管理を事業場に求める内容となっています。

1. 製造等禁止(第55条)

労働者に重度の健康障害が生じることが明らかであり、また職場で十分な防止対策がない「黄燐マッチ」や「石綿」など、政令で指定された8物質については、国内での製造・輸入、譲渡提供、使用が禁止されています。

2. 製造等許可(第56条)

特に有害性が高く、労働者に重度の健康障害が生じる恐れがある「ジクロルベンジジン」や「塩素化ビフェニル(PCB)」など、政令で指定された7物質については、国内で製造する場合には、事前に厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。
 また、譲渡提供時や取扱い時には、ラベル表示やSDSの交付、リスクアセスメントの実施なども義務付けられています。

3. 特別規則

職場での健康障害が多く発生している化学物質に対しては、労働安全衛生法に基づく特別規則が定められています。特別規則には次の4つの規則があり、特別規則の対象物質を対象業務で取り扱う場合には、密閉設備や局所排気装置などの設置、作業環境測定、特殊健康診断、作業主任者の選任、各種掲示、保護具の使用など各特別規則に基づく管理が求められます。

  • 有機溶剤中毒予防規則
  • 特定化学物質等障害予防規則
  • 四アルキル鉛中毒予防規則
  • 鉛中毒予防規則

また、譲渡提供時や取扱い時には、ラベル表示やSDSの交付、リスクアセスメントの実施等も義務付けられています。

4. ラベル・SDS・リスクアセスメントの義務(第57条1~3)

職場において労働者に危険や健康障害が生ずる恐れのある化学物質として政令で指定されている物質に対して、譲渡・提供時におけるラベル表示やSDSの交付、取扱い時におけるリスクアセスメントが義務付けられています。

化学物質等の譲渡・提供者は、ラベル・SDSによって化学物質の危険有害性や安全な取扱いに関する情報などを化学品の使用者に伝達することが求められています。ラベル・SDSは国連GHSに基づく日本の工業規格であるJIS Z7252(GHSに基づく化学品の分類方法)およびJIS Z 7253(GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法―ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS))に基づいて作成すれば、労働安全衛生法の要件を満たす内容となります。

また、ラベル・SDSを受け取った化学物質などの取扱者は、職場で取り扱っている化学物質などのもつ危険性や有害性を特定し、その危険性や有害性による労働者への危険または健康障害を生じる恐れの程度を見積もり、リスクの低減対策を検討する「リスクアセスメント」を実施することが義務付けられています。

なお、ラベル・SDS・リスクアセスメントは政令で指定された化学物質について義務化されていますが、政令で指定されていない化学物質であっても、JIS Z7252に基づき分類した結果、何らかの危険有害性に該当する場合には、努力義務として実施するよう努めることが定められています。

5. 新規化学物質の届出(第57条4)

新規化学物質(政令で定める既存化学物質以外の化学物質)を年間100kg超製造・輸入する場合には、事前に有害性の調査を行い、新規化学物質の名称や有害性調査結果等を届出しなければなりません。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

関連リンク