ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2017.10.27
Q1162. 熱損失側からボイラー熱効率を求める方法を教えてください。

 Q1161によると、ボイラー熱効率は、入熱に対する出熱の割合であり、出熱を正確に算出するのは難しいということですが、前述の方法以外にボイラー熱効率を求める方法はありませんか?

A.

 まず熱損失を求め、次に入熱から熱損失を差し引くことで出熱を求める。そこから出熱と入熱の割合を求めることでボイラー熱効率を算出する「熱損失法」が、JIS B8222で規定されています。熱損失法はボイラー以外の熱設備の熱効率算定にも適用可能な算定方法です。

 あります。
 まず熱損失を求め、次に入熱から熱損失を差し引くことで出熱を求める。そこから出熱と入熱の割合を求めることでボイラー熱効率を算出する熱損失法という方法です。実は、JIS(B8222 陸用ボイラ-熱勘定方式)で規定されているボイラー熱効率は熱損失法で求めていますし、熱損失法はボイラー以外の熱設備の熱効率算定にも適用可能な算定方法です。JISではボイラー熱効率を、連続燃焼時で、かつ、ブローをしない状態で試験・計測し、入熱は燃料の低位発熱量基準(注1)で表示することを規定しています。ボイラーのカタログに記載されている熱効率はこの方法で算定しています。
 JISでの蒸気ボイラーの熱損失は、(1)排ガスが持去る熱量(2)ボイラー壁からの放散熱量の2項目となります。

 (1)は、燃料の種類、ボイラーを出る排ガス温度と空気比(注2)から一義的に求められます。下図は、都市ガス(13A)とA重油燃料について、横軸に空気比、縦軸に排ガス損失率、パラメータとしてボイラーを出る排ガス温度選び、関係を表示しています。空気比を1.0近くとすることで、また、排ガス出口温度を低くすることで、排ガス損失率を低く抑える(ボイラー熱効率を向上させる)ことができます。省エネ法で排ガス温度、排ガス中の残存酸素量等の計測及び記録に関する管理標準を設定しているのは、このためです。

空気比と排ガス熱損失率

 次に、(2)ですが、放散熱量は炉壁表面温度を低くすることで小さくすることができます。このため、省エネ法では基準炉壁外表面温度を定めるとともに、セラミックファーバーなど断熱性能の優れた材料で施工することを求めています。
 13Aを燃料とする最新の小型貫流ボイラーでは定格熱効率として98%が達成されています。このような高効率が達成できている理由は、ボイラー出口にエコノマイザー(節炭器)を設置し、しかも、潜熱回収(注3)まで行っているためです。

 ところで、ボイラーの実際の運用にあたっては、(3)缶体中へのスケール分の堆積防止のためのブロー操作(4)低負荷時のバーナの消火に起因するパージ損失などの熱損失が発生します。したがって、実際の運用・管理にあたっては、(1)と(2)加え(3)と(4)の熱損失をも考慮する必要があります。
 (1)から(4)までの熱損失を考慮したボイラー熱効率についてはQ1163にて回答いたします。

注1:低位発熱量は燃料中の水素から生成する水および本来含まれている水分の蒸発熱を高位発熱量から差し引いたものです。高位発熱量は燃焼後の生成物を燃焼前の温度に戻し生成した水蒸気がすべて凝縮した場合の発熱量で、高位発熱量は熱量計で測定されます。

注2:理論空気量(燃料を理論的に完全燃焼させるのに必要な空気量で燃料組成から計算で求めることができます)に対する実際空気量の割合を空気比と呼びます。空気比と排ガス中の残存酸素濃度(ドライ%)の関係は、概略、【(空気比)=21/{21-(残存酸素濃度%)}】で表わすことができます。

注3:従来は排ガス損失となっていた潜熱(水蒸気として大気に放出されていた熱)を回収することで熱効率を高める技術。潜熱回収により排ガスの一部は凝縮し金属を激しく腐食させます。このため、潜熱回収を行うには耐腐食性に優れた材料の採用等が必要となります。また、ボイラーの熱効率は低位発熱量基準で表示しているため、潜熱回収を行うと、見かけ上100%を超える数値となることがあります。

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