ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2017.10.27
Q1181. 空調の除湿運転が省エネにならない理由は?

A.

 従来の冷却減湿方式による除湿運転は、1.室内の空気を露点以下に冷却、2.結露した水を排出、3.乾いた空気を少し暖めて室内に戻す、ことで行われていました。つまり、「必要以上に冷やし、その後に暖める」ことを行うために、通常の冷房運転以上にエネルギーを使っていることになります。

Q1172でご説明の通り、気温が高いときに人が感じる「むし暑さ」の指標として不快指数があり、乾球温度(気温)をt(℃)、湿度をh(%)として、下式で表されます。

 不快指数=0.81×t+0.01h×(0.99t-14.3)+46.3・・・(1)

下図は(1)式で求めた不快指数と気温、湿度の関係を図化したものです。国が推奨する夏季28℃で不快と感じないためには湿度を60%以下とする必要がありますが、盛夏には80%を超える湿度の日も珍しくなく、温度を基準に空調機を運転すると不快さを感じる人が増えることが分かります。このため除湿運転が行われています。

温度と湿度が不快指数に与える影響

 従来の除湿運転は、1.室内の空気を露点以下に冷却、2.結露した水を排出、3.乾いた空気を少し暖めて室内に戻す、ことで行われていました。

つまり、「必要以上に冷やし、その後に暖める」ことを行うために、通常の冷房運転以上にエネルギーを使っていることになります。2007年製ルームエアコンでの試算によると、冷房運転時のCOPが5.1であるのに対して除湿運転時のCOPは1.7まで低下し、除湿運転時には通常冷房運転時の1/3まで性能が低下(消費電力が3倍に増加)します。また、下図の通り、消費電力の測定例でも除湿運転の消費電力の増加は明らかです(出典:「ビルおよび住宅における除湿・加湿空調制御の問題点と最新の技術動向」北原博幸)。

冷房運転と除湿運転での消費電力

なお、上記でご説明した室内空気を露点以下に冷却し除湿する冷却減湿方式以外に、固体吸着剤や塩化リチウム水溶液などによって水蒸気を吸収するデシカント除湿方式や、Q1167でご説明した空気を圧縮し全圧を高めることで飽和湿度を減少させる圧縮減湿方式もあります。特に、固体吸着剤を用いたデシカント除湿方式では除湿だけではなく冬季の加湿にも対応し、除湿COPとして5.0を達成した省エネ製品も市販されています。

空調機が設置される建築物は省エネ推進に伴い「高断熱かつ高気密」な建築物が増える傾向にあり、従来以上に湿度対策が重視されるようになってきています。次回は、建物の高断熱化と室内湿度についてご説明する予定です。

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