ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2017.11.01
Q1226. 湯面からの放熱量の算定方法と削減対策について教えてください。

A.

 浴場、温水プールや工場の電解槽、酸洗プールなどでは、湯面が開放され、熱が放出されています。不使用時には湯面を覆うことで、放熱量を削減でき、加温に必要なエネルギーを削減できます。回答欄で湯面からの放熱量の推算方法と削減対策についてご説明します。

浴場、温水プールや工場の電解槽、酸洗プールなどでは、湯面が開放され、熱が放出されています。不使用時には湯面を覆うことで、放熱量を削減でき、加温に必要なエネルギーを削減できます。

以下、湯面からの放熱量の推算方法と削減対策についてご説明します。

1. 湯面からの放熱量の推算方法

◯空気調和・衛生工学便覧の、「浴槽水の加熱負荷計算式」(下式)を使用します。

L=Qe+Qt+Qs+Qp+Qh+Qf・・(1)

Qe:浴槽水面からの蒸発に伴う熱損失[W]

Qt:浴槽水面での熱伝達による熱損失[W]

Qs:浴槽の壁面・底面からの熱損失[W]

Qe:配管や濾過装置などからの熱損失[W]

Qh:入浴者による熱損失[W]

Qf:補給水(湯)の加熱負荷[W]

◯(1)式で湯面からの放熱量に関係するのはQeとQtであり、(2a)、(2b)、(3)式で求められます。ここで、qeとqtは、(1)式とは異なり、単位表面積当たりとして求めています。

1)qe:浴槽水面からの蒸発に伴う熱損失[W/m2

【屋内】qe=(0.114v+0.134)×(Pw-Pa)×0.2778r・・(2a)

【屋外】qe=(0.061v+0.125)×(Pw-Pa)×0.2778r・・(2b)

v:湯面上の風速[m/s](一般に屋内:0.5、屋外:5.0)

Pw:湯温での空気の飽和水蒸気圧[kPa]

Pa:周囲空気の水蒸気分圧[kPa]

r:湯温での飽和蒸気の蒸発潜熱[kJ/kg]

2)qt:浴槽水面での熱伝達による熱損失[W/m2

qt=va×(tw-ta)・・(3)

va:湯面の熱伝達率[W/m2/K](屋内:9、屋外35)

tw:湯温[℃]

ta:周囲空気温度[℃]

湯温での空気の飽和水蒸気圧Pwと湯温での飽和蒸気の蒸発潜熱rは湯温twから、周囲空気の水蒸気分圧Paは周囲空気の温度taと湿度から、蒸気表により求まります。

◯(2a)、(2b)、(3)式により求めた、周囲空気の温度が20℃、湿度が70%の時の屋内設置と屋外設置の場合の湯面からの放熱量を、図-1に示します。

単位表面積あたりの放散熱量【w/m<sup>2</sup>】

2. 対策

60℃程度までの用途ならアルミラミネート発泡ポリエチレン製保温シートが数多く市販されています。また、ポリプロピレン製のボールを浴槽に浮かべ、蒸発を防ぐ製品も販売されています。右図は、ボールの有無による蒸発量の比較試験結果の一例で、ボールを敷き詰めることで放熱量が約75%削減できていることが分かります(出典は、エヌケイエス(株)のホームページ)。

浴槽を90℃に保った時の水の変化

3. 浴槽に保温シートで覆った時の試算例

3-1 試算条件
  • 浴槽温度:42℃(室内設置で、常時42℃となるように制御)
  • 周囲の空気温度と湿度:20℃、70%
  • 浴槽の表面積:10m2
  • ボイラの熱効率:95%(都市ガス焚、低位発熱量は40.6MJ/Nm3
  • 保温シートで覆える時間:2,500h/年
3-2 試算
  • 図より、単位面積当たりの放熱量は1,100W/m2
  • シートで覆った後の保温効率を70%と想定すると、年間の放熱削減量は、
    0.7×1.1kW/m2×10m2×2,500h/年=19,250kWh/年=69,300MJ/年
    燃料削減量は、
    69,300MJ/年÷0.95÷40.6MJ/Nm3=1,797Nm3/年

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