ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
資金調達2018.12.20
Q1314. 債務超過でも融資を受けられる「事業性評価融資」について教えてください。

 創業30年の鈑金工場を経営しています。20年前に取得した土地などの資産が少しありますが、昨年、債務超過になってしまいました。同業者から、債務超過でも事業性の評価によって融資が受けられると聞きましたが、「事業性評価融資」とはどのようなものかを教えてください。

A.

 「事業性評価融資」とは、決算内容などの財務データや信用保証協会の保証・担保ありきの融資ではなく、企業の事業内容や将来の成長可能性などの評価に基づいて行う融資のことです。事業計画書の策定が必須です。

【事業性評価融資とは】

「事業性評価融資」とは、決算内容などの財務データや信用保証協会の保証・担保ありきの融資ではなく、企業の事業内容や将来の成長可能性などの評価に基づいて行う融資のことです。
 金融庁が平成26年(2014年)9月の「金融モニタリング基本方針」の中で「事業性評価」という方針を示し、金融機関に対して従来の定量評価(財務データなどの数値評価)を中心とした融資方針からの転換を促したことが背景にあります。
 しかし、平成28年5月の「地域金融機関に期待される役割(金融庁)」の中では、地域の中小企業などからは依然として「金融機関の対応は何も変わっていない」「相変わらず担保・保証に依存している」といった厳しい意見が多く聞かれる、という実態を公表しています。
 一方、事業性評価融資に前向きに取り組む金融機関も徐々に増えてきています。

【事業性評価融資を利用するために】

従来は、「債務超過」「2期連続赤字」などの状況下における融資は、厳しい面がありました。しかし、事業性評価融資の場合、このような企業であっても、事業の将来性を訴求し、その実現可能性を理解してもらうことができれば、融資の可能性があります。そのためには、過去の経営実態は厳しくても、足元の業績は回復傾向にあることを示す必要があります。
 ただし、経営改善に取り組んでいるものの、依然として赤字体質で、債務超過解消の見込みがない企業に対して金融機関が融資をする可能性は、かなり低いと思われます。そのため、経営改善効果が見られない場合には、現在の計画そのものを見直す必要があるかもしれません。

【何を訴求するのか】

業績悪化で資金調達に苦労している企業が、金融機関に対し、自社の将来性について決算書と口頭だけで説明しても、融資してもらうのが難しいことはご理解いただけると思います。
 「今までは〇〇が原因で状況が悪かったけれど、□□の対策をとっていくので、足元と将来の状況は良くなります。そのために、△△円の資金調達が必要です」といった内容が第三者でも理解できる事業計画を策定し、丁寧に説明する必要があります。
 具体的には、(1)自社(製品・サービス)の市場における優位性などの強みや弱み、(2)市場環境、(3)競合環境、(4)今後の取組み、などを計画に盛り込みます。特に、企業が有する技術、ノウハウ、人材、顧客などの知的資産(強み)は企業の質や企業価値を高め、競争力の源泉となるため、よく整理してアピールしましょう。

金融機関が債務超過企業に対し、簡単に融資をすることはありません。企業は、債務超過に陥った要因・課題を把握し、課題解決に向けた実現可能性を示すことが必要です。
 金融機関に将来性を評価してもらえれば、債務超過でもプロパーで融資してもらえる(信用保証協会などを利用せずに、100%銀行のリスクで直接企業に融資を行う)可能性があります。お近くの地域の信用金庫などに相談してみましょう。

【DDS(Debt Debt Swap)の活用】

債務超過で返済が厳しくなった場合に「DDS((Debt Debt Swap)=資本性借入金)の活用が考えられます。DDSは、金融機関が既存の貸出債権をほかの一般債権よりも返済順位の低い「劣後ローン」に切り替える手法で、資本とみなすことができます。債務超過額を削減することで、事業性評価融資が受けやすくなります。

図1:経営理念、ミッション、ビジョンのイメージ

図1:経営理念、ミッション、ビジョンのイメージ

上記の図は、DDS(Debt Debt Swap)を用いて債務超過額を圧縮した後に、新規の借入を実現した方法です。
 具体的には、(1)取引行協調でのDDSによる支援、(2)DDS後の残債をリファイナンスして元金返済の猶予を受けた後に、(3)設備資金を新規に調達、といったことを実現しています。
 これは、将来性を評価してもらえたからこそ、地域金融機関に協力してもらえた事例です。自社単独での計画策定などが難しい場合は、専門家へご相談ください。

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