ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
経営ビジョン・相談2018.12.13
Q1313. 経営理念とミッション、ビジョンの違いを教えてください。

 父が経営している創業20年のコンサルティング会社を事業承継することになりました。同業の先輩経営者から経営理念とミッション、ビジョンはどうなっているのかと聞かれましたが、明確に答えることができませんでした。それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

A.

 明確な定義があるわけではありませんが、「自社の経営をどのように考えるか」が経営理念です。また、「自社が(目的地に)何のために向かっているのか」がミッション、「自社が具体的にどこへ向かっているのか」がビジョン、と考えることができます。

経営理念とミッション、ビジョンについて、一般的に明確な定義が存在しているわけではありませんが、下記のように整理することができます。

【経営理念】

経営理念とは、何のために企業経営しているのかといった「企業の存在意義や経営の目的」を明確にする基本となる社長の考えや想い(信条)のことです。社長が企業経営で目指している世界観であり、経営活動を行っていくための行動哲学とも言えます。
 経営理念は、創業者が考えた会社固有の価値観や企業経営における価値基準、判断基準、行動基準を包含し、後継社長に引き継がれます。時代に合わなくなってきた場合には、見直すことも必要となります。
 米国のトータルヘルスケアカンパニーとして有名なジョンソン・エンド・ジョンソンは過去に改訂を行い、「CSR(企業の社会的責任)と環境問題」「環境と資源保護」などの文言を追加するなど、理念の見直しを行っています。
 一方、100年以上にわたって創業者の想いを承継している有名な上場会社もありますが、経営理念がない場合には、企業を承継した社長が作成することもあります。
 見方を変えると、経営理念はお客さま、従業員、その他ステークホルダー(利害関係者)や社会に対しての宣言であり、約束ですから、日々の経営の中で実践していかなければなりません。たとえば、食品を取り扱う会社が「安全・安心な食品の提供でお客さまの健康増進に寄与する」と明文化しているのに、自社の利益を増やすために食品偽装をすることはナンセンスです。当然、利益よりも理念を優先すべきです。
 経営理念を策定することは重要ですが、実践しなくては意味がないことに留意が必要です。

【ミッション】

ミッションとは、「企業が何のために存在しているのか、どのような価値を提供する存在なのか」といった、企業が存在している目的や社会に対して果たしたい役割、使命のことを言います。具体的には、「コンサルティングを通して、活力ある笑顔溢れる会社を増やすことが当社の使命です」のように明文化します。

【ビジョン】

ビジョン(経営ビジョン)とは、企業が目指す「こうありたい」、「こうあるべき」といった未来像を言葉にしたもので、ミッションが実現した姿のことです。表現方法はさまざまですが、どのような形であれ、自社の目指すべき未来像が表現できればよいと思います。
 具体的には、「社長の右腕として、信頼されるパートナー・コンサルティング会社となります」、などがあげられるでしょう。

改めて整理すると、図1のとおり、「自社の経営をどのように考えるか」が経営理念、「自社が(目的地に)何のために向かっているのか」を示したものがミッション「自社が具体的にどこへ向かっているのか」を示したものがビジョン、と考えることができます。

図1:経営理念、ミッション、ビジョンのイメージ

経営理念は経営の判断基準であり、社内のよりどころとなる考えです。じっくりと現社長の考えを聞き、言語化しておくことをお勧めします。

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