ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2017.11.01
Q1200. トップランナーモータが2015年度からスタートします。

A.

 各種産業用途で汎用的に用いられている三相誘導電動機に、2015年4月分からトップランナー基準(トップランナーモータ)が導入されます。産業用モータを全てIE3(プレミアム効率)に置き換えられたとすれば、期待される電力削減量は我が国の全消費電力量の約1.5%に相当すると試算されています。

各種産業用途で汎用的に用いられている三相誘導電動機に、2015年4月分からトップランナー基準(トップランナーモータ)が導入されます。トップランナーモータの対象範囲は下表のとおりです(出典:日本電機工業会ホームページ)。

対象範囲 単一速度三相かご形誘導電動機
出力 0.75kW~375kW
極数 2極、4極、6極
電圧 1,000V以下
周波数 50Hz、60Hz及び50Hz/60Hz
使用の種類 S1(連続定格)又は80%以上の負荷時間率を持つS3(反復使用)
主な除外機種 1. 特殊絶縁
2. デルタスター始動方式
3. 舶用モータ
4. 液中モータ
5. 防爆形モータ
6. ハイスリップモータ
7. ゲートモータ
8. キャンドモータ
9. 極低温環境下で使用するもの
10. インバータ駆動専用設計で他力通風形のもの

また、現行モータと識別しやすくするために、カタログやモータ本体に「トップランナーモータ」の下記ロゴマークが表示されます。

「トップランナーモータ」ロゴマーク

モータの効率レベルは世界的な規格であるIEC 規格(国際電気標準会議)で規定されていて、効率クラスとしてはIE1(標準効率)、IE2(高効率)、IE3(プレミアム効率)が定められています。

我が国で適用されているモータの97%がIE1レベルであるのに対し、米国ではほとんどが高効率(IE2)とプレミアム効率(IE3)で、欧州でも高効率(IE2)の普及が進んでおり、欧米をはじめとしてモータの高効率化が進んでいます。

下図の通り、モータの定格出力が小さいほど省エネ効果が大きい傾向にあり(出典:日本電機工業会「三相誘導電動機のトップランナー基準(案)の紹介」)、例えば50Hz、4極、7.5kWの三相誘導電動機ではIE1からIE3に更新することで約4.9%の省エネ効果が期待できます(出典:日本電機工業会ホームページ)。

モータ効率値

産業用モータを全てIE3(プレミアム効率)に置き換えられたとすれば、期待される電力削減量は、我が国の全消費電力量の約1.5%に相当する155億kWh/年になると試算されており、極めて大きな省エネ効果が期待できます。

トップランナーモータは、発生損失を抑制しているため、標準モータに比べ一般的に回転速度が速くなります。ポンプや送風機などの負荷で、標準モータを高効率モータに置き換えた場合、この回転速度が速くなることにより、モータの出力が増加します。モータ効率は高いのですが、出力が増加することにより、消費電力が増加する場合があります。また、銅損低減のため(1次、2次)抵抗を低くしている場合があり、始動電流が標準モータに対して高くなり、ブレーカなどの変更が必要になる場合があります。加えて、トップランナーモータは高価な材料を使っている分、現行モータより1.3倍から2倍程度まで値上げするところが多いとみられています。

したがって、既存モータからの入替えにあたっては、上述の技術検討とモータごとに出力、運転時間、モータ効率と電力単価を想定しての費用対効果の検討が必要でしょう。

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