ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
労務一般2018.12.27
Q1315. 長時間労働の是正には、どのように取り組めばよいですか?

 当社は広告制作会社です。「働き方改革」が叫ばれる中、当社でも長時間労働の是正に取り組もうと思っています。しかし、何からどのように取り組めばよいのか、よくわかりません。具体的な取組み施策の事例も含めて、進め方を教えてください。

A.

 労働者の事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現させる改革が「働き方改革」です。その主な取組みの一つが「長時間労働の是正」です。働きすぎを防止しながら、仕事と生活の調和が取れる働き方を実現させるものです。取組みのポイントは、意識改革から始めることです。

【取組みのための意識改革】

長時間労働の是正は、一時的な効果に終わらせないよう、会社全体に根付かせることが重要です。したがって、取組みの最初に、まずはその意識を高めることが必要です。

(1)経営トップの意識

経営トップ自身の意識を高めるためには、長時間労働の是正に取組む目的を明確にし、その長時間労働の是正が図られることにより、会社や社員がその先どうなってもらいたいかの「ありたい姿」を具体的表現にして、全社員に向けて自らの言葉で明示することです。さらに、経営トップが率先して自身の意識改革を行い、管理職や一般社員の意識改革の動機づけとすることが必要です。

(2)管理職の意識

次に、経営トップが全社員に明示し動機づけを促しても、管理職の意識が実際に変わらなければ社員にもその意識は浸透しません。管理職向けの意識啓発研修を実施し、管理者自身の働き方改革や、部下の働き方に対するマネジメントについてしっかりと教育を受けさせることです。その上で、自ら定時退社するなどの具体的行動を部下に示すことにより、部下の認識を深めさせることが可能となります。

(3)一般社員の意識

いわゆる「ダラダラ残業」をしがちな社員も存在することから、社員の意識改革に対しては、長時間労働がもたらす健康障害などのデメリットや仕事の時間と仕事以外の時間のどちらも充実することによるメリット、また業務効率や労働生産性向上についての教育研修を実施することが効果的です。

【具体的な取組み施策】

では、具体的にどのような取組み施策があるのかをご紹介します。

(1)時間外労働の削減

「ノー残業デー」の設定や「残業の申告制度」は比較的導入しやすいですが、それだけでは効果は上がりません。例えば、ノー残業にするためには、「業務効率化」を図るためにできることを社員一人ひとり、また部署単位で考えさせます。残業申告制度については、上司が時間外労働削減のためのヒントやアドバイスを、申告される都度、部下に返すことが効果を上げるポイントとなります。

(2)「勤務間インターバル制度」の導入

勤務の終業時間と次の始業時間の間を一定時間以上設けることにより、休息時間を確保する一方で、業務の効率化を図ろうと社員も自ずと努力することになるため、実質的に労働時間を短縮させるという制度です。
 たとえば、10時間の勤務間インターバルを導入している場合、仮に深夜0時まで残業させた時、通常の始業が9時であっても、翌日の始業は10時に変更となります。この制度は、生活時間や睡眠時間を確保させることによる過重労働の防止を図ることもできます。

(3)年次有給休暇の取得促進

有給休暇の取得推進により、年間の総労働時間の削減が見込めます。ただし、取得促進には取得しやすい職場環境の形成が必要です。それには、計画的付与制度の導入が有効です。たとえば、夏季・冬季休暇の前後1日や、土日祝日に挟まれた平日を労使協定であらかじめ有給休暇として指定しておくことで取得させる仕組みです。

(4)テレワーク

テレワークは、出社せず、自宅やサテライトオフィスなどの事業場外で勤務するというものです。これは、働く時間や場所に制約のある人にとって、通勤負担の軽減や合間時間の有効活用ができ、仕事と生活の調和を可能にし得る制度です。
 また、制約のない人にとっても、週1日でも利用ができれば同様のメリットを受け、負担軽減された結果、労働生産性の向上につながることが期待できます。

(5)その他

業務効率のためのIT機器・設備の導入や、効率的に仕事を進めた社員が評価される仕組みの構築など、仕事の効率を上げる施策が考えられます。

以上のとおり、最初に意識改革を行ってから具体的な施策を実行すれば、長時間労働の是正を図ることが可能です。さらに、取組みを経営課題のひとつと位置付けたうえで、業務効率を上げるための能力開発といった社員教育の実施も、より効果的な結果に繋げることができます。

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