ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
労務一般2019.02.14
Q1322. 健康経営について教えてください。

 健康経営についてよく見聞きします。当社はここ30年ほど小さな雑貨屋を営んでいます。従業員の健康診断は必ず行っていますがそれだけでは駄目でしょうか?

A.

 健康経営とは従業員の健康を維持・増進してゆくことが会社にとってプラスに働くとの考えで、総合的に、かつ戦略的に取り組もうとする考え方です。健康経営は、従業員をかけがえのない「資産」として考え、従業員の健康を維持・増進することを「投資」ととらえます。

健康経営とは従業員の健康を維持・増進してゆくことが会社にとって大きくプラスに働くとの考えで、総合的に、かつ戦略的に取り組もうとする考え方です。法律に定められた義務だからとか行政の指導だからやむなく行うということではなく、むしろ、企業としての能動的な取り組みとして従業員の健康を考えようということです。本来は、高齢従業員の割合が比較的大きい中小企業においてこそ、健康経営についてより積極的な取り組みが望まれます。では、具体的にどのように取り組めばよいのでしょうか。

<第一ステップ>

経営者としての考え方をきちんと整理し、とらえ直すことです。具体的な考え方として、健康経営は従業員をかけがえのない「資産」として考えるところから出発します。そして従業員の健康を維持・増進することが「投資」であるととらえます。それがまず健康経営に取り組む第一歩となります。

<第二ステップ>

そのうえで、経営者にとって最も大切な健康経営に対する取り組みは、自らが預かる企業組織が健全であるか否かということを常に意識することです。組織が健全であるかどうかはいろいろな計り方がありますが、健康経営の視点で見てみます。
 例えば、ほとんどの従業員が連日連夜にわたり過重な長時間労働を強いられているような職場であるとか、育児休暇や介護休暇はもとより年次休暇すらほとんど取得できないような職場、さらにセクハラは論外として、上司が部下を毎日のように罵倒したりしているようなパワーハラスメントが横行しているような職場が仮に存在しているとしたら、それは病んでいる職場と言えます。このような健全でなく病んだ職場で働く従業員が仮にいるとすれば、心身の状態を含めてそのまま健康でいられるはずがありません。
 経営者は職場の状況を点検したうえで組織の健全性を確保することが常に求められます。

<第三ステップ>

健康経営に取り組むための会社の中の体制やそれぞれの役割を定めます。 つまり、健康経営を企業・組織全体の課題と位置づけ会社全体として取り組む体制をつくることです。そのために次の役割を設定します。

  • 経営者:コンプライアンスを踏まえたうえで従業員の健康づくりを会社の役割ととらえて組織の健康と従業員の健康との両立を図る。
  • 管理職:経営者の考えに基づき、各職場における環境整備と従業員の健康づくりの具体策を遂行する。
  • 従業員:健康な状態で業務を遂行するため自らを律し、健康経営の実践と健康保持に努める。
    産業保健スタッフ:会社が健康経営を進めるにあたり専門的な見地でのアドバイスを行う。

<第四ステップ>

ここでは、健康経営を実践してゆくための具体的アイテムについて述べます。

  • 従業員の健康課題の把握
    そのためには健康診断の受診率が100%となるよう取り組みます。また2014年に法改正がなされましたが、ストレスチェックへの取り組みも忘れてはいけません。
  • 健康増進に向けた対策の検討
    従業員の現状を把握・分析したうえで優先度の高い課題やテーマを見出し、適切な計画を立案します。特にここでは過重労働対策に関する項目を見逃さないようにし、1次予防として労働時間の適正化により、過度の時間外労働を生じさせないような計画の取りまとめが大切です。あわせて、年次有給休暇取得状況についてもきちんと把握します。
  • 健康経営の土台作り
    ここで重要なのがワーク・ライフ・バランスの推進と職場の活性化への取り組みです。
    ワーク・ライフ・バランスの実態を見る場合の目安は、年間総労働時間と年次有給休暇取得の状況です。

このように健康経営は全社的な取り組みとなりますが、大切なことはできるところから、一歩一歩前に進めてゆくことです。

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