ビジネスQ&A

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経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
省エネ2017.10.27
Q1157. エレベータの部分停止による省エネ効果は?

A.

 「近くのフロアに移動する場合、極力エレベータを使わない」、「利用の少ない時間帯にだけエレベータを部分停止する」などは利便性を損なわず省エネ効果が見込まれる対策と言えます。

 環境省の温室効果ガス排出抑制等指針のホームページでは、対策メニューの一つとして「利用の少ない時間帯における昇降機の一部停止」が取り上げられているのに対し、東京都環境局の地球温暖化対策のホームページでは、事業所向け『賢い節電』7か条の第6条として「エレベータの停止など効果が小さく負担が大きい取組は、原則的に実施しない」と記されています。
 以下、エレベータの部分停止による省エネ効果を考えてみます。

 エレベータ2基を有する同所6階建てビルでの実測調査(出典:電力中央研究所報告 エレベータの運転台数変更による省エネルギー効果と利用者便益の変化に関する定量的研究)によると、運転基数を2基から1基に変更すると、電力削減量は0.7%にとどまり、利用者の待ち時間は53%も増加したそうです。エレベータの待ち時間が30秒を超えるとイライラが高じたり、ビル内の移動に時間がかかったりするため、多くのビルでは出退勤などのピーク時でもエレベータの待ち時間が平均30秒以下になるように設計されているようです。

 また、エレベータ4基を備えた10階建てのビルで1基を止めた際のシミュレーション(出典:電力中央研究所報告 エレベータの省エネ運用による省エネ効果と利用者便益の変化)によると、1時間あたり800人が平均待ち時間30秒以内にエレベータを利用できていたものが、1基を停止させただけで最大待ち時間は約140秒と4.5倍に達する結果となり、30秒以下となるには利用者が500人までに制限されるとの結果が得られたそうです。

 また、一般社団法人日本サステナブル建築協会が平成23年5月に纏めた緊急提言(DECCに基づく業務用建築物の夏季節電方策に関わる緊急提言)によると、「大規模ビルでエレベータの稼働率を現状の半分にしても、ビル全体の節電効果としては1%程度」とあり、「大規模ビルで照度を50%に抑制できたとしたときの省エネ効果が9~18%」に比べ、省エネ効果は極めて限定的だと言えます。

 以上の報告から、エレベータの節電対策には電力量の削減効果と利用者の利便性のバランスを考えて判断する必要があるようです。「近くのフロアに移動する場合、極力エレベータを使わない」、「利用の少ない時間帯にだけエレベータを部分停止する」などは利便性を損なわず省エネ効果が見込まれる対策と言えます。いずれにしても、他の省エネ対策と同様、定量的な省エネ効果の裏付けの下に、優先順位をつけ実施することが必要と思われます。

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