ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2017.11.01
Q1199. 省エネ法の原油換算係数と原油の発熱量や、昼間と夜間の発熱量に差異があるのはなぜ?

A.

 原油換算係数が国際的に共通な尺度としての発熱量であるのに対し、原油の発熱量は我が国で使用されている原油の平均値の違いです。また、電気の昼間と夜間の発熱量の違いは、使用する発電所の発電効率の違いです。

Q1155の通り、事務所、工場などでは電気やガスなど異なるエネルギーを使用しています。この異なるエネルギーの大小を比べる物差しが原油換算エネルギー使用量であり、発熱量と原油換算係数(0.0258kL/GJ)を乗じることで原油換算エネルギー使用量(kL)を求めることが、省エネ法施行規則第4条で規定されています。
 そして、省エネ法施行規則第4条関連として、1. 別表第1で原油は38.2GJ/kl、A重油は39.1 GJ/klなどエネルギー種別ごとの発熱量が、2. 別表第3で昼間買電は9,970kJ/kWh、夜間買電は9,280kJ/kWhとそれぞれ規定されています。

別表第1から別表第3までを1つにまとめた表として資源エネルギー庁のエネルギー使用量(原油換算値)簡易計算表があります。

1. 換算係数(0.0258kl/GJ)と原油の発熱量(38.2GJ/kl)に差異

原油を1kl使用した時の原油換算使用量は、38.2GJ/kl×0.0258kL/GJ=0.986klと求められ、1klとはなりません。つまり、原油換算係数と原油の発熱量が一致していないことになります。これは、原油換算係数が「我が国が輸入する原油ではなく国際標準原油に換算した総発熱量でのエネルギー量を表す単位」であり、原油の発熱量が「資源・エネルギー統計による1998年度の代表銘柄別の輸入量と、石油連盟資料による各銘柄別API度・硫黄分などから加重平均により推計した38.2MJ/lを標準発熱量として用いている」ことによる差異です(出典:資源エネルギー庁「2005年度以降適用する標準発熱量の検討結果と改訂値について」)。
 つまり、原油換算係数は国際的に共通な尺度としての数値と、別表第1の原油の発熱量は我が国で使用されている原油の平均値の違いです。原油は軽いほど発熱量が低くなる傾向があり、我が国が使用している原油はやや軽めと言うこともできます。

2. 昼間(9.97GJ/千kWh)と夜間(9.28GJ/千kWh)の発熱量の差異

電気事業連合会作成の平成17年9月7日付資料(「電力の1次エネルギー換算について」)には、昼夜別の熱効率(需要端)の平成15年度実績値が記載されています(下表)。

  全日 昼間(8~22時) 夜間(22~8時)
発電端効率 40.85% 40.44% 41.92%
総合損失率 9.7% 10.7% 7.5%
所内率 4.5% 4.6% 4.3%
送配電損失率 5.3% 6.3% 3.2%
変電所所内電力率 0.13% 0.13% 0.13%
需要端熱効率 36.90% 36.10% 38.78%
1次エネルギー換算値(kJ/kWh) 9,757 9,972 9,282

※9電力会社の汽力発電所の運転実績及び卸電気事業者の汽力発電所の運転実績をベースとして、全日、昼間(8~22時)、夜間(22~8時)の発電端効率を表示
※火力発電所は、「ピーク対応」…利用率30%未満:夏季及び冬季の日中に稼動、「ミドル対応」…利用率30%以上~60%未満:年間を通じて日中を中心に稼動、「ベース対応」…利用率60%以上:年間を通じて昼夜間稼動に分類され、それぞれで発電効率が異なる(ベース対応42.10%>ミドル対応39.23%>ピーク対応36.82%)

つまり、省エネ法の電気の発熱量は、上表の1次エネルギー換算値を有効数字3ケタで丸めたものであり、昼間と夜間の発熱量の違いは使用する発電所の発電効率の違いであることが分かります。電力需要の大きい夏季及び冬季の日中には、発電効率の悪い火力発電所を稼働させて対応していたこととなり、改正省エネ法の目的である「電気の需要の平準化」の必要性を理解できるものと思われます。

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