ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2017.10.27
Q1178. 低炭素社会と水素社会って?

A.

 低炭素社会とはCO2の排出が少ない社会のことであり、地球温暖化の緩和を目的としています。また、水素は利用段階ではCO2を排出しないため、燃料として水素を使用する社会(水素社会)は低炭素社会となりますが、水素社会でなくとも低炭素社会は実現可能であり、その主要なカギの一つが省エネルギーの推進です。

我が国は、第4次環境基本計画(平成24年4月27日閣議決定)において、長期的な目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すこととしています。この80%削減という目標は、エネルギー需要・供給のあらゆる部門で限りなくCO2(二酸化炭素)の排出をなくすことを目指して初めて到達可能な目標と言えます。すなわち、低炭素社会とはCO2の排出が少ない社会のことであり、地球温暖化の緩和を目的としています。
 低炭素社会を実現するための具体的な方法として、

  • 省エネルギーの推進
  • 熱機関の燃料を化石燃料から再生可能エネルギーに転換
  • 植林など緑化の推進

などが考えられます。この中、化石燃料を燃料とする熱機関は火力発電所や自動車のエンジンなどあらゆる場所で使用されています。したがい、そのCO2排出量は多く、天然ガスなど炭素分の少ない燃料への転換(燃料の低炭素化)や燃焼の結果として排出されたCO2を回収・貯留(CCS)することが進められています。
 水素は利用段階ではCO2を排出しないため、燃料として水素を使用する社会(水素社会)は低炭素社会となります。加えて、電気と比べ水素は貯蔵性に優れており、ガソリン、軽油や灯油などの液体燃料ほどではないものの電池よりもエネルギー密度が高く(下図:出典はトヨタ自動車「水素・燃料電池自動車(FCV)の取り組み」)、エネルギーを高効率で最適に利用でき、災害時もエネルギーを利用できるといった付加価値が生まれることが期待されます。

エネルギー密度の比較

水素社会には上記の利点がある一方で、その実現には次のような制約と課題があります。

  • 水素は、電気と同様、何らかの化合物からエネルギーを使って製造する必要がある。水素を化石燃料(炭化水素)から取り出せば化石燃料単体で使うよりも総合効率は低くなり、CO2も発生する。したがい、製鉄所等で副生物として製造される場合を除き、安価に得ることができない。
  • 余剰の太陽光や風力のような再生エネルギーを使って水を電気分解し水素を製造、貯留、再利用する方法では変換工程(再生可能エネルギーより電気より水素より電気)が多い分ロスも多い(2006年3月の「屋久島水素ステーションプロジェクト活動報告」によると総合効率は22%であり、再生エネルギーにより得られた電力の78%が失われた)。
  • 現時点では水素燃料電池車など機器の開発も経済性(コスト)も水素ステーションなどのインフラ整備も今後の課題として残されている。

以上、水素社会の実現は低炭素社会の実現に直結しますが、水素社会でなくとも低炭素社会は実現可能ですし、その主要なカギの一つが省エネルギーの推進ということになります。

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