ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
労務一般2018.09.27
Q1302. 従業員による不正の予防方法を教えてください。

 創業40年、従業員10名(アルバイトを含む)の書店を営んでいます。万引きなど外部の不正行為だけでなく、従業員による不正への対応も必要だと考えています。従業員の不正を予防する方法を教えてください。

A.

 従業員の不正を防ぐ方法としては、従業員教育・不正機会の減少・内部通報制度・特定人への業務の集中の排除などがあります。経営者がこれらの防止策を経営課題として取り組むことが重要です。

【従業員による不正対策の必要性】

従業員による不正、つまり従業員による横領、盗難、詐欺などによる利益の喪失は、商品ロスのうち12%を占めていると言われています。売上高対営業利益率の平均が0.27%と言われる薄利多売型業態の書店では、決して無視できない利益の喪失要因です。
 また、従業員による不正は、部下や同僚を巻き込む形で行われることが少なくありません。適切な対応を行わないと、志の高い従業員が辞めていってしまうような職場のモラール低下につながります。

【従業員教育】

「万引きは犯罪です」という標語は、万引きが刑法上の罪に該当する行為でありながら、罪の意識が薄いまま行われることが少なくない現状を反映したものです。
 従業員による不正についても、「廃棄されることもあるし…」、「薄給だからこれくらい…」「発覚したら弁償すればよい」など、罪の意識が薄いままに行われるケースが少なくありません。従業員による不正が、民事上・刑事上の責任を問われる可能性があることを、アルバイトを含む従業員が具体的に理解できるように説明し、入社時研修や誓約書で確認しましょう。入社後も、朝礼や会議の場など、折々で伝えることが重要です。

【不正機会の減少】

更衣室の片隅を在庫置き場としていませんか?ロッカーや休憩所など、従業員の私的なスペースと商品が近接していると、商品を従業員の私物に紛れ込ませることが容易です。在庫~作業スペース~売場の本来業務の動線と、休憩・退勤など、私的エリアへの動線を区分し、不正の機会を減らしましょう。バックルームへの防犯カメラの設置も有効な対策の一つです。

【内部通報制度】

従業員による不正が発覚する端緒は、内部通報が約4割と言われています。定期的に個人面談の機会を設け、社内不正の報告を含む会社への不平不満など、社内の情報を個々の従業員から吸い上げましょう。
 不正のトライアングル理論から、正当化(不正を行っても構わないとする言い訳)が不正発生の条件の一つと言われています。「先輩からパワーハラスメントを受けている」ことが、「それならば、自分も商品の1つや2つ、とってもよいのではないか」といった不正の正当化につながることがあります。こうした不平不満への対応も重要です。

【特定人への業務の集中の排除】

発注・検品・返品・レジ操作など、それぞれの業務を固定しない2人1組で行うようにしましょう。ある業務が特定人に集中してしまうと、従業員による不正を容易にしてしまいます。また、「あの業務はあの人しか知らない」という状況が、発覚までの期間を長期化させてしまい、被害額の増大を招きます。

【経営課題としての従業員による不正対策】

以上のような従業員による不正対策には、経営者が経営課題として取り組むことが重要です。従業員の不正は、商品や売上金に直接触れる現場のスタッフのみならず、管理する立場の従業員が関与し得るからです。また、従業員の不正対策には、個々の業務だけでなく、業務プロセス全体の改善が欠かせないことも理由です。

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