ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
教育・能力アップ2019.02.07
Q1321. 定年後の高齢従業員にいきいきと働いてもらうにはどうしたらよいですか?

 従業員50人のプレス部品の下請け会社です。高齢従業員を何人か雇用していますが、特に定年を迎えた従業員について今ひとつ働きが悪くなってきています。今までのように生き生きと働いてもらいたいと思っているのですが・・・。

A.

 大切なことは定年を迎えた従業員を含め高齢従業員を会社の大切な一員として位置づけてそれぞれにふさわしい役割を与えることです。また、きちんと努力した場合はそれに対して評価することも大切なことであり、そうしたことが励みにもなり働く意欲にもつながります。機会をみて話を聞いたり意見を述べたりするなどの面談の機会を設けるのも効果的です。

平成25年4月に高年齢者雇用安定法が改正され、いずれの企業も従業員が希望すれば65歳まで働き続けられるよう措置を講ずることが義務付けされました。
 65歳までの雇用の場が確保されたことは高齢従業員にとって喜ばしいことではありますが、一方で意に沿わないところがあるのか、会社の期待に応えられていない場合があることも事実です。
 この要因はいくつかあります。それは給与をはじめとする処遇の問題や定年後の仕事の内容、多くの管理職において定年後はその任を解かれてしまうことや職場において得も言われない疎外感を味わっているケースなど多岐にわたります。ここでは、このような場合における一般的な取り組みについてお話しいたします。

<職場での働きがい生きがいを感じる要件>

労務管理などで従業員が働きがいや生きがいを感じる要件としてよく言われるのは、次の3要件です。

  • 職場において自分自身の明確な役割や目標があること
  • 業務を遂行するにあたって労すれば報われる仕組みがあること
  • 楽しみや苦労などを分かち合える職場の仲間が身近にいること

これにならってどうしたら定年後の従業員がいきいきと働いてもらうことができるか考えてみたいと思います。

<高齢従業員の役割の明示>

ここで重要なのは経営トップとしての高齢者雇用に関する考え方です。
 高齢従業員の雇用について法令で義務付けされているので仕方なく働いてもらっているという考え方であれば即刻改める必要があります。高齢従業員はそれまでの会社生活で得られた知識や経験、技術や技能などさらには営業職にあっては豊富な人脈や折衝能力など若手従業員が追いつかない能力を有しています。こうした点をまずきちんと評価し認めることが出発点となります。
 そして高齢従業員の果たすべき役割をきちんと設定し全社的に明示することです。
 最も大切なことは、高齢従業員を会社の大切な一員として位置づけ、それぞれにふさわしい役割を与えることです。

<労すれば報われる仕組みとする>

多くの企業で定年後の給与水準がそれまでの6割程度で、継続雇用後はそのまま一定額を支給するというケースがみられます。この場合は成績評価が行われていないことも多く、定年時点で一度決まった給与がそのまま5年間維持されるわけです。
 一所懸命働いても働かなくても同じということになりますと、人はどうしても易きに流されてしまいます。あわせて何となく会社から見放されたような意識を抱きがちになります。
 きちんと努力した場合は、それに対して評価することが大切なことであり、そうしたことが励みにもなり働く意欲にもつながります。もちろん、評価結果をどのように使うかということも考えなければいけないところです。
 成績評価を行うもう一つの効果は、「高齢従業員に対して会社は常に見ていますよ」というメッセージを与えていることです。
 これは監視するとかチェックするということではなく、ともすれば会社から「見放された感」を伴いがちな定年後の高齢者従業員にあって、「いつでも会社は共にあって寄り添っていますよ」ということを感じてもらい、会社との繋がり感を醸成することになります。

<職場での仲間意識の醸成>

多くの高齢従業員にとって定年というのは大きな分かれ目であり、それまでの職場の人間関係を含めて何かが変わってしまった意識をもってしまいます。また、逆に周りの職場の人間にとっても一歩距離を置いた気持ちになってしまったりします。こうした状態が長く続いてくるとその距離感が徐々に開いてきて高齢従業員の側に何とない疎外感が出てきてしまいます。
 それが極端に表れると高齢従業員にとって職場での居場所の喪失にもつながってしまいます。高齢従業員に居場所があるということは高齢従業員の働きがいや生きがいに直結する最も大切なことです。とりわけ、職場の管理職の意識の置き方として高齢従業員を職場の一員としてきちんと位置付け、機会をみて話を聞いたり意見を述べたりする面談の場を設けていただきたいと思います。
 しかしながら、ここで大切なことは特別扱い無用ということです。高齢従業員も他の職員と同じように接するということです。それが成立するような職場のあり方こそが、最も望ましい職場環境といえるでしょう。

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