ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
教育・能力アップ2018.08.23
Q1297. 中堅マネージャーを育成する方法について教えてください。

 部品加工を主に行っている従業員60名の製造業です。係長から課長レベルの中堅マネージャーのレベルが上がらずに困っております。どのようにすれば、中堅マネージャーを育成できるのでしょうか?

A.

 中堅マネージャーが育たない大きな要因は、「認識のギャップ」に起因していることが多いため、ギャップがないかどうかを確認してください。そして、責任と権限を明確にすること、自己解決を促すことを意識するとよいでしょう。また、外部の教育機関などで研修を受講させることも重要です。

【中堅マネージャーの育成の重要性】

係長から課長レベルの中堅マネージャーは、どの会社でも現場を仕切るリーダーとして活躍することが望まれるポジションです。この層が機能しないと、現場の士気の低下や教育不足による部下の能力欠如、イノベーションの不足による業務の硬直化など、さまざまな弊害が生じます。
 また、社内で起こるさまざまな問題についても、中堅マネージャー層のレベル向上で、トップがわざわざ介在しなくても、現場レベルで解決できる問題は多いはずです。
 とは言え、この層の教育に頭を悩ませている経営者が多いのも事実です。そのような事態に陥る理由とその解決方法について解説します。

【認識のギャップ】

中小企業において中堅マネージャーが育たない最大の要因は、「認識のギャップ」です。経営者としては、「係長なのだから○○○はしてほしい」「課長だったら○○○はやって当然だ」と考えているにもかかわらず、当の本人たちは、「単に役職が上がった」、「長く勤めたから時期的に出世した」くらいに思っているケースが多いものです。
 まずは、この「認識のギャップ」を埋めていくところからスタートしてみましょう。実際に取り入れている会社もありますが、「認識のギャップ」を確認するよい方法があります。
 あるケース(たとえば納品トラブル)を取り上げ、社長としてはどのような動きをしてほしかったかを文面に起こします。それに対し、中堅マネージャーには、どのような動きをすればよかったかを振り返ってもらい、やはり文書にします。この2つを突き合わせることで、お互いの「認識のギャップ」が明確になるのです。
 これをやってみることで、中堅マネージャーが自分の仕事をどのように捉えているかが明確になります。まったく書けないケースもありますが、これは自身の職責を理解できていない証拠です。
 「認識の違い」についてとがめるのではなく、まずはこのような「認識の違い」があることを把握することからスタートするとよいでしょう。総花的な理想論で問うのではなく、実際に起きた問題やトラブルに対して、どのように考えているかを引き出すのがコツです。

【責任と権限の明確化】

「認識のギャップ」が明確になったら、次に行うべきは責任と権限を明確化することです。ここが曖昧になっていると、「上が判断すべきこと」と認識してしまうケースが多くなります。
 理想は、係長や課長の権限と責任を明文化することでしょうが、それが難しい場合は、「この仕事についてはすべて任せるので、最終報告だけ上げてくれればよい」「必要な予算については、○○円までは君の裁量で自由に使ってよい」など、責任と権限が明確になるような指示の仕方を心がけるだけで、かなり違ってくると思います。
 よくあるのは、権限がないのに責任ばかり問われるケースです。このような場合、多くの人が保守的になり、新しいことへのチャレンジを避けてしまいます。そのようにならないよう、責任を問うならば、それに見合った権限を与えることを心がけてください。

【自己解決を促す】

職場で何か問題があった場合、育成を目的にするのであれば、できるだけ中堅マネージャー層に問題を解決させる経験を積ませてください。
 トップが出てきて物事を片づけてしまうことは、業務をスピーディに進めるうえではプラスですが、育成にはマイナスに働きます。なぜなら、中堅マネージャーは「トップが出てきてやってくれる」と思い込んでしまうからです。
 重要な局面では仕方がありませんが、中堅マネージャーを育てることを目的に置いた場合は、トップはあくまで相談にのるだけで、解決策を自分で考えさせ、実行させることが重要です。

【教育をする】

ここまで、職場における教育方法について述べてきましたが、マネージャーとは何かを座学で学ばせることも必要です。中堅マネージャーに昇格した際に、気持ちの切り替えを促し、一般論としてのマネージャー論を学ばせる意味は大きいと思います。
 中小企業大学校などの教育機関でも、中堅マネージャー層を対象にした研修を行っていますので、ぜひ一度参加させてみるとよいでしょう。

【中堅マネージャー層の教育には根気が必要】

中堅マネージャー層を教育するためには、根気よくトップの期待を伝え続け、それができるようになるまで待つことが必要です。自分の頭で考えさせることが何よりも重要ですので、トップはそれを意識した働きかけを根気よく繰り返し、育成していただきたいと思います。

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