ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2017.11.21
Q1269. 相対湿度と絶対湿度の関係は?

A.

 人間の乾燥・湿りの感覚に近いのは、相対湿度よりも絶対湿度のようです。そこで、冬期にインフルエンザ対策として絶対湿度0.008kg-水蒸気/kg-乾き空気を維持する場合、室温が20℃なら55%の相対湿度が実現できます。この点からも、国が推奨している20℃は省エネ面と快適生活面で合理的と言えます。

 蒸し暑さを測る指標として湿度が一般的に使用されています。そして、湿度には「相対湿度」と「絶対湿度」があります。
 相対湿度の単位は[%]、絶対湿度の単位は[kg-水蒸気/kg-乾き空気]で、それぞれ下式で定義されます。
  相対湿度=空気の水蒸気圧÷その気温での飽和水蒸気圧×100……(1)
  絶対湿度=18/29×{空気の水蒸気圧/(全圧―空気の水蒸気圧)}……(2)
 温度が高いほど、飽和水蒸気圧は高くなります。したがって、空気の水蒸気圧が同じなら、気温が高いほど相対湿度は低くなります。
 三大都市(東京、大阪、名古屋)の直近10年間の月別の平均相対湿度と平均絶対湿度を下図に示します。

相対湿度の月次変化
絶対湿度の月次変化

 相対湿度を見ると三大都市では1月が最も乾燥していて7月が最も湿っていますが、その差は、東京を除き、10%未満(東京でも18%程度)です。
 次に、絶対湿度を見ると、都市間の月ごとの絶対湿度に大きな差異は見られないものの、最小値(東京の1月で0.00265kg-水蒸気/kg-乾き空気)と最大値(東京の8月で0.01688kg-水蒸気/kg-乾き空気)には6.4倍もの差があることが分かります。つまり、人間の乾燥・湿りの感覚に近いのは相対湿度よりも絶対湿度のようであり、「冬は加湿が必要で、夏は除湿が必要」なことは絶対湿度で見たほうが理解できます。

 建築物環境衛生管理基準では、「相対湿度を40以上70%以下」に保つことを求めています。これは、Q1182でご説明のとおり、ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)の推奨に基づいています。湿度が高すぎるとカビやダニ、結露などの原因となり、湿度が低すぎる(空気が乾燥する)と喉の粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなるためです。
 近年、インフルエンザなどのウイルスは温度や相対湿度よりも絶対湿度に反比例することが明らかになっています。すなわち、絶対湿度ごとのインフルエンザウイルスの6時間後生存率データによると、0.0015kg-水蒸気/kg-乾き空気なら63%、0.0030kg-水蒸気/kg-乾き空気なら35~42%、0.0056kg-水蒸気/kg-乾き空気なら17%、0.0083kg-水蒸気/kg-乾き空気なら3~5%、0.0169kg-水蒸気/kg-乾き空気ならほぼ0%、となっています。
 以上を踏まえ、「年間を通して絶対湿度を0.008~0.010kg-水蒸気/kg-乾き空気に維持する」ことを提案される方が増えています。
 そこで、結露回避を考慮し、冬期に絶対湿度0.008kg-水蒸気/kg-乾き空気を維持するようにしたときの室内温度と相対湿度の関係を求めると、下図のようになります。下図から、室温が20℃なら55%の相対湿度が実現でき、室温を25℃以上にすると建築物環境衛生管理基準での相対湿度の下限値を下回ることが分かります。この点からも、冬期の室内温度は国が推奨している20℃は省エネ面と快適生活面で合理的な指標であることが理解いただけるかと思われます。

絶対湿度を0.008kg-水蒸気/kg-乾き空気に維持したときの室内温度と相対湿度の関係

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