ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2018.11.30
Q1311. ボイラーで発生させた蒸気を生産設備で使用しています。生産設備で蒸気を使用した際に生じるドレンを有効利用するにはどのようにしたらよいですか。

A.

 ドレンは高温の熱エネルギーを持っており、かつ、不純物のない純水ですので、回収してボイラーへの給水として有効利用するのが一般的です。
 ドレンの回収方式には以下のようにオープン方式とクローズド方式があります。

1. ドレンの特質

蒸気利用設備で加熱源として使用された蒸気は凝結し蒸気と同じ温度のドレン(復水ともいう)となります。このドレンは、蒸気が蒸気利用設備に入った時点で持つエネルギーの20~30%のエネルギーを保有しています。したがって、このドレンを再利用すれば省エネとなります。
 また、ドレンは蒸留水であり不純物のない純水ですので、これをボイラー給水に使用することができ、その結果、水使用量の節減にもなります。

2. ドレン回収の方法

ドレンを大気に開放された排気口を持つタンクに回収する場合はオープン回収方式といい、ドレンが排出されたときの圧力で回収する場合はクローズド回収方式といいます。

(1)オープン回収方式
 オープン回収方式は図1に示すような系統となります。大気圧になったドレンは通常の水配管で扱えるため、この方式は設計が容易で設備費も比較的安価ですみます。
 図1のタンク(開放)を省き、ドレンを直接、給水タンクに投入できる場合もあります。
 蒸気の圧力が高い、すなわち温度が高い場合には、図1で示すように大気へ逃げる蒸気の熱の割合が大きくなるので、その分、省エネ効果が減少します。

(2)クローズド回収方式
 クローズド回収方式は図2に示すような系統となります。ドレンは蒸気トラップから出たときの圧力のまま回収され、ポンプで加圧されボイラーに押し込まれます。そのため、ボイラーの圧力とポンプの能力(圧力)との関係など設計が複雑で設備費も高くなります。
 しかし、オープン回収方式にくらべ、大気に逃げる蒸気がはるかに少ないため省エネルギー効果は大きくなります。

クローズド回収方式は再利用されるエネルギーの比率が大きい一方、設備費が高くなります。したがって、一般的には、ドレンの圧力が高く(0.2Mpa以上が目安)かつ、ドレンの回収率が大きい(40%が目安)場合、クローズド回収方式が向いており、それ以外はオープン回収方式が向いています1)。しかし、ボイラーおよび蒸気利用設備の配置や、ドレンの発生状況など現地の状況によりますので蒸気関連機器メーカーなどに相談されるとよいでしょう。
 ドレン回収による燃料費削減効果および、給水が減ることによる補給水費削減効果については、別の項で試算します。

図1 オープン回収方式の例

図1 オープン回収方式の例

図2 クローズド回収方式の例

図2 クローズド回収方式の例

【参考文献】
1)(株)テイエルブイ、ドレン回収の分類、https://www.tlv.com/ja/steam-info/steam-theory/drain-ecovery/1212condensate-recovery-2/

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