ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2017.11.01
Q1209. 冷凍・冷蔵(倉)庫扉に対する外気侵入防止策は?

A.

 冷凍・冷蔵(倉)庫の扉開放時には、開口部の上部から外気(暖気)が流入し、下部からは内気(冷気)が流出します。外気侵入量は全熱負荷の20~30%にも達するため、ビニールカーテンを庫内上部に取り付けたりエアーカーテンを設置することは省エネに直結します。

冷凍・冷蔵(倉)庫の扉開放時には、下図に一例を示す通り(出典:高性能エアーカーテン「サーモシャッター」による大型冷蔵・冷凍倉庫の荷捌室低温化 冷凍空調設備 2004年6月15日号)、開口部の上部から外気(暖気)が流入し、下部からは内気(冷気)が流出します。外気侵入量は全熱負荷の20~30%にも達するため、外気侵入量を少なく抑えることは省エネに直結します。

開口部からの暖気侵入・冷気漏洩傾向

外気侵入防止対策として以下の方法が挙げられます。

  • 高さをカバーするビニールカーテンを庫内上部に取付けること。
  • 高速シャッター、上方から下方に向けての空気噴射式エアーカーテン(遮断効果は50%程度)、トンネルサーキュレーション式エアーカーテン(下右図: 出典は三和エアーシャッターのカタログ、遮断効果は70~75%程度)、プッシュブル式エアーカーテン(下左図:出典は 冷凍空調設備 2004年6月15日号の「高性能エアーカーテン『サーモシャッター』による大型冷蔵・冷凍倉庫の荷捌室低温化」、遮断効果は70~75%程度)、前室等を設置すること。
  • カウンター等を導入し、扉の開放時間の計測により得たデータをもとに、扉開放時間の短縮に努めること。

※開口部の上部にビニールカーテンを取付けた上に、扉開放時間を短縮出来れば5~10%程度の省エネが期待できます。

(左図)シャッター等の設置概略図 (右図)トンネル・サーキュレーション式と吹き降ろし式との比較(海溝寸法1800×H2400で扉を開けて1分30秒後の状態で比較しています)→冷凍庫内の冷気を循環(サーキュレーション)させ、開口上部からの暖気の流入および下部からの冷気の流出を効率よく防ぎます。従来の吹き降ろし式に比べ庫内の温度の変化が少ないことが解析図から確認できます。

以下、冷凍・冷蔵(倉)庫における具体的な電力消費量等に関する計算方法を解説します。

【試算例】

  • 冷凍庫内温度tiと湿度φi:-20℃、100%⇒比エンタルピーhi=-18.5kJ/kg、比容積vi=0.718m3/kg(比重量γiの逆数)
  • 冷凍庫外温度toと湿度φo:20℃、50%⇒比エンタルピーho=38.5kJ/kg、比容積vo=0.840m3/kg(比重量γoの逆数)
  • 年間開放時間:450時間(1.5h/日×300日)
  • 冷凍機のCOP (推定):1.5
  • 現状の開口部の高さHと幅W:2.4m×2.0m⇒外気侵入量2.46m3/s(注記1)
  • 改善後の開口部の高さHと幅W:2.0m×2.0m⇒外気侵入量1.87m3/s(注記1、2)
  • 現状の年間電力使用量:2.46m3/s÷0.840m3/kg×450h/年×(38.5+18.5)kJ/kg÷3.6MJ/kWh÷1.5=13,911kWh/年
  • 改善後の年間電力使用量:1.87m3/s÷0.840m3/kg×450h/年×(38.5+18.5)kJ/kg÷3.6MJ/kWh÷1.5=10,574kWh/年
  • 年間削減電力量:13,911kWh/年―10,574kWh/年=3,337kWh/年

(注記1)外気侵入量Qの計算式(出典:空気調和ハンドブック)
Q=(0.8×W)×√(g×((γi-γo))/(((γi+γo))/2))×H^(3/2)

(注記2)上部にビニールカーテンを0.4m施工

上記の計算を通じて省エネ対策実施時の削減電力量を定量的に把握することができます。

省エネ対策自体は比較的簡単に行えるものが多いので、併せて計算値等を参考に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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