ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
インターネット一般2019.01.10
Q1317. IoTに新たに投資をすることで、どのような効果が期待できますか。

 自動車メンテナンス部品の中小製造業です。昨今、IoT導入を謳ったセミナーや研究会が盛んです。当社はすでに工作機械の稼働データ収集のシステムをもっていますが、新たに投資をすることでどのような効果が期待できるのでしょうか。

A.

 デジタル技術が急速に進展し、ビジネスや日常のあらゆる場面で大きな変革をもたらしています。特にIoTは事業変革の有効な手段として、事業規模を問わず中小企業者から高い関心が寄せられています。
 IoT活用にあたっては、その基本機能を活用して製造現場の身近な課題を解決する視点とともに、常に導入の目的と期待効果を意識して取り組むことが大切です。

【IoTによる現場の改善】

IoTに関する情報は、書籍やインターネット、セミナーなどで容易に得られるようになってきましたが、現場レベルでどのようにIoTを導入・活用したらよいかは、なかなか理解できないことも多いと思われます。
 実際にIoTを導入・推進するにはまず、IoTの基本機能を活用して製造現場の身近な問題を解決するという視点で検討することが大切です。IoTの基本機能とは、「つなげる」、「データを収集する」、「監視する」などです。IoTを活用すれば、中小企業の製造現場や旧式の設備が稼働している工場でも、設備の入れ替えをせずに最小の投資で改善が可能です。

【IoT導入・活用の注意点】

IoTの導入・活用においては、「何を実施するか」ではなく、「何のために実施するのか」を常に考えなければなりません。「機器をつなぐ」ことや「データを蓄積する」にとらわれている製造現場のIoT推進担当者をよく見かけますが、手段への興味ばかりが先行してしまうと、その目的を忘れてしまい、最終的な成果に結びつけることができません。

【IoTの活用目的と手段】

以下に、製造業のIoT活用の目的とその手段を整理します。

1. IoTの活用目的

(1)生産の効率化、(2)設備管理の効率化、(3)原価低減、(4)設備稼働状況の把握・記録、(5)設備の異常検知、(6)設備の予知保全、(7)生産リードタイムの短縮、(8)自動化技術の導入、(9)品質レベルアップ、(10)段取り時間の短縮、(11)前工程遅れの把握と防止、(12)不良品発生の防止 など

2. IoTの手段

(1)センサー、(2)カメラ、(3)デバイス、(4)通信、(5)生産システム、(6)ロボット、(7)スマートフォン/タブレット端末、(8)シミュレーション、(9)ウェアラブルデバイス、(10)VR/AR、(11)アプリケーション、(12)ビッグデータ、(13)人工知能(AI)、(14)クラウド、(15)ドローン、(16)3Dスキャン、(17)3Dプリンター、(18)小型ボードコンピュータ、(19)ICタグなど

【IoTの期待効果】

IoT機器の選定にあたっては、導入・利用業務を設定し、IoTシステムを導入することでどのような効果が得られるかを明らかにすることが大切です。以下に、IoTの期待効果を整理します。
 (1)記録・集計の自動化、(2)インプットの省力化・自動化、(3)データの正確性(データの転記もれ、計算ミス等)、(4)多品種・少量生産への対応性向上、(5)異常へのオンタイム対応(品質、設備故障、納期、在庫など)、(6)熟練者判断業務の省力化、(7)予防、事前対応など

【設備保全とセンサー】

製造業のIoTシステム成功事例は数多くありますが、典型的なものは「設備の保守を、センサーの活用によって効率化した事例」です。電流や振動、熱、においなどをセンサーで計測することで、設備故障の予兆を判断できます。これにより、故障する前に部品を交換し、生産が停止することを回避できるのです。
 また、従来は機械を構成する部品やユニットの耐用年数は余裕をもって設定していましたが、IoTのリアルタイム保守によって適正な耐用年数の設定が可能となり、過剰な設備投資を抑えられるため、コスト削減が期待できます。
 さらに、ベテランの保守担当者の経験に基づく「勘」に頼った保守作業から脱却することができます。このように、機械から取得したデータに基づく判断や改善を積み重ねることは、人材育成などにも効果が期待できます。

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