ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
システム2019.04.01
Q1329. ラズベリーパイのIoT活用事例を教えてください。

 金属加工業です。時代に取り残されないように、工場のIoT化に取り組もうと考えています。ラズベリーパイという超小型コンピューターを使えば、低コストでIoT化を図れると聞きました。ラズベリーパイの概要と、活用事例を教えてください。

A.

 ラズベリーパイは、簡単に説明すると「手のひらサイズで非常に安価なコンピューター」です。2012年に登場した最初のモデルは教育用途を想定していましたが、エンジニアの間で評判となり、様々な用途で使われるようになりました。本体価格が約5,000円と安価であるため、中小企業のIoT用途でも活用されています。

【ラズベリーパイの概要】

ラズベリーパイは、ほぼ名刺大の基盤上に、コンピューターとして必要な機能を凝縮しています。ハードディスクのような内部記憶装置は無く、記憶装置としてSDカードを使います。オペレーティングシステム(OS)も、SDカードへ格納します。
 ラズベリーパイのOSは、サーバーで多く使われているLinuxベースのものが多く、機器組み込み用WindowsであるWindows 10 IoTも、ラズベリーパイ上で動作します。最大の特徴は、GPIOという、外部機器の状態読み取りや制御に使える端子が付いていることです。このGPIOと外部機器をつなげることで、IoTの第1歩である「つなげる」ことが可能となります。GPIOにはアナログセンサーもつなぐことができますので、古い機械でもIoT化が可能となります。

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【ラズベリーパイの活用事例】

IoTの基本は、「つなげる」→「集める」→「活用する」です。ラズベリーパイは、外部機器と容易に「つなげる」ことができ、データを「集め」、分析することで改善に「活用」できます。

(1) 工作機械のカウント表示信号から加工ペースを分析

A社は、工作機械とラズベリーパイをつなげ、時系列の生産実績データを収集し、業務改善に活用しています。
 A社の工作機械には生産数を表示するモニターが付いています。このモニターは、シーケンサという機械で制御されています。このシーケンサとラズベリーパイのGPIOをつなげ、信号が変化した日付時刻をCSVファイルに出力するようにしました。CSVファイルは定期的にクラウド上にアップロードするので、工場外からでも加工ペースが確認できます。加工ペースのバラツキから問題点を見つけ、業務改善を実現しています。

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(2) 古い機械もセンサーをつなげて情報収集

B社は、30年ほど前に導入した古い機械をラズベリーパイにつなげることで、IoT化を実現しました。
 下図のように、機械の電源ケーブルを包み込む形で、交流電流センサーを装着しました。機械が動いている時は電流が流れるので、センサーで稼動状態を検知するためです。しかし、交流電流センサーが出すアナログ信号は、そのままではラズベリーパイにつなげません。そこで、ADコンバーターを介し、アナログ信号をデジタル信号へ変換することで、ラズベリーパイとの接続を実現しました。

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【ラズベリーパイ導入時の注意点】

以上のように、非常に手軽にIoT化が実現できるラズベリーパイですが、導入にあたっては、次の点に注意してください。

(1) セキュリティ対策

IoT機器を狙ったサイバー攻撃が急増しています。ラズベリーパイ導入時には、次のような対策は必須です。
 ① 特権ユーザーのパスワード複雑化と定期的な変更
 ② インストール時に有効になっているユーザー(pi)の削除
 ③ 遠隔地からコマンド操作する際の通信番号(SSHポート)変更

(2) バックアップ機の用意

本記事中では、基盤がむき出しの状態のラズベリーパイの写真を使いましたが、実際には筐体ケースでの保護が必要です。筐体ケースで保護しても、耐久性が強いとは言えないので、運用中に故障や破損が発生することが考えられます。そのような時のために、同じ機能のバックアップ機を用意しておくと、業務への影響を最小限に抑えることができます。

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