ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2017.11.01
Q1259. 電気事業者ごとの実排出係数について教えてください。

A.

 実排出係数、調整後排出係数とも単位は、t-CO2/kWhで、電気事業者ごとに異なっています。実排出係数は、電気事業者が販売した電力を発電するためにどれだけの二酸化炭素を排出したかを推し測る指標で、調整後排出係数は電気事業者のCO2削減に貢献する度合いを表す指標とも言えます。

「発電した後、送電線に載せてしまえば、火力、水力、原子力、太陽光など発電方法を問わず電気は電気だ。でも、太陽光発電などは二酸化炭素を排出しないため環境にやさしい。電気の製造方法で区別する方法はあるの?」と言った疑問が湧くと思われます。その答えは、「国は電気事業者ごとに、毎年、実排出係数と調整後排出係数を公表することで電気の製造方法に関する情報公開を行っています」です。以下、ご説明します。

省エネ法に密接に関連する法律として、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)があります。温対法では、平成18年4月1日から、二酸化炭素など温室効果ガスを多量に排出する者(特定排出者)に、自らの温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することを義務付けています。そして、この報告は省エネ法での定期報告書により行います。

電気事業者など他人から供給された電気の使用に伴うCO2排出量の算定については、より正確な排出量の算定のため、次の排出係数を用いて算定を行います。

  1. (1)電気事業者から供給された電気を使用している場合:国が公表する電気事業者ごとの排出係数
  2. (2)電気事業者以外の者から供給された電気を使用している場合:実測等に基づく適切な係数
  3. (3)(1)及び(2)で算定できない場合:環境大臣・経済産業大臣が公表する係数

国は原則として全ての電気事業者の排出係数を公表しています。下表は今年度の定期報告書に使用する排出係数の一部です。(出典:環境省ホームページの報道発表資料中の公開資料)

電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用・平成27年度実績)
電気事業者名 実排出係数
(t-CO2/kWh)
調整後排出係数
(t-CO2/kWh)
北海道電力(株) 0.000669 0.000676
東北電力(株) 0.000556 0.000559
東京電力エナジーパートナー(株)
(旧:東京電力(株))
0.000500 0.000491
中部電力(株) 0.000486 0.000482
北陸電力(株) 0.000627 0.000615
関西電力(株) 0.000509 0.000496
中国電力(株) 0.000697 0.000700
四国電力(株) 0.000651 0.000669
九州電力(株) 0.000509 0.000528

実排出係数、調整後排出係数とも単位は、t-CO2/kWhで、電気事業者ごとに異なっています。実排出係数は、電気事業者が販売した電力を発電するためにどれだけの二酸化炭素を排出したかを推し測る指標で、「実二酸化炭素排出量÷販売電力量」で算出されます。販売した電力には、火力、水力、原子力、太陽光など全てが含まれています。そのため、火力発電の比率が高いと実排出係数は高くなります。

次に、調整後排出係数は、「調整後二酸化炭素排出量÷販売電力量」で算出されます。調整後二酸化炭素排出量は、実二酸化炭素排出量に固定価格買取調整二酸化炭素排出量を足した(※注記)ものから、電気事業者が排出量調整無効化等した国内及び海外認証排出削減量等を控除して得た量です。つまり、調整後排出係数は、電気事業者のCO2削減に貢献する度合いを表す指標とも言えます。

※注記:固定価格買取制度(FIT)により買い取られる再エネ由来の電力の環境価値は、買い取った電気事業者ではなく賦課金として買取差額を負担する一般消費者に付与されるため。

参考として、九州電力株式会社では、調整後排出係数と火力発電所の設備稼働状況の推移を示した「九州電力データブック」を公表しています(http://www.kyuden.co.jp/company_data_book)。

東日本大震災以降、原子力発電の停止に伴い2014年度まで火力発電所による販売電力量が全体の9割以上を占めたことから、調整後排出係数も増加しました。そして、2015年度に原子力発電所が稼動を再開したことから、火力発電所による販売電力量が全体の3/4程度となり、調整後排出係数も2011年度レベルに低下しています。

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