ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
事業承継・再生・廃業2018.11.22
Q1309. 事業承継を支援するための税制措置について、そのメリットと留意点を教えてください。

 創業45年の建設業で、事業承継を考えています。平成30年度税制改正において、事業承継税制が大きく改正されたと聞きました。事業承継を行う場合に、この税制措置を使うメリットと留意点について教えてください。

A.

 事業承継時の株式の贈与税・相続税の納税を猶予される措置が、適用株式数の上限撤廃、納税猶予割合の増大、後継者の範囲の拡大など手厚くなります。ただし、必要な特例承継計画の提出期間、承継を行う時期が、それぞれ限定されている時限措置であることに留意が必要です。

【適用株式の上限撤廃と納税猶予割合の増大】

事業承継税制の一般措置では、納税猶予の対象となるのは、発行済議決権株式総数の3分の2までですが、平成30年度税制において設けられた特例措置ではすべての株式が対象となります。また、一般措置では相続税の納税猶予割合は80%ですが、特例措置を使うことで100%となります。つまり、事業承継税制の特例措置を用いると、事業承継時の株式譲渡の税負担をゼロとすることができるのです。

【後継者の範囲の拡大】

一般措置では、後継者の範囲が直系卑属(子や孫)に限定されていますが、特例措置ではこのような制限はなく、親族に限らず、広く適材を求められるようになりました。さらに、一般措置では後継者の数が1人に限定されていますが、特例措置では最大3人の後継者を対象とすることができます。会社の経営に即した形式での事業承継が可能となります。

【雇用維持要件の緩和】

一般措置では、原則として、事業承継後5年間の会社の雇用の平均を、相続時の雇用の8割以上とすることが求められます。8割を下回った場合には、猶予されていた税金を納付する必要があり、このリスクが事業承継税制の適用をためらわせていた面もあるかもしれません。
 特例措置では、認定経営革新等支援機関の意見を記載した報告書を提出することで、引き続き納税の猶予を受けられます。後に猶予が不適用となる不安が軽減されます。

【留意点】

事業承継税制の特例の適用を受けるためには、以下の要件を満たしていることが必要な点に留意が必要です。

  • 平成30年4月1日から平成35年3月31日までに、都道府県庁に「特例承継計画」を提出
  • 平成30年1月1日から平成39年12月31日までに、遺贈を含む贈与・相続により自社の株式を取得

なお、平成29年12月31日までに取得した株式の贈与・相続においては、特例の認定や一般措置の認定からの切り替えはできません。

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