ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2017.10.27
Q1161. ボイラー性能の簡易的な管理方法について教えてください。

A.

 ボイラーが設計通りの熱効率を発揮しているかどうかを管理することは重要です。省エネ法では、燃料の供給量、排ガス温度、排ガス中の残存酸素量等の計測及び記録に関する管理標準を設定し、定期的に計測し、その結果を記録することを求めています。

 ボイラー熱効率はボイラー性能そのものであり、ボイラーが設計通りの熱効率を発揮しているかどうかを管理することは省エネを進める上で極めて重要です。そのため、省エネ法では、燃料の供給量、排ガス温度、排ガス中の残存酸素量等の計測及び記録に関する管理標準を設定し、定期的に計測し、その結果を記録することを求めています。
 排ガス中の残存酸素量は酸素濃度計で測定しますが、ボイラーに取り付けられていない方が多く、大気汚染防止法による煤煙測定まで待たないと排ガス中の残存酸素量が分からないこともあるようです。多くのボイラーは燃料を使用しているため未燃分や排ガス中の煤がボイラーチューブの外表面に、また、給水中のスケール分がボイラーチューブの内表面に、それぞれ付着することで、伝熱性能が運転時間の経過とともに悪化する(ボイラー熱効率が低下する)傾向があります。このため、大気汚染防止法による年2回の測定や一般的な月1回のボイラー熱効率の算定では、悪化傾向を迅速に把握することができない恐れがあります。
 熱効率の定義は入熱に対する出熱の割合であり、入熱は「(燃料消費量)×(燃料の発熱量)」で、また、出熱は、蒸気ボイラーでは、「(実蒸発量)×(蒸気の比エンタルピー-給水の比エンタルピー)」で、表されます。実蒸発量は文字通り実際に発生した蒸気量であり、ボイラー供給水量ではありません。また、蒸気中には飽和水が含まれている(蒸気の乾き度が1.0でない)こともあり、出熱を正確に算出することはかなり困難です。
 ボイラー性能の経時変化をタイムリーに捉える方法として、燃料使用量に対するボイラー給水量の比率(「蒸発倍率」と呼びます)を時間・日・月単位でグラフ化(見える化)する方法があります。
 下図は同業種の三工場の蒸発倍率の月次推移を示しています。蒸発倍率は調査期間(平成23年1月から平成24年6月)において変動しているものの、期間平均値は三工場ともほぼ同レベルであること、A工場の月ごとの蒸発倍率の変動はB工場に比べ極端に大きいことが分かります。したがって、蒸発倍率に減少傾向に現れた時に原因を究明し改善策を実行できれば、ボイラーを高性能で運用でき省エネを達成することができます。

蒸発倍率の月次推移

 蒸気圧力などの発生条件やボイラー給水源を変更しない限り、同じボイラーであれば、ボイラー給水量と実蒸発量は一定の関係にあり、加熱に必要な比エンタルピー(蒸気の比エンタルピー ? 給水の比エンタルピー)も変わらないと考えられます。つまり、蒸発倍率はボイラー熱効率の傾向と一致します。燃料消費量やボイラー供給水量は多くのボイラーで標準的に計測可能です。時間・日・月単位のボイラー管理方法として、採用されることをお奨めします。

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