経営者のよくあるお悩み一問一答
ベビーシッター、人材派遣、預かり保育、その他の育児サービスを提供する会社です。さまざまな勤務形態の人が混在して働いていますが、地域の育児事業の需要が拡大し、従業員が増え続けています。今後ますますの増員に向け、人事面で気をつけるべきことがあれば教えてください。
多種類の勤務形態について現状を把握し、すでに働いている従業員の中から、もっと働ける人材に働く場を提供していくこと、また採用方針に沿って、丁寧に採用活動を推進することをお勧めします。
会社の採用方針に沿った採用活動ができるよう、現在の配置を適正化していく工夫と、採用のミスマッチを防ぐ取組みを行いながら、体制を整えていきましょう。
まずは、適正な労働の配置ができているかどうか、現状を確認します。ベビーシッター、人材派遣、預かり保育、その他育児サービスの各部門にどのような勤務形態の人が働いているか、稼働状況を捉えるための表を作って配置の全体像を把握しましょう。そのうえで、各部門の必要求人数や課題を洗い出します。
その際、部門を超えて働けないケースや、受託事業で他部門と重複して働いてはならないケースなど、制約ややってはならないこともリストアップします。これらは、現場部門のリーダーと人事担当者の協力体制で実施します。
多種類の勤務形態が存在するということは、さまざまな環境の人が働いているということです。そこで特に、パートタイマーで働いている人や短期間で働いている人の中で、「もっと働く時間数を増やすことができる」、「別の業務もできる」という人材には働く場所と時間を提供し、活躍の場を拡大します。
人員が急拡大する際は、目の前の人員の確保に注力しがちですが、急な増員や短期雇用こそ、慎重に採用活動をしなければなりません。こうした状況では、採用後すぐに現場でサービスを提供してもらうことになるため、質が下がらないよう、自社の求める人材を一定基準に従って採用することが重要です。
応募者の志望動機、要望と自社の提示条件を確認して両者が納得する、また適性や能力、理解力、判断力、表現力を見るという面接・試験の目的も再認識し、そのカバーとして、筆記の適性検査を導入して適性や能力を判断したり、価値観や信念を聞き出したりして、働き始めのコミュニケーションを円滑に進める工夫も必要でしょう。
多種類の勤務形態での採用に係る事務手続きはふくらみ、人事や採用担当の負荷が大きくなります。関係機関に対する書類提出期限を守り、毎月の給与計算に影響を来さないよう、入社後の必要書類一覧を作ってチェックし、事務手続きの抜け漏れを防ぐとともに、手続きの迅速化を図りましょう。また、人事担当者側で実施することと現場で実施することの分担も明確にしておくことが重要です。