ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2017.11.01
Q1231. (受電)力率とは?

A.

 モータなどの機器を使用した場合、実際に働いた電力(有効電力)は電圧と電流の積(皮相電力)より小さくなります。この比率が力率です。力率の悪化は設備利用率の低下を招きます。電力会社では、力率85%を基本として1%改善するごとに基本料金を1%ずつ割引するという施策を取っています。

Q1230の(1)式で、出力[kW]は変圧器容量[kVA]に力率cosΘを掛けて求めています。以下、力率についてご説明します。

モータなどの機器を使用した場合、エネルギーの損失が生じ、実際に働いた電力(有効電力)は電圧と電流の積(皮相電力)より小さくなります。この比率を力率と呼び、力率cosΘ=有効電力[kW]÷皮相電力[kVA]の関係となります(下図)。

力率と電力の関係(モーター等の機器使用時)

「無効電力」は負荷と電源間を往復するだけで消費されない電力です。そして、「皮相電力」は電源から送り出される電力であり、

(皮相電力)2=(有効電力)2+(無効電力)2・・(1)

の関係が成立します。

電力が全て有効に消費されている場合、力率は1となり最も高効率です。一方、力率の悪い機器が電路に数多く接続されていると、総合的な力率が低下し皮相電力ばかりが大きくなります。電流が増大し、電力損失が増加し、結果的に電圧降下が大きくなります。力率の悪化により無効電力が増大するため、設備利用率が低下します。

変圧器は、皮相電力だけが大きい場合でも、この電力に耐えられる容量で選定しなければならず、無効電力が大きければそれに比例して、機器容量が大きくなり機器費も過大になっていきます。つまり、力率の悪化を改善し電力を有効に利用できれば、機器容量を小さくできる分機器費を低減でき、かつ省エネとなります。

力率は高圧受電設備(キュービクル)に設置されている力率計で瞬時の力率が読み取れますし、電力会社からの請求書で月平均の力率を確認することも出来ます。

下写真は力率計の一例で、中央の1が力率1を示し、右側が遅れ状態、左側が進み状態を示しています(写真の力率は遅れ側で約0.995)。

力率計

なお、進み力率では負荷端の電圧が上昇することがあります。電圧が上昇すると稼働中の機器に悪影響を及ぼすため、定格電圧の110%を超えないように運用をすることが必要です。

一般需要家の力率の平均は85%程度であり、電力会社から供給されている電力の15%は有効に使用されていない状態となっています。電力会社が用意している発電装置、需要家内の変圧器などはすべて皮相電力を基準としているため、実際に消費される電力よりも大きな設備を用意しなければいけません。そこで、電力会社では、需要家側の力率の悪化に対し、力率85%を基本として1%改善するごとに基本料金を1%ずつ割引するという施策を取っています。計算式で表すと、

月次基本料金=契約電力[kW]×基本料金単価[円/kW/月]×(185-力率)÷100・・(1)

となります。力率が90%の場合は5%の割引になり、80%の場合は逆に5%の割増となり、力率を80%から90%に改善すると、基本料金は10%安くなります。

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